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この国の常識を疑ってみる散文

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物事の捉え方や、言葉の意味を自分なりに掘り下げてみると、自分の思い込みだったことだけでなく、多くのオトナが誤解していたり、歪んだ常識に無関心になっていることに気づく。
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#子供達の意識を変えたければまずは我々大人から

「競争」の美徳化は子供も大人も疲弊させる ≪前編≫

結論:「競争」の濫用を無くす前編と後編に分けた長文コラムとなるため、先に結論を述べます。 子供教育、学校の部活動、家庭、社会人の職場でも、あらゆる場面で… 「競争」という言葉は、無闇に使わないことをお勧めします。 こう提唱すると、多くの人が持つ「常識」に一石を投じるものとなるのか、なかなかの物議を醸し出すようです。 一つの話題としての対話になるどころか、「競争に勝てない負け犬の遠吠えだろう」と一蹴されることも、何度も経験しています。  それでも、次世代の子供達のためにも、

「競争」の美徳化は子供も大人も疲弊させる ≪後編≫

■競争心理は遊びの中で充分イギリスの哲学者、バートランド・ラッセルは、「競争心理」は、誰もが幼少の頃から自然と「遊びを通じての本能的欲求」の一つとして持っているものと示しました。 そう…周りから競争心を掻き立てる必要などなく、「競争心理」というのは、そもそも人間の本能的欲求に存在しているものだそうです。 つまり、幼少時期にある「筋肉を動かす自由、運動の自由、騒ぐ自由、仲間をつくる自由、意識を自由にする自由」においての、自らの成長過程での「遊びを通じての本能的欲求」なんです

「がんばる」を考える

日本で学術書の翻訳会社を経営をしているフランス人との対話で、とても盛り上がった話を綴っておくことにする。 「がんばる」という日本語は、フランス語でどういう表現で訳すとよいのかが、とても苦労しているという話だ。 人を励ますという意味合い以上に、彼が感じた「がんばる」という言葉に漂う「日本人独特の空気」には、大いに疑問を感じており、それはボクら日本人が忘れかけていた「ある事」に一石を投じてくれている気がするんだ。 ■頑張るって…ナニ?彼の仕事上、適切な訳し方が求められるため、