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70s British Rock 【K・L・M】

Keith Christmas - Fable Of The Wings (1970)

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 不思議なアルバムやサウンドがここまで幾つも見つかるか、聞けるかのも今の時代ならでは。昔だったらそこまで情報漁るのも大変だったし、漁ったとしてもそれを聴くには手に入れるしか無い。どこで手に入るんだ?から始まる。それが一枚や二枚なら良いけど、常にそんな事してるから何十枚レベルで気になるし。到底そんなコレクターにはなれなかっただろうし聴けなかったと思う。今の時代だからこそこれだけアホみたいに聴いて感心して考古学的に漁れている楽しさ。

 その筋では知られているKeith ChristmasがB&Cレーベルに残した2枚目のアルバム「Fable Of The Wings」。この人もフォーク出身と言いつつも多国籍バンドEsperantに参加して歌っていたのが一番知られてて、そこからもポップ的シンガーとしてキャリアを築き上げていった方。最初期の作品ともなる1970年のアルバムだからフォーキーだろうとは思っていたが、ここまでカッコ良いフォーキーな作品が出てくるとは。しかもバックにはキース・ティペットのピアノ、そう、アバンギャルド感出しまくりで自由自在に音が動き回るあのピアノがここでもしっかりと披露されています。おかげで曲そのものが物凄く素晴らしい世界を作ってて名曲に仕立てられてる。演奏でここまで素晴らしく仕上がるのかと言うくらいにカッコ良いのは事実。更にシェラ・マクドナルドとのジョイントも如何にもフォーク調の曲で実現していて、やはり素晴らしさをマジマジと実感する出来映え。こういうのは誤魔化しが効かないからそもそもの素晴らしさが引き立ってくる。

 バックの演奏陣営はMighty Babyの面々から、更にFotheringayから、と業界的繋がりは割と豊富だったようで、地味な話題になるアルバム作り。フォークだと基本的にその人が自分で作ってきたままに知り合いが色を付ける程度しか出来ないので、本人がやりたい姿に近いアルバムになっているのだろう。案外ロック的要素も見え隠れしたり、多分そこはMighty Babyのセンスなのかもしれない。聴けばじっくり聴いちゃうので、かなり秀作の域にある作品。

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