The Yardbirds

The Yardbirds - Five Live Yardbirds (1964)

　ロックの歴史の中においてもファーストアルバムがライブ盤は珍しいが、それを実践してしまったのがヤードバーズで、時代は1964年のお話。デビューアルバムがライブとは即ちデビュー前のライブが収録されていて、それ自体も凄いけどライブの中味もどこまでやらせなのか知らないが、その効果は十分に発揮されており一般のロック評では「さすがにクラプトンの人気は当時から高く、冒頭のメンバー紹介での一際大きな歓声がそれを表している」との文面を見かける。後から被せてたらそれ意味ないだろ、と突っ込みを入れたくなるが。

　とは言え、やはりライブで鍛え上げられたバンドだけあってもの凄い熱気が収録されている事に変わりはなく、1964年ロンドンのマーキーに出演していたバンドは本当に凄いといつも思う。何かが生まれていく渦中にいた事を実感していたかどうか分からないけど、この異常な熱気はやっぱり凄い。クラプトンのトーンもギターも単なる若造にしては恐ろしい程に上手いのが、このうるさい歓声と時代を物語る音質の中でよく分かるくらいなので本当に凄かったのだろう。

　そうだね、自分的には結構キース・レルフが好きで。取り立てて才能が凄くもないけど、がむしゃらに歌っている姿やクールなスタイル、英国で一番になるぜ、みたいな青白い炎が見えてて良い。だからヤードバーズは好きだ。高校生くらいの頃にこの辺のロックを聴き漁って、ヤードバーズはこのアルバムからとレコード買って聴いたけど、なんかうるさいな、これ、という印象。冷静に聴くと全編カバー作だった。初っ端から飛ばしてるし、それがカバーも何も気にしなくてバンドのパワーを聴いてた気がするから、ストーンズとは完全に被ってる。その辺はやっぱストーンズの方が売れたが、ヤードバーズも悪くないし、そんなに差があるとは思えない。この辺だと「Smokestack Lightning」のリフも凄くロック的で好きだね。「I’m A Man」もあるし、やっぱクラプトンの選曲かな。

　昔のレコードを聴いてると10曲しか入ってないけど、最近のCDは20曲近く入ってるから凄い。しかもCDの前半にボーナストラックが入っていてもう滅茶苦茶だ。昔からヤードバーズのアルバムはワケ分からなかったけど、今でも分からんリリースだ。それでも何でも聴けるようになったのはやっぱ良いよ。自分の時代は探してもん「Five Live Yardbirds」と「Roger the Engineer」くらいしか見当たらなかった。

Five Live Yardbirds