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Judas Priest

Judas Priest - Rocka Rolla (1974)

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 プロデューサーの力量をヒシヒシと感じるアルバムもあればさほど感じない作品郡もあって、プロデューサーはどこまでそのバンドの個性に絡むのだろう。バンドがスタイルを持ってからならバンドの個性が強くなるから引っ張り出す仕事に比重が置かれるけど、そこまで出来上がっていないバンドは多分プロデューサー意向の音になるかもしれない。そうでもないからこそプロデューサーよりバンドがクローズアップされるし、このヘンの関係性は比較しないと分かりにくい。

 初期Black Sabbathのプロデューサー、ロジャー・ベインが手がけた作品に先日のDirty Tricksも挙げられるけど、その前の1974年のJudas Priestのファーストアルバム「Rocka Rolla」もある。当然Black Sabbathで培ったヘヴィバンドの音の作り方がここでも生きてくるけど、Judas Priestも後にかなりの個性派バンドになるので、一般的には別物のアルバムと言われるが、これはロジャー・ベインの音だろう。サバス的な湿ったヘヴィさと陰鬱さとミドルテンポな曲が大半を占める、そして雰囲気を醸し出すための効果音もアチコチで散りばめられて、ホラー映画的側面はあるロジャー・ベインの作り方か。

 一方、ジューダスはキャリア長いけどようやくメジャーレーベルからアルバム出せるので、ある意味ジューダスらしいヘヴィネスさは変わらないテーマ。ただ、重金属感は特別になく、1974年の英国ハードロック郡からみてもかなり埋没した作品な気がする。これならThree Man Armyの方が全然ヘヴィで疾走感あるメタル。些か時代遅れ感はある。ただ、この雰囲気は好き。リフ、曲構成、音作りもあの時代の音で、ジューダスの名前でなければ面白い部類の英国B級バンドの仲間入り。逆にジューダスの名前だから駄作の烙印が押されてただけで、聴いた時は面白いと感じた。

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