#16VD 那覇シルバーウイングスの分配ドラフト指名戦略を振り返る
皆さんこんにちは。今回は
"仮想"16球団構想イベント「#16VD」に参加中の沖縄球団・那覇シルバーウイングスの分配ドラフト指名戦略
についてnoteしたいと思います。
#16VDって何?那覇シルバーウイングスって??って思ったそこのあなたは、まず以下のnoteをお読み頂ければと思います↓↓↓
去る2/21-26の期間におきまして、#16VDのメインコンテンツの一つである「分配ドラフト」が開催されました。分配ドラフトは既存12球団がそれぞれプロテクトした30人から漏れた選手を対象に、新規4球団で選手を取り合いベースとなるチームを作るための取り組みです。
大まかなルールは下記の通りです。
指名人数:
指名人数は58となり内訳は以下の通りとします。
投手30、捕手6、内野12、外野10 (中継ぎ等の細かい守備位置は指名時に個々で調整ください)
新規球団は既存球団から計58人を指名、また偏りを防ぐため既存球団の残存選手数が上記の各内訳に達した場合、当該球団から当該項目の選手を指名する事は不可となります。
新規球団の役割:
1. 参入する地区とフランチャイズを置く都道府県を選択します。なおウェーバー順は選択した都道府県の人口が少ない順とし、逆ウェーバーなしの完全ウェーバー方式を採用します。
> 今回は秋田→沖縄→京都→静岡の順番
2. 既存球団が提出したプロテクトリストをもとに、新規の四球団で分配ドラフトを行います。
3. 原則として、選択した都道府県出身の選手を投手で一名、野手で一名指名するものとします (地元枠指名)。また、この指名に失敗した場合、仮想ドラフトにその役割を繰り越すものとします。
引用: 仮想イベント #16VD に参加しませんか
58巡目まで指名して一からチームを作り上げるというのは初めての試みでしたが、事前のシミュレーションと陣営メンバーの多大なるサポートのお陰で、大きく想定から外れる出来事も起きずプラン通りの指名ができたと思います。
以下では、我々那覇シルバーウイングス陣営が事前にどのような戦略を立ててこの分配ドラフトに臨んでいたかについてnoteしていきたいと思います。
1. 大前提: 中長期的な視点からチームのビジョンに沿った指名を行う
指名戦略を練る前にまず考慮したのは、大前提として「チームのビジョンに沿った選手を指名する」と言うことでした。
詳細は先に挙げたnoteに書いていますが、陣営内で合意したチームのビジョンから以下のエッセンスを抽出し、今回の指名に活かすこととしました:
①地元を代表する選手を指名する
②多様性のあるチーム編成を目指す
③勝ち続けるために「野手力」に秀でたチーム編成を目指す
①と②については、チームのビジョンとミッションから抜き出しました。地元に愛され、かつ世界にその魅力を伝えられるチームにするには「チームの顔」となる地元選手に加えて、多様性に富んだ選手を集めるべきだと考えました。
また③については、チーム強化ビジョンをそのまま反映したものです。ペナントレースを制するのにもっとも重要だと考えたのは、攻撃と守備、両方に影響力を持つ「野手力」であり、それぞれのポジションごとに求められる打撃型、守備型の選手を獲得することを念頭に置きました。
たとえ陣営内で議論が紛糾しても、「チームとして何を優先すべきか」という価値観が共有されていれば、よりスムーズにチームのビジョンに沿った選手の指名に落ち着くはずと考えました。
また上記の「ビジョンに沿った指名をする」という方針に加えて、同地区内での立ち位置を踏まえた中長期的な視点での指名を優先する、という方針についても合意しました。我々那覇シルバーウイングスが所属する西地区では福岡のRawEgg天神という絶対的な王者が存在しているため、分配+仮想ドラフトを経た選手の獲得だけでは短期的な地区優勝の可能性は限りなくゼロに等しいと想定せざるを得ませんでした。
そのため多少見栄えがよくなくとも、目先の戦力補強よりも中長期的な視点での戦力の確保を最優先とした指名を目指すことにしました。
2. 指名戦略: バランスの取れたデプスを目指す
実際の指名戦略を組み立てるに当たっては、各ポジションごとに「即戦力」「一軍挑戦」「二軍育成」の三つのカテゴリに分けて適切に人数を配分することを確認しました。
即戦力・・・一軍での出場を前提とした選手
一軍挑戦・・一軍と二軍両方での出場が考えられる若手・中堅選手
二軍育成・・基本は二軍で重点的に出場機会を与える選手
