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あなたの知らないエフェクターの世界~後編~クリーンブースターとコンプレッサー
昨日に続きエフェクターの話です。
前回はエフェクターってそもそも何なのかということを書き、音の違いを比較したりしました。
今回は、違いがわかりにくいエフェクターをあえて取り上げて比較するマニアックな記事で、対象はクリーンブースターとコンプレッサーです。
ではさっそく順番に見ていきましょう。
クリーンブースター
そもそもブースターというのは「増幅させる」みたいな意味合いで、ギターの音量や歪みの量を増やす目的で使用します。わかりやすく言うと、なんかもの足らねぇな、もっとロックな音にしてぇな、っていうときに使うやつです。そのためブースターは、そのためだけに作られるというよりも、本来は歪みのエフェクターであったものを流用してブースター用途として使用されることも多いです。もともと辛いラーメンにさらに追い唐辛子を突っ込むみたいな感じです(多分違います)。
じゃあクリーンブースターって何?って話ですが、この辺は結構ギタリストによって解釈が分かれます。ブースターの一種という人もいるし、プリアンプみたいなものという人もいます。僕はそれで言うと後者の意見で、歪ませるというよりは音に存在感を与えたいときに使っている感じです。カレーに隠し味でインスタントコーヒーを入れるみたいな感覚です(違います)。
クリーンブースターは、持っているとめちゃくちゃ重宝するし助かるのですが、なにせ違いの分かりにくい機材なので、残念ながら慣れていないと手を出しにくいという難点がセットで漏れなくついてきます。
そこで今回は、僕が実際お仕事の現場で使って便利だと感じた、個人的におすすめのクリーンブースターを3つご紹介。参考の比較音源も載せておきますが、正直なところその差はわずかでほとんど変わりません。それを比較しようというのが、この記事がマニアックのマニアックたる所以です。ここからはグッとギタリスト向けの内容になりますが、ギタリスト以外の方も置き去りにしないよう、ときどき点呼確認しますのでついてきてくださいね。
1 MXR “micro amp”
言わずと知れた定番機種です。これを持っておけばまず間違いないですが、それでは比較にならないのでコメントすると、音量と歪が極めて自然に変化するのが素晴らしい特徴だと思います。いい意味でスイートスポットみたいなところがなくて、感覚ですっと決められちゃう感じ。ゲインを多めにして通常のブースターとして使ってもいいし、なんなら単体でクランチペダルにもできちゃう。ブルースドライバーをブースター用途に特化させた様なイメージですね。
エフェクト前がこちら
エフェクト後がこちらです
若干ジャリッと歪んだ感じになって、艶やかな雰囲気になりました。
この若干、という加減がいかにもクリーンブースターぽいです。
2 One Control “Sonic Blue Twanger”
クリーンブースターというよりはほぼプリアンプです。実際、メーカーもAIAB(Amp In A Box)と命名しているくらいですからね。これ、素晴らしい機材で、僕は常時ONで使ってます。ローの出方がパワフルなので存在感のある音になるんですが、トレブルつまみで高いところもうまいこと調整出来て、ムチッとして独特のサウンドになります。Twangerという名前からカンのいい方は気づいたかもしれませんがフェンダー黒パネを意識して作られたというだけあって、まさにその通りな感じです。最近、山口和也さんのYouTubeでいまみちともたかさんが試奏なさってました。これに関してはその動画でチェックいただいたほうがわかりやすいいかもしれませんが、一応比較音源も載せておきます。
エフェクト前がこちら
エフェクト後がこちら
micro ampと比べると、こちらのほうが低温に迫力がありドスのきいた印象になりつつも、高いところもきっちり出ていてキラキラ輝いているのが伝わったでしょうか?
