話題のコンサートツアー      (クラシック音楽です)

反田恭平(ピアノ)、佐渡裕(指揮)、Japan National Orchestra(謎のオケ)によるコンサートツアー。

反田さんは「今、最もチケットを取りにくい」という評判の、短いポニーテールの男性ピアニスト。 「題名のない音楽会」で、アンコールに使うという自身が編曲した「トルコ行進曲」の変奏曲(超難曲)を弾いていたのが印象的です。
佐渡さんは少し前まで「題名のない音楽会」を司会していた大柄だけどチャーミングな指揮者。 聴衆全員で合唱する「1万人の第九」で話題になったりしています。

もともと3月14日の公演を西宮(兵庫県)まで聴きに行く一大決心をしていた私ですが、2月27日に川崎で同じプログラム(ツアー初日)があるのを見つけて乗換えたという経緯でした。
ほぼ満席のミューザ川崎大ホールの熱気、演奏者全員の極上のアンサンブル(私は「お互いに聴くこと」だと思っています)素晴らしい出来でした。
1曲目ハイドンの後、佐渡さんがオケに向かって2度ガッツポーズをしたのが印象的でした。 このアンサンブルを醸し出していたのが謎のオケ「Japan National Orchestra」です。

JNO、もともとは反田さんが若手演奏家に声を掛け、森精機という会社がスポンサーになって集まったそうですが、私の耳には一流のオケの演奏を上回って聴こえました。
この中で荒木奏美さんを発見。出光音楽賞受賞者としてオーボエを吹く表情がとても豊かで可愛らしい印象の方でした。 東京交響楽団の首席オーボエ奏者です。(奏美ちゃん、東響なんか辞めてJNOに専念したら??(笑))

2曲のピアノ協奏曲:ラフマニノフ(パガニーニ主題)もプロコフィエフ(3番)も「良い」を飛び越えて「凄まじかった」です。
ハードなプログラムを弾き終えた反田さん、ホンワリを弾き終えるとピアノの蓋を降ろしてしまいました。 佐渡さんが「反田君は疲れたそうで・・・」と話した後、アンコールはチャイコフスキーの弦楽セレナ―ド。
「え、トルコ行進曲の変奏曲を弾いてくれないの?」と思ったのは私だけではないと思います。
(2021/6/11追記)このコンサートの一部がユーチューブに載りました(佐渡さんの解説付き)のでここに添付しておきます。 ピアニスト・指揮者・オーケストラが共鳴し合っている様子が分かりますでしょうか?
https://www.youtube.com/watch?v=AL_vuk_gevM

その後日本各地で公演を重ね、今日3/13が大阪堺、明日3/14が西宮(千秋楽)と日程終盤に入っていますが、SNSでもこのツアーの話題が多く流れ、クラシック音楽界の大きな話題になっています。

コロナ以降、音楽会は座席を1つおきに空席にすることが多いのに、ミューザ川崎では全部詰めて座っていました。 チャレンジングな試みだと思いますが、静かに座って聴くクラシックのコンサートでは座席を空ける必要はない、というのが私の持論です。(但し「ブラボ―」は禁止)

このツアーの成功はコロナに後押しされた面もあるようですが、これをきっかけにJNOが大きく飛躍することを期待している私です。
老齢化が目立つプロのオケを凌駕する存在になって欲しいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?