指名を進めるにあたり、チームのビジョンに沿った欲しい選手だけを獲得してしまうと、実際のチームづくりを想定した時に出場機会の配分がうまく行かないことを懸念したからです。いかに魅力的なプロスペクトを大量に確保しても、二軍で育成すべき出場機会が十分に確保できない、または未だ育成が必要と考えられるのに一軍で使わざるを得ない・・など、戦力構成にバランスの取れていないチーム編成だと、現実で行われる起用法と乖離が出ると考えました。
ビジョンに沿った選手の選択を行いつつ、カテゴリごとに適切に選手を配分できているかは常にチェックして指名を進めていきました。
またどの選手から優先した指名していくかという優先順位付けについては、他球団が採るだろう指名戦略も考慮しつつ下記を基本線として進めていきました。
■分配ドラフト指名の優先順位
①チームの顔となる選手を指名する
②短期的な即戦力となる選手を外国人選手をメインに指名する
③将来チームのコアとなるプロスペクトの指名を行う
④数年後を見据えたコーチ候補生の指名を行う
⑤上記指名をベースに、チーム編成的および戦力的に空いた穴を埋める選手の指名を行う
必ずしも上から順番に指名するわけではありませんでしたが、他球団の動向も考慮して優先順位と指名順位を上げ下げしながら、指名を進めていきました。
そして最終的に指名された選手の一覧が、下記になります。
3. 指名選手の振り返り
以下では、指名戦略と照らし合わせてどういった選手を、なぜ指名したかと言う背景についてnoteしていきたいと思います。
3-1. チームの顔となる選手を指名する
1巡目: 嘉弥真 新也 投手 天神
2巡目: 又吉 克樹 投手 尾張
6巡目: タイシンガーブランドン大河 内野手 狭山
11巡目: 陽 岱鋼 外野手 春日
事前に合意した指名戦略に則り「チームの顔」となる地元選手の指名を最優先に考え、1巡目で嘉弥真投手、2巡目で又吉投手を指名しました。嘉弥真投手は石垣市出身、又吉投手は浦添市出身の実績十分の即戦力リリーバーです。
正直チームを一から組み立てるに当たっては、野手ならセンターラインを守れる選手や中軸候補、投手なら先発投手を最優先に指名するのが定石だったように思います。他球団の上位指名を見ても、そのような意図は明確に読み取れます。
ただ魅力的なチーム作りを進める上で「もっとも替えが効かない選手は誰か?」を考えたとき、新規球団の顔となるのは実績十分な地元選手以外にいない、という結論に至りました。両投手には7-8回を任せるWセットアッパーとしてフル回転して欲しいと考えています。
続いて6巡目で指名したブランドン選手には、次世代の中軸候補としての期待を込めました。2020年のドラフトで指名された選手では、最初に名前が呼ばれています(次が男鹿12巡目の大道温貴選手、全体45巡目)。うるま市出身のブランドン選手は、「野手力」で勝つチーム作りに欠かせないスラッガーとして、将来的にチームの顔になって欲しいと願っています。
また11巡目で指名した陽岱鋼選手は、沖縄から近い台湾を「準地元」と捉え、台湾のファン向けの「チームの顔」として指名しました。この意図は、33巡目で指名した王柏融選手の指名にも表れています。
その他にも後述する優先順位との兼ね合いもあり指名順位は下がりましたが、41巡目の大嶺祐太選手、46巡目の比嘉幹貴選手、58巡目の多和田真三郎選手の指名にも「チームの顔」としての活躍を期待したい地元出身選手として指名に踏み切りました。
3-2. 短期的な即戦力となる選手を外国人選手をメインに指名する
4巡目: ウィーラー 内野手 春日
7巡目: 堂上 直倫 内野手 尾張
8巡目: 松原 聖弥 外野手 春日
9巡目: C.C.メルセデス 投手 春日
10巡目: レイ 投手 天神
14巡目: マクガフ 投手 外苑
15巡目: 弓削 隼人 投手 仙台
21巡目: サイスニード 投手 外苑
続いて高い優先順位と設定していたのは、初年度からの活躍を期待した「即戦力」の選手たちです。この優先順位付けは、前述の「中長期的な視点から指名を行う」と矛盾しているように思われるかもしれません。ただ今回のイベントが最終的に「魅力度アンケート」を通して評価されることを考えると、他陣営は即戦力選手をまず上位から埋めていくことが予想されるため、アンケートの見栄えも考慮して我々も即戦力の選手を上位で指名することにしました。
野手は「中軸候補」のウィーラー選手、「センターライン」の堂上直倫選手と松原聖弥選手を指名。投手は「先発ローテーション候補」としてメルセデス選手、レイ選手、弓削隼人選手、サイスニード選手を指名し、「クローザー候補」としてマクガフ選手を指名できました。
