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米マサチューセッツ工科大学、ロボットの把持能力を高めるロボットハンド設計「GelPalm」を開発

2024年5月20日、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)は、ロボットの把持能力を高める新たなロボットハンド設計「GelPalm」を開発したと発表した。
 
「GelPalm」は、柔らかく変形できる人間の手の性質にヒントを得て、手のひらにゲルベースの柔軟なセンサーを組み込んでいる。このセンサーは、赤、緑、青のLEDを利用して物体を照らし、カメラで反射を捉えることで、正確なインタラクションを実現する詳細な3D表面モデルを生成する。手のひらに付随するのはモーターや余分な制御を必要とせず、ロボットが自然に力に適応することができるパッシブ・コンプライアンス制御を組み込んだ「ROMEO(RObotic Modular Endoskeleton Optical)」と呼ばれるフィンガーで、同様のセンシング技術を持つ柔軟な素材で作られており、物体と接触する表面積を増やすように設計されている。
 
「GelPalm」システムは、構造的なコンプライアンスと素材的なコンプライアンスを組み合わせることで、物体を包み込んで安定的につかむといった複雑なプロセスを自動化する高感度なタッチを実現し、物体を繊細に扱う能力を向上。このデザインは、他のロボットの手のひらと比較して大きなグリップ力と安定性を提供し、人間とロボットの共同作業、義肢装具、バイオメディカル用途に特に適している。「ROMEO」フィンガーは、3Dプリンティングによって単一のモノリシック構造として製造されるため、生産コスト効率と器用さを向上させる。今後の開発では、より柔軟な素材を使用し、使い勝手を損なうことなく機能性を維持するためにセンサーの統合を強化することに焦点が当てられる。
 
出典:
2024年5月20日付 マサチューセッツ工科大学プレスリリース(英語)
https://news.mit.edu/2024/robotic-palm-mimics-human-touch-0520 
2024年5月20日付 TechXplore(英語)
https://techxplore.com/news/2024-05-robotic-palm-sophisticated-tactile-sensors.html