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ラクダの鼻歌

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海外を旅すると、なじみのない動物と出会うことがある。たとえば、ブラジルの自然のなかに生きるカピバラやケイマンの群れも興味深かったが、間抜けそうで、人懐っこい顔をしたラクダを見るのは楽しい。ラクダは一ヶ月以上砂漠の中で飲み食いせずに歩き続けることが出来る。それは鼻を閉じ、目を睫で砂塵から保護できるから。ラクダは水をがぶがぶ飲む。砂漠では水が宝ものであることをラクダが一番知っている。そんなラクダのいる町が私の一番異国を感じる場所だ。西アジア、中央アジアを旅行していても必ずラクダと出会う。いや、“出会わせられる”といった方がいい。エジプトのピラミッドにラクダのコブにつかまりながら近づく観光コースがあったはずだ。ラクダが立ち上がる。目線は急にたかくなり、“オオーット”と例外なく観光客は驚きの声を発する。更に歩き出すと体は左右に大きく揺れ今にもふるい落とされそうになる。暫くラクダはゆっくりと進む。砂漠の炎天下、短く写る自分の影をラクダの背中から見下ろしながらピラミッドに近づく瞬間、千年前のエジプトにタイムスリップする。ラクダは人の鼻歌を聴きながら砂漠を進んでいたそうだ。まさか、“月の砂漠をは~るばると・・・・”ではなかろうが。

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モンゴルのハイウエーの駐車場でもラクダに出会った。そこではラクダと“鷲”が待っている。モンゴルのラクダはフタコブラクダ。フタコブラクダは少数派、90%はエジプトでタイムスリップさせてくれた、ヒトコブラクダだ。

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