投手を中心に外国人選手の指名が多くなったのは、やはり短期的にチームを強化するには外国人選手の補強が必要不可欠だと考えたからです。今回のイベントでは「外国人枠という概念が存在しない」という想定だったので、表ローテ3枚を全て外国人で固める豪華な布陣を組むことができました。外国人選手が多いチーム構成は、チームが重要視する多様性に富んだチームづくりにも合致しています。
3-3. 将来チームのコアとなるプロスペクトの指名を行う
3巡目: 郡司 裕也 捕手 尾張
5巡目: 海野 隆司 捕手 天神
16巡目: 矢野 雅哉 内野手 呉
17巡目: 髙橋 純平 投手 天神
18巡目: 山口 航輝 外野手 蘇我都鳥
25巡目: ウレーニャ 内野手 春日
28巡目: 前 佑囲斗 投手 千代﨑
30巡目: 根本 悠楓 投手 函館
32巡目: 小林 樹斗 投手 呉
34巡目: 石川 翔 投手 尾張
35巡目: 万波 中正 外野手 函館
37巡目: 及川 雅貴 投手 西宮
続いて優先順位を高く置いたのは次世代を担うプロスペクトの指名です。最初から結成数年での地区優勝は想定になかったので、分配ドラフトでもなるべく高い順位で若手有力株の青田買いを試みました。
まず最上位で獲得を検討したのはセンターラインの強化です。「チームの顔」である嘉弥真、又吉両投手の次に指名したのは、近い将来に正捕手を担ってほしい郡司裕也選手でした。さらに5巡目でも海野隆司選手を指名し、かなり上位で打撃と守備それぞれで高い評価を受ける若手捕手を確保することができました。同世代の二人には、今後それぞれの持ち味を生かしながら長く扇の要として活躍してくれることを期待しています。
また土のグラウンドであるセルラースタジアム那覇のプレー環境も考慮して、守備力に定評のあるショートのプロスペクト・矢野雅哉選手もかなり高い位置で指名しました。ルーキーのためプロでどれだけの活躍ができるかはまだ未知数ではありますが、我々の陣営では一年目から高い守備力でチームに貢献できると想定しています。
野手ではさらに将来の中軸候補として、山口航輝選手、ウレーニャ選手、万波中正選手とスケールの大きな野手を指名しました。特に山口選手は秋田・名桜高校出身で男鹿陣営にとっては「地元枠」の選手でもあるため、彼らの計画を乱す意味でも出来る限り上位で指名させて頂きました。
投手も高橋純平選手を筆頭に、ポテンシャルの高い豪華なメンバーを揃えることができたと確信しています。28~37巡目に指名した5人の若手投手については、陣営メンバーの「推しピッチャー」をそれぞれ挙げてもらい、指名していきました。
3-4. 数年後を見据えたコーチ候補生の指名を行う
12巡目: 長谷川 勇也 外野手 天神
22巡目: 中島 宏之 内野手 春日
26巡目: 能見 篤史 投手 千代﨑
31巡目: 髙谷 裕亮 捕手 天神
52巡目: 岩田 稔 投手 西宮
最後に、将来のコーチ候補としての指名も意識的に行いました。新規球団にとって、最大のネックになるのは「コーチ人材の不足」です。特に我々那覇陣営にとってはそもそも沖縄出身OBが多くはないことも考慮すると、分配ドラフトの時点で将来のコーチ候補となる人材に当たりをつけておくことはかなり重要だと考えました。
よって「チームの顔」「即戦力」のグループで指名した選手にも一部含まれますが、各ポジションごとに引退後に即コーチ候補となる人材も適宜指名していきました。結果的に所属球団やその球歴が多様なメンバーを指名できたことで、それぞれの人脈も広く活かせるような首脳陣の組閣が期待できそうです。
以上、今回の分配ドラフトの指名戦略とそれに基づいて指名された選手を簡単に紹介させて頂きました。チーム全体の編成表は、下記の通りとなります。ポジション別で「即戦力」「一軍挑戦」「二軍育成」のそれぞれのカテゴリごとに、選手がバランスよく配分されていることが分かるかと思います。
3月21日から始まる仮想ドラフトでは、魅力的な選手を指名するのと同じく分配ドラフトでは補強できなかった編成上の穴を埋めていくという意識も持ちながら、新たに指名戦略を組み立てることになります。3週間後の仮想ドラフトも是非チェック頂ければ幸いです。
4. 那覇シルバーウイングスの一軍&二軍振り分けと打順パターン
最後に、魅力度アンケートで評価の対象となる「新規球団ロースター」について、いくつかコメントを交えながら解説していきたいと思います。まずは一軍想定のメンバーについてです。
●一軍野手
