ソフトウェア開発201の鉄則: 原理9:一般:開発者と顧客の見返りを合わせよ

要旨

* 開発者と顧客が全く異なる、相容れない目標を持っていたためにプロジェクトが失敗に終わることがある
* 関係者間の異なる目標は容易に調整できるようにせよ
* 「優先度をつける」「要求達成に対する開発者にインセンティブを定義する」「納期が遅れた場合のペナルティーを定義する」と言ったことが、これに当てはまるだろう

解説

* 開発者と顧客は、目標は異なるのが当たり前。もっというと、複数の開発チームや複数の顧客、管理者と言った、多くの関係者(ステークホルダー)がいるプロジェクトだと、それぞれが持っている望みや目標は、違うものだ。

実際にプロジェクトの成否に関わるほど差分が無い場合も多いが、何れにしても、「違うものだ」ということと、プロジェクトを成功に導くためには、その違いを埋めるために「何かをしなくてはならない」ということは、きちんと認識しておくべきだ。

じゃ何をしなくては、の一つ目が、一つ前の原理、「原理8:一般:顧客やユーザとよく話し合え」である。

そして、この原理が、「何を話す必要があるのか」ということになる。

「見返りを合わせよ」という、なんだかピンとこない表現だが、書いてあることは、要するに、こういうこと。

* それぞれの要求を「見える化」「定量化」して、その上で「優先度を設けよ」
* そうすれば、違いがあっても調整がやりやすくなりますよ

その通り。逆にいうと、よく話し合わず、項目を明らかにもせず、優先度もつけないから、「揉める」のである。

要求や目標が不明確なときは「開発者側から」たたき台を作って提案するのがいい。「我々は要求や達成項目をこう考えていますが、いいですよね」と持ちかけると、主導権を保てるし、何よりも積極的で、気持ちいい。

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