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叙情派フォーク・グループ_ 9-10/10

9.八十八夜 NSP

   作詞:天野滋  作曲:天野滋 1978

【物語】八十八夜の頃、明日結婚式を控えた女性が元カレの黄ばんだ写真を見ながら感傷にふけっている。そんな夜に元カレから電話があり、本当は元カレと一緒に人生を歩きたかったと思うが、写真と同じように思い出も色あせてくると言い聞かせ、結婚したら幸せになると思い込もうとしている歌。
 NSP(ニュー・サディスッテック・ピンク)は独特です。固定ファンが多かったのではないか。『夕暮れ時は淋しそう』は結構流行ってた。

【グループ】岩手県出身の三人組のフォーク・グループ(天野滋・中村貴之・平賀和人) 高校の同級生であった三人が在学中の1972年に結成した。1973年『さようなら』でデビュー。卒業後1974年に『夕暮れ時はさびしそう』が大ヒット。同年のアルバム『NSP III ひとやすみ』もヒット。その後も、1976年『赤い糸の伝説』がヒットする。シングル29枚、アルバム18枚。1987年解散。

10.『愛はかげろう』 雅夢

  作詞:三浦和人 作曲:三浦和人 1980

【物語】男性と別れた女性の恨みの歌。愛は”かげろう”のようなものと嘆いている。”かげろう”は陽炎と蜻蛉の両方の意味がある。陽炎は光の乱反射で物体が揺らいで見える事から、見えていても実体のないものに例えられる。蜻蛉(トンボ)の寿命は一時間から長くとも三週間とされ、はかないものの例えとされる。つまり愛は”実体がなく、はかないものだ”と嘆いている歌。

 詞はほぼ昔の演歌である。『神田川』に代表される70年代のフォークブームならこの詞は理解できるが、「別れた、悲しい、つらい」というストレートな表現が1980年発売の歌でもうけるってなぜ? 曲としてはいいし、歌もうまいけど、この詞は古くさいけれど。
 ♫窓ガラス流れ落ちてゆく雨を 細い指先でなぞってみる くもりとかして すべる指先に伝わる冷たさ 心にしみる♫ 
大川栄策『さざんかの宿』♫くもりガラスを手でふいて あなたあしたが見えますか♫ を思い出した。

【グループ】中京大学在学中、三浦和人と中川敏一が「雅夢」を結成。ポプコンで最優秀賞を受賞し1980年『愛はかげろう』でデビュー。シングル9枚、アルバム5枚リリース。1984年解散。


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