チームに勢いを付ける1番には、核弾頭としての復活を期待したい陽選手を据えました。2番には打席内でのアプローチに優れつなぎ役としての役割を期待したい松原選手を起用し、クリーンナップには実績十分の実力者を配置。
6-7番には一発長打が期待できる堂上、内田両選手を配置しました。ただ特に内田選手は確実性に欠けるため、バリバリのレギュラーというよりは調子に応じたサブメンバーの起用も必要になると想定しています。後述する二軍育成対象のスラッガーたちが起用される先も、ここになるかもしれません。
8番キャッチャーには、正捕手として郡司選手を置きました。ただここも競争が前提で、控えにいる宇佐見選手や二軍想定とした海野選手にもスタメンマスクの機会は十分にあり得ます。
9番の矢野選手は、打撃よりも守備面での活躍を期待して抜擢しました。矢野選手が源田壮亮選手のような飛び抜けた守備貢献を果たすことができるかに、このチームの浮沈が懸かっていると言っても過言ではありません。チーム方針にも「野手力」を掲げていますが、高い守備力で相手に点数を与えないこともまたチーム得失点差の向上には重要である、ということを常に頭に置いておきたいです。
控え選手を見渡すと、外国人投手とのコミュニケーションに長け常勝軍団での経験も豊富な高谷選手の存在感は大きいです。内野手3人は複数ポジションを守るユーティリティとして、代打や守備固めだけでなくスタメン出場の可能性も十分あり得ます。外野手に関しても、ベテラン選手の休養時にはスタメン起用されてもおかしくないメンツが控えている点で頼もしさを感じます。
打順の並びについては、上記の通り控え野手の起用も想定すると複数のパターンが考えられます。以下はいくつか例を挙げたものですが、相手投手や選手それぞれの状態に合わせて多様なオーダーを組むことが可能です。
●一軍投手
外国人投手3人がローテーションの柱になってきそうです。先発6番手は「若手枠」として、ファームから活きの良い若手投手を抜擢することで育成も兼ねた使い方も中長期的な視点からは必要だと考えています。
ブルペンの序列については、まずAチームとしてマクガフ投手をクローザーに、嘉弥真・又吉投手をWセットアッパーに想定しました。Bチームのメンバーは若手投手を中心に競争を活性化させながら起用していきますが、経験豊富なベテラン・能見投手にはロングリリーフからピンチの場面でのストッパー起用など、あらゆる役回りで活躍して欲しいと期待しています。
●二軍野手
ファームには魅力的な若手野手を揃えることができたと自負しています。特に注目は3-6番の将来のスラッガー候補たちで、共に切磋琢磨しながら常にホームランの飛び交うような魅力的な試合をファームでも見せてくれそうです。
また前述の通り海野選手は一軍で正捕手争いを繰り広げてほしい選手の一人なので、都合上二軍に置いていますが積極的に一軍で起用したい選手です。
●二軍投手
先発一番手には、高橋純平投手を置きました。プロ入り後は中継ぎ起用が続く選手ですが、2019年のオフには先発を志願したことが報じられるなど先発へのモチベーションは高いと推察されます。まずは二軍の枠に入れていますが、将来のエース候補としての育成を想定しています。
大嶺、岩田、多和田の中堅・ベテラン3投手は一軍ローテーションの状況次第ではいつでも一軍昇格ができるよう調整して欲しい投手です。戸田、前、根本、及川の若手4投手は基本は二軍を主戦場とし、じっくり育成したい投手です。
中継ぎ投手に関しては、ベテラン・比嘉投手を筆頭に多くが調子次第ではいつ一軍に抜擢されてもおかしくない投手ばかりです。石川翔・小林樹両投手については、まずは二軍で実戦経験を積んでいく形になるでしょう。
二軍では将来性豊かな投手が既に多くいるので、打者優位に改修した球場でも投手王国を作り上げることのできるベースは十分備わっていると確信しています。
5. 終わりに
以上が、我々那覇シルバーウイングス陣営の分配ドラフト指名戦略でした。6日間にわたる指名だったため全てを事前に練っていたわけではなく、ある程度流れの中で議論し、合意した戦略でしたが、特にサプライズなくビジョンに沿った指名をすることができたと思います。
次回は仮想ドラフトの終了後、その指名戦略や指名した選手の紹介をnoteしていきたいと思います。今後も我々那覇シルバーウイングスを要チェックでよろしくお願いします!!
以上、ロバートさんでした。
ありがとうございました!
おまけ: 那覇シルバーウイングスの球団旗は、Chief Art OfficerのTJ氏にデザインしてもらいました!
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