ソフトウェア開発201の鉄則: 原理139:管理:オフィスを静かに保て

要旨

* 高い生産性を実現するには、オフィスは静かに保ち、個人空間を確保せよ
* 電話をはじめとした、仕事に関係のない割り込みを遮断しよう
* コミュニケーション促進のために、オープンな、見通しのよい配置にしているオフィスがあるが、これは生産性向上にとっては、よくない

解説

高い生産性を生み出すオフィスのレイアウトや環境についての話が主題では、ない。ソフトウェア開発を進めるための環境が主題である。

静かさを保とう。仕事に関係ない割り込みは排除しよう。そして、本職のソフトウェア開発に集中できるようにしよう。これが、最も生産性を高くするための環境だ、ということである。

これ、土地代の高い日本企業にとって、最も実現が難しいものの一つかもしれない。

大抵のソフトウェア開発現場の環境は、これと真逆だろう。狭いスペースに大人数、一人当たり1メーター幅もない机。そんな狭いペースにてんこ盛りのコンピュータ、基盤、測定器。そして騒々しい空間。

割り込みどころか、よくまともに進められるな、と常々思ってきた。

米国の大手ソフトウェアベンダに何度か出張したことがある。Mクロソフトとか、Qコムとか。いずれも、広大なスペースに巨大な建物、余裕のあるレイアウト。エンジニアの8割は、個室。

もう、この時点で、日本企業は負けていた。

日系企業にいる限り、良くならないだろうな、と思っていたオフィス環境。

しかし、その風向きが変わりつつある。

ネットワーク環境の充実、リモートアクセス、サービスの充実。ソフトウェア開発は、ネットワークにつながっていさえすれば、どこでも開発が進められるものとなっている。

そっか、オフィスに行かなければいいのか。

最近のコロナ騒ぎで自宅勤務を余儀なくされている。会社の器材を使えない不便さはあるが、静かさを保つ、割り込みを少なくする、という点は、自宅、自室は、オフィスよりもずっといい。

今後は、ソフトウェア開発は、日本でも、リモートワークが中心になっていくだろう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?