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60s-70s UK Trad Folk Rock 【A-C】

Accolade - Accolade (1970)

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 英国のギタリスト、ゴードン・ギルトラップをご存じだろうか。日本では知名度がほぼ皆無に近い人だけど英国では相当の知名度を誇るらしい。リチャード・トンプソンも似たような部類だけど、ゴードン・ギルトラップも同じ類だ。そしてゴードン・ギルトラップの場合はバンドに恵まれなかったためにロックシーンでもそこまでメジャーにならなかった。バート・ヤンシュに憧れを抱いたギターの名手だった。かく言う自分も名前だけは知っていたものの作品に接触する機会がなく、見過ごしていたので大層なことは言えない。

 ゴードン・ギルトラップがバンド結成してデビューした初々しい頃の作品Accoladeの一枚目。アナログ手に入らなかったので昔に手に入れたカウンターフィット盤です。だから偉そうなことは書けません。冒頭からキレの良いアコギによる不思議なサウンドが広がります。フルートも入るので英国的アコースティックを狙っている感は強いけど、ゴードン・ギルトラップのギターがシャープで鋭くてカッコ良すぎる。歌のソフトさ楽曲のソフトさ全てギルトラップのギターがエッジを立ててしまう不思議な音。そのヘンがバート・ヤンシュ指向だろうか。この頃20歳前後くらいだから天才肌のギタリスト。楽曲や歌に耳が向かないのは問題だが、それくらいギターが光っている。

 アルバムとして予備知識的なしに聴くと、1970年の作品で相当しっかりとした出来映え。歌メロの旋律もモノ哀しく英国的なラインがゾクゾクと出てきます。フルートが情景を巧く出して、バックはウッドベースとアコギだからうるさくない。大らかな感じもあるしカントリー好きなのも分かるけど、繊細に奏でる音が美しく相当の名盤と呼ばれてもおかしくない。中には10分弱や13分くらいの曲まで入っているから楽曲構成もしっかりと出来ているし、ダラダラな音でもなく聴かせてくれる。未だ見ぬ名盤と記憶しておくには良い作品。

 その後はゴードン・ギルトラップもメジャーな活動をしていてリック・ウェイクマンとのコラボが出てきた。何かの機会にこの人の遍歴も追ってみよう。ただ、たまに聴くからこういう音は凄さが分かる。

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