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下北沢で会いましょう

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コワーキングスペース「ロバート下北沢」のオーナー・原 大輔が綴る、ロバート下北沢を作ったワケ。そこにはいろんなものが繋がっているストーリー。
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#働き方

【第16回】無色透明からカラーになった瞬間

あと30ページ分を印刷に入れて終了というその日の夜、事件は起こった。 作業していたMacの画面が突然ブラックアウト...。 いまでは考えられないかもしれないが、20年前のMacは突然フリーズする「爆弾マーク」というものが出ていた。 グラフィカルに「爆弾」が出て、かわいいね〜なんって言ってる場合じゃない。 30ページ分のデータが一気に吹き飛んでしまったのだ。校了まであと5時間くらい、その時、俺は...。 そばのソファにふて寝してしまった。 もう寝るしかなかった。知り合い

【第14回】代々木へ、こども向けからアダルトまで

カメラマンのMに手をひっぱられつつ、代々木駅周辺で5万8千円のアパートの2階を借りることになった。 近所の材木屋で板を買ってきて、自分たちで床を張り替え(大家には言ってない)、壁にペンキを塗って、机を組み立てて事務所らしくなっていった。 代々木時代の5万8千円のボロアパート。色がきれいに塗り替えられていた。階段を上がった2階が俺たちの根城だった。 仕事は相変わらずそんなに無かった。恵比寿のニートから現実へ引き戻してくれたカメラマンのMは相変わらず忙しそうだった。 引越

【第5回】場所を作ろうと思う

強烈な出会い話が下北沢からいきなり遠く九州の佐賀に飛んでしまったワケだが、これにはもちろん理由がある。 2014年くらいから仕事で、とある建設設計会社の2人と「パブリック・スペース」についてのお手伝いをさせてもらっていた。俺たちみたいに、グラフィックなど紙媒体中心のデザインをやるものにとって、都市や地域のことなんてほとんど考えもしない。しかも彼らは20年、30年先を見据えて思考している。こっちの仕事は1ヶ月、長くて1年くらいだ。想像できなさすぎて、途方に暮れた。最初はかなり苦

【第4回】会社を壊した。じゃぁ俺は?

ウチの会社に他の人のノイズを混ぜ合わせることで、ここ下北沢での活動が始まった。 古株のスタッフの独立など入れ替わりもあり、会社も若手スタッフの人数も多くなってきた。後輩の編集プロダクションやデザイナーのメンバー、フリーで加わった外からのメンバーたちがいい感じにウチの会社をかき回してくれていた。はじめこそ、みんな戸惑っていたとは思うけど、次第に心が通い合うようになって、若手メンバー同士で飲みに行ったり、スタッフたちは先輩たちに業界のいろはを教えてもらったりしていた。停滞してい

【第2回】街に降りよう!

自分でnoteを始めるにあたって、とにかく1日1記事を目標に書いてみようと思っている。100日でなんちゃらのワ◯みたいなね。 ここでは下北沢に移ってきた経緯やロバート下北沢を始めようとした経緯などをつらつらと語っていきます。 懐かしい「匂い」シモキタに来たのはおおよそ20数年ぶり。デザイナー駆け出しの頃、友人がシモキタに住んでいたりしてよく遊びに行っていた。今だとご飯屋さんの「山角」があるその並びにあった「BEBE」という店なんかに飲みに行っていた。自由な雰囲気でシモキタ

【第1回】はじめました

はじめまして、原 大輔といいます。こんにちは。下北沢でコワーキングスペース「ロバート下北沢」をやってます。代表の原です。カンタンな自己紹介をやっていこうと思います。 本職は雑誌をメインに広告や冊子などの企画、デザインをやっている株式会社スロウを経営してます。 27歳でフリーのデザイナーになって、36歳で法人化して株式会社スロウとして現在に至ります。なんのキャリアもなく無謀にもフリーのデザイナーになって山あり谷あり乗り越えて23年目を迎えます。 このマガジンでは、下北沢に