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All About Eve / 4AD Label : Bauhaus, Cocteau Twins, Dead Can Dance, This Mortal Coil

All About Eve - All About Eve (1988)

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 ゴシック系からメジャーシーンに出てきた割に付いたファンは英国伝統のトラディショナルフォークやプログレファンだったと幅広いリスナーを獲得したオール・アバウト・イブ。バンド名は「イヴの総て」でそれだけでそそられるが、この事実の裏には更に驚くべきことが眠っている。だからオールドロックファンも気になるバンドで幅広いファンを取り込んでいる。そして奏でる音は心が癒される音世界で、一般のリスナーもリラックスして聴けるから凄い。

 オススメはファースト「All About Eve」とセカンド「Scarlet and Other Stories」。どちらのアルバムもプロデュースは元ヤードバーズのベーシスト、ポール・サミュエル・スミス。。これ以外で彼のプロデュース作品が陽の目を見たこともないので驚き。そしてファーストアルバム「All About Eve」の美しいジュリアンヌ嬢の艶めかしい姿をジャケットに据えているが、その写真を撮ったのが同じく元ヤードバーズのクリス・ドレヤ。

 音の方は完全にルネッサンスの世界に繋がるし、アコースティック調のギターとリズム隊、そしてジュリアンヌ嬢の歌声なので売れる素地は完全に出来上がっている。出てくる音も静かでメロディも綺麗で聴きやすい。アレンジ次第ではゴシック調やニューウェイブに向かいやすい歌メロで、今ならどこかエヴァネッセンス的メロディ。耽美的にはあまりにもポップ過ぎながら天使の歌声。透明感があって綺麗で、どこかアニー・ハスラムやマギー・ライリーのソロを思い浮かべる世界。

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