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反省力


先日参加したセッションの反省点を洗い出す作業をしました。

その中で考えたことを少しまとめてみます。音楽の話というよりは、自己評価と他者評価をどう考えるかみたいな話なので、他分野の方にも参考にしていただけたら嬉しいです。


自己評価と他者評価は違って当然

セッションに限らずライブやリハーサルなど生音で合わせる機会があれば、僕はその後必ず反省会をしています。

その反省会のたびに思うことですが、自分で自分に思う感想と、他人から頂く感想って基本的に違います

どっちを大切にするか、そのバランスって物凄く難しいです。

我が道を究めんとするなら自分の感想だけ見てりゃいいし、逆に他人の感想しか見ていないと、いずれ演奏から自分の色が消えます。


個人的にはこれってコーディネートのチェックとかに似ていると思っていて。自分で好きな服を選んで鏡の前に立ってチェックするけど、友達や店員さんにそれを見せて似合ってるかどうかも訊くじゃないですか。
音楽も同じように、自分と他者と両方の視点が必要ということです。

そのうえで、音楽は他者に鑑賞してもらうものなので、どちらかというと他者評価を重視してるという感じですね、僕の場合は。


自分が理想としている「そうあるべきもの」からのズレを修正することも大事だけど、そもそもその「そうあるべきもの」がTPOによっては間違ってる場合もあるからです。

他者評価と自己評価はズレて当たり前なので、重要なのはそのズレが何に起因しているかってこと。そこに、自分が変化したり成長していくためのヒントがあるので、(他者評価と自己評価は)一致してたらむしろまずいくらいです。


反省の目的

音楽に限った話ではありませんが、反省の目的は大きくふたつに分かれると思います。

ひとつは「良かったことを伸ばす」ため。
もうひとつは「出来ていないことを克服するため」。


良かったことを最低でも一つは必ず見つける


良かったことというのは、基本的に自分の得意分野であるはずなので、一定以上伸ばすと否定的な意見が聞こえてこなくなります。そのまま突っ切るのも、それはそれでありかな、と。

ただ残念ながら僕の場合はそこまで器用じゃないので、二つめの目的「出来ていないことを克服するため」の反省もすごく重要なんです。ダメな自分を見つめないといけないので、楽しい時間ではありません。

そのなかで心がけていることがひとつあって。それは、よかったことも必ず一つは挙げることです。

自分のダメな部分を指摘することはある程度までなら発破をかける材料として使えますが、一定ラインを超えると自信を喪失してやる気をなくすからです。

それを防止するために、良かったことを必ず一つは見つけるようにしている。

自分で自分のここが好きだと言える個所を持っていることは、日々を前向きに生きる助けにもなってくれます。



ダメだったことも必ず見つける


上に書いたのとほぼ同じ理由で「ダメだったこと」も必ず最低一つは挙げます。

よかったことだらけだと調子に乗ってつけあがるのでそれを防止するためと、修正すべき個所が無いと人は成長しないからです。

良かったこと、ダメだったこと、どちらも、すぐに見つからない場合は見つかるまで何度もビデオを見返しています。



具体的な方法

反省会の仕方ですが、具体的にはノートに

① よかったこと
② ダメだったこと
③ ②を克服するために必要なスキル

を書き出しています。

①しか書いていないと、楽しかった思い出日記で終わる。
②しか書いていないと、二度と開きたくない黒歴史手帳になる。
③しか書いていないと、何のためにそのスキルを習得したいと思ったのか忘れる。

だから、この3つが必要です。



記入例


反省ノートなんて他人に見せるものではないので、指摘する内容は些細なことでもOKです。自分にとって、それがほんとうならそれでいいんです。

たとえば

① イントロのフレーズをミスなく演奏できた(よかったこと)
② サビのコードを正しく押さえられなかった(ダメだったこと)
③ コードチェンジの練習をする(必要なスキル)

など。



重要なのは目的意識

当たり前の話ですが何のために反省をするのか、その目的が最も重要です。

たとえば僕は毎晩お風呂から上がった後「今日のお風呂」を反省しません。反省する必要がないからです。
ところが、仮に自宅でも出来る究極の入浴法みたいなものを研究していて、それを発信する仕事をしていたりしたら、きっと毎日お風呂を反省します。

この場合の目的意識がどこにあるかというと、「より良いお風呂に入るため」では不十分で、「自分がより良いお風呂タイムを満喫できるようにするため」なのか、「できるだけ多くの人によりよいお風呂タイムを紹介するため」なのかで、反省の内容が変わってきます。


音楽も同じで、上に書いた記入例では実は「自分がより良い演奏をすること」を目的にしています。

その人の目的がもしも「よりよいアンサンブルをすること」ならば反省の内容はきっと

① イントロ演奏の息がぴったり合っていた(よかったこと)
② サビのコードを正しく押さえられなかった(ダメだったこと)
③ コード譜をただなぞるではなくkeyと度数で把握する訓練をする(必要なスキル)

みたいなことになります。


音楽以外でも、次のテストで良い点を取るために試験の間違え直しをするとか、成約率を向上させるために営業トークを見直すとか、きっと多くの人がいろんな場面で「反省」をした事があると思います。

結局のところ塾の先生やチームリーダーに強制されて行う反省ってただの作業になってしまうので、そもそも自分が何かを改善したいと思っているかどうかが重要ですよね。それを言い出したら元も子もないのですが、ここまで読んでくださった方は何かしらの目的意識をお持ちでいらっしゃるはずなので、そこは問題ないとは思いますけれど。



おわりに

この手の記事を書くのは苦手なのですが、せっかくなので共有してみました。参考にしていただけたら嬉しいです。

思いがけず長文になりましたが最後まで読んでくださりありがとうございました。



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