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アルバム7割くらい完成【エッセイ・2023年11月】



アルバム作りが最終局面を迎えています。

15曲のうちの数曲を残して、レコーディングが終わった音源を順番にMIXの工程へ進めている段階です。

MIXへ行ったら、基本的にはもうその音源をいじることはありません。

エフェクトを掛けたり加工という意味でいじることはあっても、ギターのフレーズや歌のメロディ、歌詞などを変更するということはまずあり得ない。

なぜならもう録り終わっているからです。それらを変更するということはつまり「録りなおす」ということで、工程を元に戻ることになる。ベルトコンベアを逆走するようなもので大変な迷惑です。

満足いってなくても、あとからもっと良いアイデアが生まれてたとしても、一度送り出したものは胸を張って背中を押してやるのもギタリストの仕事のうちなのかもしれません。


これはどんなレコーディングでも言えることだけど、このMIX前の段階というのが、なんとも寂しいもので、なんか、レコーディング楽しかったな。とかってついつい黄昏てしまう。自分の中に流れるプレイヤー気質みたいなものを再確認する時間でもあり嬉しかったりもするんだけど、やっぱり寂しい気持ちが勝ちますね。子を送り出す親の気持ちのようなものでしょうか。親になったことないのにいい加減なこと言えないけど。


これで15曲すべてがMIXに行ったのなら宴のあとの寂しさに浸るのも悪くないですが、実はまだ数曲、レコーディング必要な曲があります。

3年1組、感動の卒業!とか言ってたら実は2〜3人留年した奴がいた。とでもいうような空気が僕のスタジオには漂っています。


こいつらは残っているだけあって僕も手を焼いているのですが、少年の非行は少年というよりも彼の話に耳を傾けない大人にも原因があるというように、曲そのものに良いも悪いもなく、曲が言おうとしてることを僕がまだ理解できてないんだと思います。だからいくらデモを重ねてもいまいち張りがなくOKが出ない。

それをいつまでやってるわけにもいかないのですが、難航していて避けていたのは事実だよなあ、、、と。今回のアルバムは普段作らないような曲調の作品も入っているのですが、それだけにしっかり向き合えてない部分もあったと思います。


今月末マスタリング〆切なので非常にリヴァイ兵長、間違えました、ヤヴァい状況なのですが、ラランドのサーヤさんも言ってました。モンスター社員であるニシダを更生させるのではなく彼のよさを引き出すことが社長たる自分の役目なのであると。曲作りにおいても、同じことは言えるのかなと。

そんなこと考えながらも今日は一日ビッグサイトで仕事のため曲と向き合える時間は少ないのでした。

3連休は季節外れの暑さになるのだとか。
知らずに家を出た僕の隣の席には、今、外気温27℃の世界に自分の居場所を見つけられずにいるデニムのジャケットが不安そうに窓の外を眺めています。


どちらさまも体調に気をつけて。
素敵な連休になりますように!

みなさまの支えのおかげで今日を生きております。いつもありがとうございます。