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Led Zeppelin #3: Jimmy Page, Robert Plant

Jimmy Page - Lucifer Rising (1972)

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 黒魔術とロックの関係で言えばもっとも知られているのは、あまり知られていないかもしれないThe Beatlesだった、のは有名ながらも封印されている事実か。The Beatlesは結構普通にロック的側面を持ってるくせに、大衆に崇められている音楽集団もあって世間体のよろしくない事実はあまりプッシュされた情報として出てくることはない。映画「Let It Be」が大々的にオフィシャル化されないのもそうだし。「Abbey Road」でポールが裸足で、死んだ噂が流れた、とか何かのアルバムを逆回転で聴くとどうのこうの、とか。彼らの場合は本気で冗談やってるが、売る側はそんなの不要だったようで。何が黒魔術遊びだったかと言うと、逆回転によるメッセージという手法だったり、何かと何かを関連付けたメッセージを世に示す符号だったりが黒魔術「的」な手法で、あの時代にラリってた連中だからおかしくもない。

 そんな冗談的な方向よりももっとストイックに学術的に狂信的に黒魔術に関心を持っていたのがJimmy Pageだ、とも有名なお話。アレイスター・クロウリーの湖畔のお城を買ったのも興味本位からだったみたいだし、と言っても、それ以外に目立った奇行とか黒魔術絡みでの噂は実はほとんど聴かない。Led Zeppelinというバンドに於いてはまずそんな事を耳にしないので焦点はジミー・ペイジになるけど、クロウリーの屋敷以外は聞かないね。ロック界の神話はアテにならない。ただ、ジミー・ペイジがその辺に多大なる関心を寄せていたのは事実だろうし、自分もそうだけど興味津々で漁ってみるもんな、やっぱ。

 そんなトコロに舞い込んだお話が古くから噂の「Lucifer Rising」というケネス・アンガーの映画のサントラ製作依頼。つい最近ジミー・ペイジは自身のオフィシャルサイトでこの「レコード」をリリースして巷では話題にはなった。ただ、内容が内容だから世間を騒がすほどでもなく、関心を集めた程度。ただ、この年にもなってわざわざリマスタリングしてリリースしたのはジミー・ペイジ的にはやっぱりかなり気合が入った、埋もれさせておくには惜しいと思った作品だったのだろう。先に書いておくと、ドラッグ・トリップ映画のサントラだからもちろん音もドラッグ・トリップまみれなサウンドにならないといけないし、実際ジミー・ペイジの本作もそんな感じに作られている。誤解してはいけないのは、実際に映画化された「Lucifer Rising」にはジミー・ペイジの音楽は使われていない点。だから今回のジミー・ペイジオフィシャルサイトで「Lucifer Rising」をリリースしたのは、1972年にジミー・ペイジが作り上げた音の初めてのリリースとなる。超全盛期だから期待する部分もあるけど、それは音楽家としてのお話ですね。

 悪魔崇拝の映画の音楽はどんなのを想像するか?そんな角度で「Lucifer Rising」を聴くと、ジミー・ペイジの音楽家としての才能の豊かさに触れられる。ミニマルサウンドからどんどんと展開していき、見事にトリップ感を盛り上げてラリっていける感触を味わえます。終盤にはアコギが鳴らされてきて、これが正にGibsonの音(?)でジミー・ペイジ!この音を聴くだけで十分だけど、カンタベリーあたりを好んで聴いている人なら普通にこのサントラ聴ける気がする。ちょっと黒い側面強いけど。

 タイトル曲「Lucifer Rising」の残りの「Other Sound Tracks」にしてもギターの効果音を使いながらの多重録音もあって、ギタリスト、ジミー・ペイジがスタジオでこんなのを作っている姿を想像するとなかなか笑える。ピンク・フロイド的にスタジオでハマり込んでいたんだろうなと分かるね。ギターとエフェクトだけで妙な雰囲気のサウンドを作り出しているのはやっぱ凄いなと思う。普通に聴いたらサイケ遊びだな、みたいだけど、それがしっかりと映画のサントラという意識があるからか雰囲気を出してるし、そのヘンも見事で、なかなか楽しめる作品でした。もちろんディープマニア向けです。

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