農業用ドローン導入をこれから検討される方へ

使える補助金を徹底的にリサーチ!

農業用ドローンの台数が劇的に増加したのは令和2年と言われていますが、これは明らかにスマート農業補助金が推し進めた結果であると言えます。このときに農水省から出ていた補助金では、上限150万円で補助率3/4という、まさしくドローン導入にうってつけの規模感であったわけです。令和二年は新型コロナウイルスが猛威を振るった時期であり、農業に限らずあらゆる産業で補助金が次々と公示されていたため、今後同じような補助金が出るとは言い切れないのですが、耕作放棄地が増え、高齢化によって離農者が増えるトレンド自体は今後ますます加速していくため、めぼしいものが出てくる可能性は十分にあると言えます。

使ってみて初めて分かった実録

ラクラクなユートピアなんかではない
スマート農業で涼しげに、みたいなイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、実際は汗だくになりながら非スマートな泥臭い作業も大いにあります。
例えば、連日のように防除作業を請け負う夏でさえ、日ごとに使用後の洗浄は入念に行わなくてはならず、IP保護等級によるところではありますがジャバっと水や洗剤をぶっかけるわけにはいきません。
また、機体は六角で締めてある箇所が多く、中々に凸凹しています。ドラえもんくらいつるんとしてたらラクに擦れそうなのですが、まずタオルやスポンジで大まかに洗い、細かいパーツ箇所は歯ブラシで、、というような感じです。
加えて、機体を車から出し入れする際にはなかなかの重労働に思えます。
従来の防除作業と比べればこれでもだいぶんと省力化されているとはいえ、圃場が飛び飛びで複数あるような場合には、これもなかなかにハードワークなわけです。
さらに、ドローンが優位性を発揮しやすい山間部の棚田などでは、離着陸のポイントが極めて限定的で、場合によっては圃場から離れた地点でしか確保できない場合もあります。
こうした場合、離陸は当然のことながら目視をしておく必要があるため、離陸後にドローンと共に圃場へ走っていく、しかも勾配を登っていくような激しめのアトラクション要素まであります。
防除料金の付加価値は伝わりにくい
教科書的に言えば、ヘリ防除に比べてきめ細かな操縦が可能なドローンによって、防除の確実性が高いことは明らかなのですが、悲しいかな、この価値を説得して受注が取れることはほとんどありません。
忌憚なく言えば、防除に対して知識を持っている、或いは持とうとする農家さんはきわめて少なく、単なる外注の固定経費としかとらえられないわけです。そうなると、結局はコストで勝負するほかなく、場合によっては極めて廉価な既存のヘリ防除に太刀打ちができないわけです。
平野部はヘリや乗用管理機と共存、山間部こそがドローンの晴れ舞台!
先ほど述べたように、VIVA!ドローン!とはいえ、ぶっちゃけヘリ防除に金額負けして失注したことは数知れず、特にわが武雄市の隣町•白石町などの平野部では、だだっ広い田んぼをグワっっっとヘリで散布されると、敵いません。(5台同時編隊などすれば勝算はあるが、、)
センサーや細かな設定など、散布の精密性で言えばドローンに軍配の上がるわけですが、この付加価値を訴求して云々というのは無理筋であ10ヘクタール単位で営農するスケールを持たない農家が大半を占める現状を踏まえると、シェアリングを進め単位で営農するスケールを持たない農家が大半を占める現状を踏まえると、シェアリングを進め

今後の動きとして

共有する資産として持つ
10ヘクタール単位で営農するスケールを持たない農家が大半を占める現状を踏まえると、シェアリングを進めていくことが現実的なオトシドコロかと思われます。
というのも、請負防除を受注しながらスクールを運営している比較的稼働率の高い弊社でさえ、耐用年数を考えればバッテリーの寿命は心配に及ばないほどであり、行き届いたメンテナンスがなされてさえいれば十分に7年は持つのではないかと思うからです。
何より避けたいのは、それが短命に終わることよりもむしろ、導入後の1年単位で見たときにあまりに稼働率が低いこと、それによって丹念の投資効率が極めて悪いこと(こんなことなら自分で買わんかったらよかった!という状況)ではないでしょうか。
であれば、最初から自分だけのものとして所有する選択は手放し、共同で購入するほうがよっぽど利得があると言えます。
防除以外の用途で積極的に使う
年に2から3度の防除作業とすれば、農業用ドローンは稼働率が1%を下回るという、休眠資産とはかくやという典型例です。
維持するだけで年に20万円以上掛かることを考えると、その割の合わなさが際立って感じます。
そのため、防除だけではなく肥料の散布、そしてほかの用途で積極的に利用していくことがカギを握ると考えています。
そこで目下注目されているのは、水筒直播という活用の仕方です。
例えば、シンジェンタから出ているRESOCAREはドローンでの直播を想定したコーティングがされており、直播の積年の課題である初期害虫にも耐性がある
欲しがる誰かがすぐに手を挙げる状況を作る
こういう設備投資は出口を考えることでリスクが和らぐように思えるので、導入したことを周りに言いふらし、飛ばしている姿をたくさんの人の目に入れておくことも大切です。
中には、型落ちで欲しがる将来の買主がいるかもしれないからです。
私の実感としては、農業シーンに限らずまだ半数近くの人が、ドローンが飛んでいる姿を見たことがないというのが実態かと思いますので、広告塔となるような気構えでバンバン飛ばしていくことをお勧めします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?