[3月27日]今週のブック特集(王様のブランチより)

こんばんは、robin1101と申します。 

 今回は、この作品を紹介していました。


「Day to Day」

コロナ禍の奇跡ーー2020年4月1日以降の日本を舞台にした連載企画Day to Day。100人の作家による物語とエッセイが一冊にまとまった、珠玉の1冊!

というわけで購入してみました。

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400ページという分厚さではあるものの、1600円(税抜き)という値段でちょっと意外でした。

この作品は、数年経っても「緊急事態宣言」の頃を忘れずに前に進める企画を作ろうと、講談社が100人の作家さんに掌編(短編よりも短い小説)を書いていただくという企画で立ち上げました。

その後、Webサイト「tree」にて、2020年5月1日から始めて、8月8日まで無料で連載されていました。それらを書籍化したのが、この作品です。

100人の作家さんということで、そのラインナップがまぁすごかったです。ここでは書き切れないほど、本好きな方にはたまらない人ばかりでした。

2020年4月1日の辻村深月さんから始まり、7月9日の東野圭吾さんで終わるという豪華なラインナップでした。作家さんは、それぞれ割り当てられた日付をテーマに「コロナ」や「自粛」などの要素を使いながら、1ページ半から2ページの掌編小説を書いています。

森村誠一さんや西村京太郎さんといったベテランの人から尾崎世界観さんや五十嵐律人さんといった若手の方、はたまたごとうしのぶさんや高岡ミズミさんといったBL作家さんまで幅広く執筆されています。

ページを捲るたびに次はどんな作家さんが書いたのか、楽しみでした。「え?この方も参加したんだ」と思った方が多く、驚きの連続でした。

掌編小説でしたが、それぞれ作家さんが放つ雰囲気といいましょうか、短い文章なのにその人独自の世界観に誘ってくれるので、改めて凄さを感じました。

内容としては、作家さんの過去作に出てきたキャラクターを「今」にとりこめたり、エッセイ風に仕上げたり、ミステリーに仕上げたりと多種多様でした。比較的メッセージ性のある作品が多く、作家さんならではの訴えるものがあり、響くものもありました。

中でも印象に深く刺さったのは、

中山七里さん
我孫子武丸さん
澤村伊智さん
島田荘司さん

の作品でした。

最後の1行でズドーンと衝撃を与える文章にキターと思ってしまいました。短い内容なのに油断していました。

もちろん他にも

西尾維新さんでは「掟上今日子」
薬丸岳さんでは「夏目信人」(刑事のまなざし)
湊かなえさんでは「深瀬」(リバース)
有栖川有栖さんでは「火村英生」
ごとうしのぶさんでは「葉山託生」

などといった登場人物が現れたりと書いたらキリがありません。もしかしたら、数年後再びこの本を読んだときには、違った視点で読むかもしれません。今のご時世だからこそ、響くものもあり、色んな味わい方がありました。

とても短い小説ですので、1日作家という楽しみ方もできますし、一気読みもできます。自分に合った読み方で楽しめるので、おすすめです。


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