96年6月のポジ その2 Vito BL
この際なので
見つかったフィルムのスキャンを連続してアップしようかと。前回と変わり映えしないのは承知の上である。
今回の写真は、フォクトレンダーのヴィトーBL、コダクローム25の組み合わせによるものである。これはカラースコパー50mmF2.8を搭載した固定鏡胴のカメラで、距離は目測式、シャッター・絞りに連動しない単独の露出計を内蔵している。ファインダーは等倍のガラスブロックでクリアな視界が気持ち良い。同じ系統で露出計を省き連動距離計を内蔵したヴィトーBRというモデルもあり、そちらはかなりレアなモデルである。BLは目測に慣れないうちに手放してしまったので、せっかくならBRを狙いたいと思いつつも市場にはなかなか出てこない。最近、50‐60年代のレンズ一体型カメラは人気がなく、流通しなくなりつつあるように見える。残念だが時代の流れか。
コダクローム25
使っているフィルムは色素を外から入れる外式現像のコダクロームである。粒子が細かく、退色に強いという特色があるが、現像工程が複雑で、結果的に内式に駆逐されてしまい、現像処理が無くなってから既に十数年になるかと思う。このフィルムの乳剤面は現像した絵柄の凹凸が大きく見えて、フィルムスキャン時のホコリ取り処理でエラーが出るのでその処理はオフでスキャンしなければならない。必然的に、スキャンした後に修復ツールでフィルム上に乗ったダストの跡を消していく作業が必要で、かなり大変である。こんなにダストがあったのかと思うと同時に、通常のフィルムではいかにホコリ取り処理に助けられているのかを思い知らされる。
そういうわけで、上手く写っていたものから4枚を選んで以下にアップする。他にもあるが、似たような写真であるのと、修復をやるのが辛すぎたので、この枚数になった。
おわりに
コダクロームの退色しにくさはポジを見た瞬間に感じられた。感度25の超微粒子による精細な画像もすばらしい。現像処理が途絶えてしまったのは残念であるが、内式現像の現行ポジフィルムもなくならないように支えねばならないと改めて思った。
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