見出し画像

落語形式で考えよう;報道されてる品質不祥事はマネジメントシステムで防げるってホント?

【第三十六回】  顧客要求事項の間違いない確認-前編


熊さん 「8.2ってぇ項は製品、サービスに関する要求事項って標題がついてヤスが、要求するのはダレなんでヤンスか?」 

大家さん 「これは買い手でな、8.1の全般的な事に加えて、いろんな段階、これってプロセスって言うんだがな、そこで個別に必要な事があるから8.2以降で取り上げていて、売り買いの中心の買い手が考える製品及びサービスに関する要求事項を間違いなく受けるための必要な事を8.2は扱っているのだな。」

熊さん 「それにしてもいろいろな事が書いてヤンスねぇ。」

大家さん 「そうだな、要求事項の明確化、レビュー、変更それぞれの注意事項の前に、そんなことをするために、買い手と話し合って情報のやりとりをしなきゃならないし、要求事項を明確にしてからもいろいろ伝達しなけりゃならないんでな。ここでは情報のやりとりの事をコミュニケーションって言ってるんだが、コミュニケーションの注意事項を8.2.1で5項目書いているんだねぇ」

熊さん 「a)の製品及びサービスに関する情報ってぇのは、買い手が提供する話しですカイ?」

大家さん 「いや、主語は組織だと思うし、英語の原文は『製品及びサービスに関係する情報』になってるから、事業形態によって違うけど、ウチはこんなことができますみたいな、買い手が判断するための情報提供だと思うよ。」

熊さん 「広告だけでは足らないんで?」

大家さん 「なんせ、売り手は何もなければやたらと情報を公開しないだろうし、買い手とはやってる事業の分野も違うだろうから、買い手は売り手の事をよく知らないだろう。だから、照会があった製品及びサービスに関係する売り手側の持ってる一般的な情報を買い手に提供する事が引き合いを進めるために必要になるだろうね。」

熊さん 「なるほどな、製品が受注設計製品なら類似製品の紹介や、標準量産品に関係するときはカタログや実物の機能紹介の仕組みなんてこともあるかも知れないな。」

大家さん 「そうだ。そんなやりとりがあって実際の引き合いの段階に移って、8.2.2が言っている要求事項の明確化をすることになるわけだ。」

熊さん 「このa)の1)に書いてある『適用される法令・規制要求事項』ってのは第1条に出てくるので分かりヤスが、適用される法令・規制要求事項ってのをどうしても見つけなくっちゃならないンでヤンスか?」

大家さん 「『適用される』ってのはその製品に適用される法令・規制要求事項があればって言うことで、ないのに無理やり見つけろっとは言ってないよ。大体、ISO9001の第1条は、ISO9001の要求事項は原則的、元の言葉ではジェネリックだと言っているから、状況をよく考えて適用を考えなきゃいけないよ。」

熊さん 「ああ、良かった。で、2) の『組織が必要とみなすもの』ってのはなんか唐突に言われるような気がしヤスが?」

大家さん 「いやな、要求事項っていう時に要求するのは買い手で、受注設計製品ではそういう買い手要求を意味しているがな、設計して生産に回すときは顧客のパフォーマンス要求だけじゃなく、設計で決めた生産基準をキチンと守る事が必要だよな。それに、標準量産製品の場合は買い手のパフォーマンス要求は表に出なくで、売り手主導の製品規格が要求事項に見なされることが多いって話しをしたことがあるよな?」

熊さん 「ああ、思いだしヤシた。ソン時は契約をして生産を開始したら、契約時に見本に提供した製品の工程を変更するときなどは原則的には買い手の了解を取ってからやることを考えろってぇ事でした。」

大家さん 「そうそう。だから、買い手の要求した事だけじゃなく、売り手側が必要と考えることも明確化する事を求めているって事だよ。」

熊さん 「分かりヤシた。当たり前と言やぁ当たり前のことを言ってるみたいでヤンスね。」

 (次回に続く) 

 < シリーズのホームページへ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?