二人の会話(花と散る)

「人脈を広げることはいいことだが」
「ああ。しかし広げすぎたかな」
「あれだけいたらおかしなのも交じるよね」
「まあ、あとになってわかることだがね」
「やたらと真実を求めたがる者がいるんだよ」
「真実なんて偉くないのに」
「その通りだよ」
「本当に偉いのは私たちだ」
「そうそう」
「記録にも記憶にも残らないようにできる」
「うん」
「それが私たちの力なんだ」

(誰か呼ぼうや)
「最初に言い出したのは私だった」
「いや私だったかもしれない」
「やっぱり二人じゃ寂しかった?」
「誰だあなたは?」
「ふってわいた新聞記者です」
「君は呼んでないよ!」
「呼んでないよ君は!」
「うふふっ」
「解散!」
「もう解散だ!」


#小説

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