【日本ワインテイスティング情報　”安心院葡萄酒工房”】

2021/12/1

【西尾のワイン記録 ⑪ 2020/12/1】
安心院葡萄酒工房　SPARKLING WINE SEC 2018(赤) 12,5%
（小公子/シャルドネ）

×「Eagles The last resort」
https://g.co/kgs/L8iRMz

グラスを傾ければホワイトのテーブルに移る景色は鮮やかなルビーレッドの宝石の輝き。
眩く美しく揺れる光景を見ればすぐそこにあるのはダイヤモンドの様に輝く、
あの忘れられない山頂から見下ろす函館の夜景。

ラズベリージャムの繊細で酸の高い高貴な香りがグラスの中で元気な躍動感をもって跳ね回る。
まるで求心力の高い人に引き寄せられるかのように、この香りがどこまでもリードして引っ張っていってくれる。
木イチゴのジャム、ブルーベリー、シトラスミント、紫蘇の爽やかな香り。
そして…緑豊かな五月の新緑の季節の森林に潜りこんだ爽やかさ。
扉を開けたばかりのコテージの様な涼やかな木質、野生の力強い香り…
ラズベリーの求心力が高く、全体としては高貴に纏まったまま、どんな香りが広がっていても夜景の見えるレストランで注ぎたくなるような美しさ。

繊細な瓶内二次発酵のパールの様な緻密な泡が舌全体をゆっくりと落ち着いて包み込んでくれる。
なんていう安定感なんだろう…

綺麗で繊細で緻密な安心院さんらしい柔らかで丁寧な泡に包まれ…
ベリー、カシスリキュールの果実味がサラリと広がっていく。
決して舌に纏わりつかない、フリースペースの距離感をきちんと保った大人の装い。
ジューシーにも感じるが決して大人の雰囲気は崩さない、仮面ではなく本物のエレガントなドレスを着こなす美人な女性。

しかしながら甘さも残した余韻は子供心をくすぐるような無邪気な満面の笑みの笑顔が咲くような華やかさ。
アフターにはヤマブドウの影が覗くかのような、とにかく野生的なブドウ果汁の味わい。
だからこそ、甘みはあっても、決してだれない…

美味しい「カーディナル」のグラスを男女が傾ける姿。
夜景の見える大人のバーのひと時、情景が自然と脳裏に思い浮かぶ…

やはり、大人の女性にしか出せない妖艶な後ろ姿…
いったい、
どこまで追いかければ追い付くのだろう…

美しすぎてその手を繋ぐことも憚られるくらいに、繋ごうとしては絡んで、解けていく…
この果実味、泡の感触、酸の行く末、余韻に追いかけてくる野生感。

様々な緊張感を纏いつつ、色調・香りから味わい、アフターの抜け感まで非常にリズムある躍動感、ぶれない大人の雰囲気。
甘さはあるがそれらの緊張感を決して崩さない。
近づけそうであと一歩追い付かない…
このもどかしい心の遊びがある、大人の為の、大人の時間を演出するために産まれてきた
煌びやかで高貴な一杯。
大人の時間、記念日のペアリングに…

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