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Accept & U.D.O

Accept - Accept (1979)

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 60年代末から音楽活動開始して地道な音楽活動を行って80年代にようやくプロになったバンドも少なくはない。60年代はまだ需要が見込めなかったから間口が狭かった。やってる人も少なかったけど。70年代は産業が成長したからやる側も聴く側も増えたが、ドイツではやや遅れはあったけど、大差なかったか。英米と日本の差を見ているとドイツも似たようなものか、それとももうちょっと英米に近い気がしてる。

 Acceptの1979年リリースのデビュー作品「Accept」。それこそ60年代末から活動始めてアクセプトが出来たのは1974年頃だから、70年代のバンドだ。ところがシーンに出て来なかったから、音楽性も変わったと思う。多くのドイツのバンドにありがちな、ジャーマンハードの世界から洗練されたサウンドに仕上げてきた作品が、ファーストアルバムに入っている曲だろう。だから新人バンドが時代に合わせてデビューアルバム出したのとはちょいと違う。それだけの時間をかけて進化して、たまたまこの時点でこういう音出して、更に進化して実験やチャレンジを繰り返していく事は明白。その一つの過程がこのアルバムだから重さやスピード、以降のアクセプトが獲得した個性はまだ完成されていなくて当然。それでもジャーマンハードから脱却した洗練されたサウンドを出しているから、当時のドイツでは先端にいたと思う。

 しかしジャケットのセンスの無さもジャーマンハードと言えばそれまでか。サウンドの垢抜けなさも時代を感じるし、音のチープさも手伝っているからバンドの問題でもない。後のアクセプトに繋がりそうなパワフルな曲もチョコチョコとあるから本質的な指向性は出来ていた感じ。ただ、それを形にするまではあと何年も掛かったようだし、その間にレーベルの邪魔も入り、一筋縄ではいかなかったが、それでもバンドが大成したから見事。

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