ソフトウェア開発201の鉄則 原理92:コーディング: 人のことを第一に考えてプログラムを書け

要旨

* コンピュータ誕生の初期は、そのパワーは貧弱でかつ高価だったので、ソフトウェア開発は、リソースを効率的に使うような、数行の命令でさえ削るようなアプローチが重視された
* が、技術が進化した今、その価値観は変化した。重視すべきはソフトウェアを「開発」「保守」「機能拡張」することである
* そのためには、最初のソフトウェア開発者は、後の保守を行う開発者のことを重視しなくてはならない
* そのためには、リソースを効率的に使うのも大事だが、それと同じくらい、プログラムの「読みやすさ」を改善するのも大事なことだ

解説

ソフトウェア開発は、どのプロセスが一番コストがかかるかご存じだろうか。

ダントツに、「保守」。そりゃそうだ。初期の開発をしているときより、プロジェクトが成功し、製品化やサービス提供がなされソフトウェアが使われる状態になってからのほうがずっと長いのだから。

なので、開発者は、後の保守のことを第一に考えながらソフトウェア開発を進めるのは、「当然」のことなのである。

この原理の「コーディング」の項には、つまるところ、「他の開発者のことを考えてやれ」と言いたいものが多い。それだけ、大事なこと、ということだ。

ちなみに、「リソースを効率的に使うような、数行の命令でさえ削るようなアプローチ」は、組み込みソフトウェアの分野だと、いまだに存在する。

そこは、マイコンのような、超小型や超省電力であることの引換にプロセッサのパワーとしては貧弱なものを、以下に効率的に使って賢いことをさせるか、というのが腕の見せ所だったりする。

それは、そういう、特別な分野。

サーバサイドとか、モバイル機器だとか、ハードウェアのリソース不足がほとんど問題にならない環境でのソフトウェア開発者は、そんな効率化よりも、「読みやすさ」==「保守性」の向上に力を注ぐべきなのだ。

開発者としては、面白くないかもしれないけど(笑


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