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AIと共に学ぶLABプロファイル(2)

 前回の記事では、①主体性、②方向性、③判断基準、の3点についてAIの助けを借りながら、それぞれの特徴を学びました。

 今回の記事では、相手の特徴に合わせた影響言語を用いた、効果的なコミュニケーション例を考えていきます。


影響言語とは

 影響言語とは、相手のコミュニケーション型に合わせた、相手を動かす言葉のことを指します。①主体性、②方向性、③判断基準、それぞれの分類型に合わせた影響言語をAIに考えてもらいました。

① 主体性
主体行動型:自ら行動を起こす、目標に向かって進む
影響言語は「〜を達成しましょう」「新しいことに挑戦しましょう」

反映分析型:じっくり考えて慎重に行動する、問題解決型
影響言語は「〜を避けましょう」「問題を解決しましょう」

② 方向性
目的志向型:目標や理想に向かって進む
影響言語は「〜を実現する」「〜を手に入れる」

問題回避型:問題や課題から離れる方向
影響言語は「〜を避ける」「〜から逃れる」

③ 判断基準
内的基準型:自分の価値観や判断基準で決める
影響言語は「あなた自身はどう思いますか?」「自分の判断を信じて」

外的基準型:他者の意見や外部の情報を重視して決める
影響言語は「専門家によると〜」「多くの人が実践している方法です」

😖影響言語を上手に使えていない会話例

 例えば、以下のような同僚がいるとしましょう。

  • Aさん ①主体行動型、②目的志向型、③内的基準型

  • Bさん ①反映分析型、②問題回避型、③外的基準型

  • Cさん ①主体行動型、②問題回避型、③バランス型

 各同僚に対して、業務上の改善点を促すフィードバックをするとします。影響言語を上手く使えていない会話例をAIに出してもらいました。

「Aさん、最近の業務で気になることがあるんです。他のメンバーの意見をもっと聞いて、慎重に判断してからアクションを起こした方がいいと思います。上司である私からすると、あなたの行動は少し早急すぎるように見えます。会社の方針に沿って、もう少しチームに合わせてもらえませんか?」

・主体行動型なのに、行動を抑制するような言い方をしている
・目的志向型なのに、問題点の指摘に終始している
・内的基準型なのに、外部からの評価や会社の方針を押し付けている

「Bさん、あなたならもっと良いアイデアが出せるはずです。どんどん自分で決めて前に進んでください。失敗を恐れずに、自分の直感を信じて行動することが大切だと思います。私はあなたの判断を信頼していますよ。」

・反映分析型なのに、深い分析なしで即断を求めている
・問題回避型なのに、リスクを取ることを推奨している
・外的基準型なのに、具体的な評価基準や周囲の評価を示していない

「Cさん、新しいプロジェクトについてですが、もっと慎重に検討してから始めましょう。確かにあなたのアイデアは面白いのですが、失敗のリスクが大きすぎます。まずは私たちで詳細な分析をして、それから徐々に進めていきましょう。」

・主体行動型なのに、行動を過度に制限しようとしている
・問題回避型の特性に対して、さらにリスクを強調している
・バランス型なのに、分析面のみを重視している

 なるほど、こういったフィードバックをしがちですが、それぞれの価値観と真逆を言われているので、AさんもBさんもCさんも、「聞いてやるか!」と思ってしまいそうです。

😀影響言語を上手に使っている会話例

 次に、影響言語を上手に使っている会話例になります。

「Aさん、あなたの積極的な行動力は素晴らしい強みですね。今回、私からの提案なのですが、チーム全体の成果をさらに高めるためのアイデアがあります。あなたなら、このアプローチで30%以上の効率化が実現できると思うのですが、どうお考えですか?具体的には、チームメンバーとの短時間の定期的な意見交換を取り入れることで、あなたの判断材料が増え、より良い成果につながると考えています。この方法で、どのように目標達成していきたいか、あなたのプランを聞かせていただけますか?」

・主体行動型→自主的な行動を促す表現を使用
・目的志向型→具体的な成果や目標を示している
・内的基準型→自身の判断で決められる余地を残している

「Bさん、これまでの業務分析を拝見して、とても緻密な視点をお持ちだと感じています。他部署からも高い評価を得ているんですよ。現在取り組んでいるプロジェクトについて、あなたの分析力を活かせる提案があります。既に成功している他チームの事例があるのですが、その手法を参考にしながら、リスクを最小限に抑えた改善案を一緒に考えてみませんか?まずはデータを確認しながら、安全に進められる方法を検討していきましょう。」

・反映分析型→分析的なアプローチを重視
・問題回避型→リスクの低い選択肢を提示
・外的基準型→外部からの評価や成功事例を提示

「Cさん、新しいプロジェクトについて、あなたの積極的なアプローチに期待しています。実は、すでに成功している似たようなプロジェクトの事例があるんです。その成功パターンを参考にしながら、あなたならどのように進めたいですか?もちろん、リスクを管理しながら段階的に進めていく必要がありますが、まずは第一段階として、あなたが最も効果的だと考える方法で着手してみましょう。状況に応じて、柔軟に軌道修正していけばいいと思います。あなたの意見を聞かせてください。」

・主体行動型→自主的な行動を促している
・問題回避型→成功事例を示し、段階的なアプローチを提案
・バランス型→複数の観点を提示し、柔軟な対応を認めている

 こちらは、三人の傾向に沿って、効果的にフィードバックを行えています。もちろん、実際の会話では、相手の顔色を伺いながら進めていくことになりますが、軋轢を生むことは少なくなりそうです。

まとめ:AIの進化に驚きました!

 今回、この記事を作成するのにAIを積極的に活用したのですが、LABプロファイルについてはAIはきちんと知っていますし、非常に簡単な指示だけで、ここまでを引き出せることに驚きました。

 LABプロファイルのような自己・他者理解プログラムは、学んだあとの実践がハードルが高いように感じていましたが、AIの力を借りるだけで、リーズナブルに導入ハードルを下げられそうです。

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