マガジンのカバー画像

【詩集】忘れ物がかり

140
忘れた頃に詩を書いています
運営しているクリエイター

2019年6月の記事一覧

キスもできない

一歩も動けないまま ずっとソファーの上にいた 抵抗し難い魔力が まぶたを重くし 全身を縛りつ…

ロボモフ
5年前

シャドー・レター

拍手はできない 君にサインは求めない ファンレターは送れない 陰ながらしか 応援することが…

ロボモフ
5年前

さよなら、おじさん

社長の顔を見ていたら 詩が降りてきた 今だ! 詩は急げ 何もかも捨てて僕は行こう 「大事…

ロボモフ
5年前

ぼくだけの世界

誰もいない部屋の中に ぼくがいる 誰かいませんか? はーいぼくだよ なんだまたお前か そうい…

ロボモフ
5年前
2

お気に入りの悪手

考えるほどにどうかしていく 70分の大長考 私の結論は大きく間違っている これからとんでもな…

ロボモフ
5年前
1

マザー・スタンダード

年をとった母がおでんのパックを買っていた 特売のコーナーに置いてあるとついつい手が伸びる…

ロボモフ
5年前
1

【詩】フライング

「生きなきゃダメだよ。あんたは生き物なんだから。 死んだら楽になるなんてのは、迷信だよ」 けれども、ネコは飛んだ。雪をまといながら飛んだ。 10階の部屋の中が見えた。 24を見ながら、男がケンタッキーフライドチキンを食べていた。 男の指先が、雨に濡れた向日葵のように光った。 ネコは落ちてゆく ネコは落ちてゆく 9階の部屋の中が見えた。 家族が鍋を囲んでいた。キムチ鍋だった。 父が手にしているのは缶ビール。ドライと書かれていた。 鍋から湯気が立ち上がる。蜃気楼のようだった

【詩】上を向いて歩いて行こう

雲を見ていると 描かずにはいられない ずっと頭から離れないから 描かずにいられない 描き終…

ロボモフ
5年前
2

骨を折る

久しぶりに骨を折った 骨を折ると日常が少し変わる よく通院する 包帯を巻く フリック入力をす…

ロボモフ
5年前

【詩】アイス・マウス

 扉が開くと中から明るい光が射し込んで来て、そこは初めて私がみる世界でした。みんな緊張し…

ロボモフ
5年前
1

おかえり

目覚めるとまた君はわからなくなる 昨日の仕事は何だったのか 昨日の野球はどちらが勝ったのか…

ロボモフ
5年前

猫の勝手

むしゃくしゃした時 猫は私を スパーリング相手にした 寂しい時には頼りにし 眠くなると軽くベ…

ロボモフ
5年前
1