ちなみに、いまみちさんの試奏されている動画はこちらです。
ギタリスト以外の方―!ついてきてますかぁー?いろいろ書いてますがまとめると、この銀色の機械はめちゃくちゃ素晴らしいので、もしお近くのギタリストが持っていたらほめてあげてください!ということです。
3 zahnrad “3×2”
これも一時期話題になりました。当時DURANさんが使用していたらしく、実際、音も好みだし使いやすくて最高と太鼓判押されてたので買ってみたら超絶ドはまりでした。イメージとしては、上記1と2の中間な感じ?太くて存在感のあるローがグッと出る感じはフェンダーの匂いがプンプン。でも使用感に関してはmicro amp寄りで、滑らかかつナチュラルな変化がたまらなく素晴らしい。難点は基本的にないのですが強いて言うとすればコントロールがいくらなんでもあまりにもシンプルすぎること。つまみ一個だけですからね。その点はmicro ampも同じですが、micro ampはブースターとしての利用を前提にしている一方、3×2にはプリアンプっぽい雰囲気を感じるので、そいういう意味ではトーンつまみくらいあってもいいかなって思ったり。まぁ、それを差っ引いても素晴らしい機材であることに変わりなく、僕がおすすめしたギタリストは皆軒並みこれを買っていることをみても、説得力のある音なんだと思います。
エフェクト前がこちら
エフェクト後がこちら
どうですか?この絶妙なちょうどよさ!ピッキングやボリュームに対しての追従性も素晴らしくて、これ一台でも意外と何とかなったりして。。。レコーディングは写真の通り3~4くらいのボリュームで演奏しましたが、当然ボリュームを上げればもっと歪みます。
ギタリストでない皆さんこんにちは。今日(6/29)は雨で涼しいので風邪などひかぬよう注意してください。
以上まとめると、MXRのmicro ampはまず間違いないのでネットで買ってもいいくらい。
Sonic Blue Twangerと3×2は音に若干クセがあるので不安な方は店頭で試奏してから買うことをお勧めします。
よくわからないという方は、アマゾンで3つまとめて買っちゃうのも手です。笑
コンプレッサー
効果がわかりにくいエフェクターの代表と言えばコンプじゃないでしょうか。調味料で言うと何でしょう。味の素的な?ないと頼りないけど、入れたからって「うわめっちゃ味の素の味する」とはならないみたいな?各方面から賛否あると思いますが僕のイメージだとそんな感じです。
そもそもコンプレッサーというのは「compress=圧縮する」もの、という意味で、その名の通りギターの音を圧縮する機械です。人間の手で弾いている以上、音の振れ幅にはバラつきがあるので、同じ演奏の中で大きな音を小さくして、小さな音は大きく持ち上げる。そうすることによって、バラつきの少ない安定した演奏を可能にしてくれるという優れものです。
とはいえ、よほど大げさに強弱をつけなければ同じ演奏の中で聴感上違和感のあるほど大きなばらつきが生まれるということは基本的にありません。コンプレッサーの効果が感じられにくいのはそのためです。
ここでは、よく使われる定番のコンプを紹介。ただ、人によって好みの分かれる機種なので、万が一気に入らなかった場合の代替案としてもう一つ別の機種もあわせて紹介します。それも気に入らないという場合は・・・個別にご相談ください。笑
1 BOSS Compression Sustainer CS-3
缶コーヒーと言えばB〇SS。エフェクターと言えばBOSS!というくらいの超有名メーカーです。プロアマ問わず、世界中のギタリストが使っているメーカーでもあり、ギタリストの住む家庭なら一家に一台はあるでしょう。コンパクトサイズのコンプにしては珍しくアタックつまみ(後述)も搭載しているのがポイント。ググっと底から持ち上げてくるような効果が特徴的で、教科書的なコンプレッサーと言えます。
エフェクト前がこちら
エフェクト後がこちら
界隈では「パコパコ系」とも呼ばれるこのコンプはいかにもコンプレッサーをかけましたというような印象にもつながるため、好みが分かれることもあります。
ギタリストでも苦手とする人が多い分野なのに、ギタリストでない方にとっては何のこっちゃだと思います。コンプレッサーはお化粧に例えて考えるといいかもしれません。バッチリ決めたメイクが好きな人もいるし、ナチュラルメイクを好む人もいるということに似ています。それで言うとこの青い機械はビビッドなメイクをしてくれるタイプという感じですね。
2 Effects Bakery Plain Bread Compressor
かわいでしょ?Plain Breadという名前から通称「食パンコンプ」なんて呼んでます。僕だけかもしれませんが。
最大の特徴は価格です。最近はコンパクトエフェクターも低価格で質の良いものがたくさん出ていますが、Effects Bakeryさんはその中でもトップを走るメーカーさんじゃないでしょうか。実に自然なコンプ感が特徴的で、言われないとエフェクトかけてるってわからないくらい。だったら使う意味あんのか?と思われそうですが、、、あるんですねそれが。。。
エフェクト前がこちら
エフェクト後がこちら
原音と比べると、全体的にボリュームが下がりつつトーンアップしてきらびやかな印象になっていると思います。歪んでいるときはそこまで大きな違いになりませんが、このデモのようなクリーントーンの場合は音の第一印象につながるので効果は地味に大きいのです。
ということで、がっつりメイクが好きな方はBOSS。ナチュラル派の方は食パンを買いましょう(ここだけ読んだらマジでなんのこっちゃ)
とは言っても、食パンも他の機材に比べると非常にリーズナブルなので、面倒なら一緒に買ってしまうのも(ry
コンプレッサーのコントロール
コンプを実際手に入れても使い方がよくわからん、DAWとかでプラグインのコンプを見てもサッパリという人も多いので、ここで簡単に説明しておきます。
これは分かりやすく説明した画像がありまして。。。
・Threshold:親が音楽のボリュームを下げろと言い始める音量。
・Ratio:親に怒られた後、実際にどれくらい音量を下げるか。
・Attack:親に反応するまでの時間
・Release:親がいなくなってから元の音量に戻すまでの時間
コンプの説明でこれ以上わかりやすいものを僕は見たことありません。。。
最後に
ここまで読んで頂きありがとうございました。特にギタリストでない方は大変な道中だったと思います。ギタリストでないのに最後まで読んで頂いた方にはありがとうポイントを1,000pt差し上げます。
ギターをされている方でエフェクターを選ぶ参考にしていただけたのなら嬉しいですし、そうでない方にもギターやエフェクターに興味を持っていただくきっかけになったのであれば、書いた甲斐があったというものです。
最後に、普段僕が使っているセッティングで録音したデモを紹介しておきます。今日ここで紹介していない機材も使用していますが、それについてはこの企画が好評だったら第二弾、第三弾以降で取り上げたいと思いますのでお楽しみに!
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