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Slipknot & Stone Sour

Slipknot - Slipknot (2000)

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 2000年にリリースされたスリップノットの最初のアルバム「Slipknot」。バンドは5年ほど前から始動していたそうだがメンバーの固定化とサウンドの確立などで数年を費やしたか、売るためのコンセプト作りかもしれない。この変態的マスク集団とあまりにも多すぎるメンバーの数、それでいて超どヘヴィーな音の塊で売れる思惑が見事。21世紀を迎える世界に対して時代に融合した奇跡のバンド、ヘヴィネスが売れる時代になった象徴でもある。

 ファーストアルバム「Slipknot」は、最初に聞いた時はもうダメ。こんなにうるさいのは聴いてられずに早々に投げ出した。セカンド「アイオワ」を聴いての話だったが、この手のうるさい音は音楽的な楽しみとは違うから受け付けなかった。ただ、それから色々と聴て時代も流れて確かにヘヴィネスが普通にシーンにあり文化に入って聴けるようになった。コリィ・テイラーの歌声に違いを感じたのはスクリーム声の歪んだボーカルだったからに気づいた。歌い回しは今のストーン・サワーとさほど変わらず、そこまでメロディアスじゃないが、スリップノットも相当に実はメロディを持った歌も多く、単に叫ぶだけのデス系ではない。聴きやすさがある不思議なバンドで且つアグレッシブにヘヴィな音、売れたのは予想外だが良く出来てる。ファーストアルバム「Slipknot」を今聴いても凄くて新鮮な刺激を受ける。以降こういう音に出会ってないから、今でも唯一無二の音。速いだけ重いだけではなく、多様なリズムやジャンルが入り込んでるし曲も複雑に作られてる。

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 怪物の衣装で思い出すバンドはスリップノット。もう10年以上前にシーンに登場して、今じゃベテランの域に入りつつある怪奇猟奇的イメージのバンド。病んだ90年代を経てシーンに出てきて爆発的に受け入れられたスリップノットのスタンスとスタイルは21世紀に見事にマッチした。出てきた当時から知ってて、ここまで極端な出し方も凄いと思って聴いたけど全然ダメだった。ただ、その後「Iowa」を聴いた時に何曲も聴けなかったけど曲がカッコ良くて聴いてた。今思えば多分そのメロディの良さだろうか。

 再度2000年にリリースされたインパクト絶大のファーストアルバム「スリップノット」に挑戦。バンド名を冠した見事な表現のジャケットと音。オープニングのSEやテーマが凄くインダストリアル的な雰囲気で無機質な音で聴きたくなる雰囲気。続けて出てくる音が意外とポップでメロディアスでアレンジも飽きさせないように、凝った作りで予測できない展開が面白い。単なるうるさいスラッシュメタルとは異なる、90年代の退廃的なサウンドとメタルを掛け合わせて更にラウドロックのノリや歌い方も入れて、あらゆる要素が詰め込まれているので面白い。21世紀に出てきたバンドのあらゆる部分を網羅した時代の予告編すら感じるアルバム。

 それに加えてこのルックスのインパクト。9人もメンバーが必要かと思うが、それぞれの役割があってこその音。真面目に音楽的にも評価もレベルも高い作品を作り上げながら更にこのルックスで、見た人に一発で話題を提供できる売り方。かなりクレヴァーな側面があるが、ファーストアルバム「Slipknot」で既に完成されたサウンドが出来上がっているから凄い。

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