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台南に残る日本統治時代の建築物を見てまわる~林百貨、台湾文学館、鶯料理

2014年3月、はじめて台湾に出向き、台北だけでなく台南と高雄にも出向きました。当時、日本のガイドブックには台南のことはほとんど載っていなかったので、ほとんど予備知識なく出向きました。そこで私が驚いたことは日本統治時代の建築物が数多く残されていることでした。ただ残すだけでなく、きちんと保存して残そうというリノベーションブームもあり、何となく昭和の日本が感じられる建物を見ることができるのです。ここでは台南に残る日本統治時代の建造物を3つ紹介します。

林百貨(リンバイフォ)

記事のトップにも載せましたがこちらにも再掲します。この建物は日本統治時代に呉服屋を営んでいた日本人の林方一が1932(昭和7)年に創業したハヤシ百貨店です。5階建ての建物には当時の台南で唯一、近代的なエレベーターが設置されていました。戦後はいくつかの用途で使用されていましたが1980年からは空きビルとなっていたところ、1998年に台南市定古跡に認定されたことから修復作業が行われ、2013年1月にリニューアルが完了しました。私が訪問したのは2015年3月の夜でしたが、とても混雑しており入場制限が行われるほどでした。1階には台湾のお土産、2階には台南デザインの雑貨や工芸品、3階には台湾のファッションやコスメ、4階にはカフェや音楽、アート、書籍、5階には台南レストラン、6階には神社と展望台などがあります。

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内部の写真を紹介します。

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階段は当時のままのようです。

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より詳しくは下記を参照してください。

国立台湾文学館

この建物は日本統治時代の1916(大正5)年に建てられた台南州庁舎であり、台南最高の行政機関でした。戦後も長く台南市庁舎として使用されていましたが、2007年に現在国立台湾文学館となりました。建物の設計は東京駅の設計などで知られる辰野金吾に学んだ森山松之助です。松山は台湾において総督府の設計など、数多くの建築を手がけました。煉瓦とコンクリートによる重厚感ある洋風建築です。

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訪問先のファブラボ台南がこの建物の向かいにあったので、よい角度から撮影できました。

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公式サイトはこちらです。

鶯料理

台南州庁舎のすぐ近くにあるこちらの建物は、日本統治時代に高級料亭として使われていた鶯料理です。1912(明治45)年、日本人の料理人天野久吉が日本料理の大衆食堂としてこの地に創業しました。その後、1920(大正9)年に建物や庭園を改修増築して高級料亭となり、台南在住の日本の政財界人が集まる社交場として栄えました。1923(大正12)年に裕仁皇太子(後の昭和天皇)が台南を視察に訪れた際はこちらが食事処でした。

戦後は長らく放置されていましたが、2013年にリニューアルオープンしました。現在は当時の資料などが展示されています。2015年3月の訪問時に台南の友人に案内していただき貴重な見学ができました。

外観の写真がぼやけていてすみません。

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内部の写真です。

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芸子が寝泊りする部屋もあったそうです。

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こちらに「鶯」の文字が記されています。立派な日本庭園もありました。

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当時の写真です。

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詳しくは下記を参照ください。




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