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時代区分とは何か

歴史も、歴史の素材である時間も、まずは連続したものとしてあらわ
れる。しかし歴史はまた変化からもつくられている。だから専門家たち
は昔から、この連続のなかからいくつかの断片を切り出すことで、こう
した変化をしるし、定義しようとしてきた。これらの断片はまず歴史の
「年代」と呼ばれ、ついでその「時代」と呼ばれた。
  

「時代」という言葉が14-18世紀のあいだに「期間」や「年代」の意味をもつようになり、「時代区分」という言葉、その概念はやっと20世紀になって生まれたとしている。そして、この「時代区分」という言葉は人間が時間に対して働きかける行為であり、その区切りが中立ではないという事実に注意を喚起している。そして、「時代」「時代区分」という概念自体が歴史のなかで生まれてきたことを確認したうえで、「習慣的に「中世」「ルネサンス」と呼ばれているもののあいだの歴史的関係」を検証するとしている。

「時代区分」とは何か 
「時代区分」とは、長い過去を組織するために生成してきた存在ではあるが、
それは、単に時間的順序を表すものではなく、同時に移行や転換があること
と、前の時代の社会や価値観の否定さえもが表現されている。したがって時代
区分には特別な意味がある。時代区分は、時間を我がものとするための、時間
を利用するための助けとなるが、そこから過去の評価にまつわるさまざまな問
題が浮かび上がる。そこには主観性と、なるべく多くの人に受け入れられる結
果を生み出そうとする努力とが同時に込められている。そして、その時代区分
という「行為」には何らかの歴史観を要する。時代を区分する尺度・基準・視
座がなければならない。歴史家が後からつけた区分した歴史観と密接に関係し
ており、歴史家が歴史を書く時に便宜的使っているものである。
また、「歴史学」が合理的知の対象となった18世紀に大学や学校のなかに入
り教授のために時代区分が必要となった。この事実は「時代区分の歴史を理解
する」ために重要なことだと、主張している。つまり歴史が時代区分を受け入
れるような知になるためには、教育という活動を必要としていたということで
ある。

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