【マッチレビュー】Jリーグ2021 第18節 サンフレッチェ広島VS柏レイソル 6/19
こんにちは!今回はサンフレッチェ広島対柏レイソルの試合のレビューを書いていこうと思います。
水曜日の天皇杯で、おこしやす京都に1-5で敗れてしまったこともあり、サンフレとしてはなんとしてもホームで勝ち点3を取らなければならない試合となりました。
スタメン
絶対に負けられないサンフレは中断明けという事もあり、ベストメンバー。3バックはこの試合でも継続です。レイソルは試合によってメンバー、システムを変えますがこの試合では442気味。守備時は仲間と神谷が下がることで541のような形です。
中断期間の積み上げの成果
この試合の焦点は結果はもちろん、17連戦を終えて久しぶりにチームでまとまった時間を確保できた中での積み上げでした。
サンフレがこの中断期間に取り組んだことは大きく3つ。
①ビルドアップ
②前線の選手の裏抜けの意識
③アタッキングサードでの狙いの共有
この3つをテーマに掲げて積み上げを行いました。
この3つのテーマについてそれぞれ触れていこうと思います。
①「ビルドアップ」
この試合でボールを前進させるという過程で手詰まりになっていた場面は多くありませんでしたし、チームとして一体感はあったと思います。
荒木が早めのタイミングで森島に縦パスを通す場面もありましたし、WBの選手は高い位置を取り続けて、②にも繋がる、裏抜けを狙う場面もありました。
また、中間ポジションで受けるのが得意な森島と川辺がそれぞれのサイドで積極的にボールを受けれていたことがビルドアップのスムーズさに繋がっていたと思います。
②「前線の選手の裏抜けの意識」
これについては、浅野や柏、藤井が意識の高さを見せたのではないかなと思います。
しかしこの3人は元々裏抜けをしっかり意識している選手です。
ではこのテーマの要求はどこに向けられているのか。
個人的には高い位置でボールを持った時と、ワントップ(特にサントス)に対する要求だと思っています。
ゴール前まで押し込むものの、動きが少なく攻撃のバリエーション不足に陥ってしまう場面はこれまで多く見受けられましたし、サントスについても動きに迷いや戸惑いが見られる場面は多くありました。
その点で言えば、サイドで押し込んだ時に柏を中心に裏のスペースを取る回数は多かったので、意識の変化は形として見ることができました。
しかしサントスについては、下りてきてボールをさばいた後にズルズルとしたランニングをしてしまってパスの受け手として存在感を出せない、という現象はこの試合でも見られました。下りてきてボールに触りたがるサントスなので下がってくる事を完全に否定するつもりはありませんが、オフザボールでの動きはまだまだ改善が必要なのが現状かと思います。
③「アタッキングサードでの狙いの共有」
これは言い換えると、どのようにシュートシーンを作るのか、誰がシュートを打つのか、ということだと思います。
これは基本的にどのチーム、選手にとっても難しい事ですし、解決には長い時間が必要だと思います。
その中で、数字としての結果に目を向けると、
シュート数 25本 枠内 13本
ゴール期待値 2.35
レイソルが現状上手くいっていないチームであり、守備的に試合を進めたのでサンフレがボールを持てる時間は必然的に長くなったので、ある意味偏った試合ではあったと思います。
シュート数については、選手それぞれがシュートを打つという意識を強く持っていたことが数字として表れていると思います。実際に試合を見ていても、「あ、そこで打つんだ。」というように、いつもとは違うのを感じました。
しかしシュートを打つことが目的になってしまっている場面もありましたし、そのせいでシュートを”打たされた”という場面もあったので、シュート数はあくまで参考程度に留めておくのが良いと思います。
後はどのようにシュートシーンを作るのか、誰がシュートを打つのか、という点ですが、まずは前者から。
シュートシーンを作り出す中で、サンフレに足りていないものは、パスの受け手の意識、動きだと思います。これは見ている感じ、選手それぞれのタイミングや裁量に任せている印象でした。もちろん、サイドでボールを持った時にハーフスペースに入り、ポケットを取ったりする点はチームとしてのルールだと思いますが。
そうなるとやはり即興的な側面が強くなるかと思いますが、そこで特に強みを発揮したのは柏でした。森島とのワンツーや、サントスと積極的に絡もうとする姿勢、逆サイドにまで顔を出すことができる彼の存在は非常に大きかったと思います。
キレを取り戻したフェイントに高いボールコントロール能力。狭い場所でも自身のやりたいプレーができる彼だからこそ、彼が絡むことで攻撃に面白さが生まれました。
次に後者の誰がシュートを打つのか、です。
この点については浅野とサントスは元からシュート意識は高く、それはこの試合でも継続できていました。
この試合で変化があったと思う点は、森島と、青山川辺のボランチです。
青山と川辺も元々シュート意識の高い選手ですが、この試合では2人ともシュートを打ちました。2人ともシュートを打った試合はさすがにそこまで多くないと思うので、ここも1つ意識の変化が見られたと言っていいのかもしれません。
そして森島。いつもは攻撃の組み立てやパスの出し手として同じシャドーの浅野と比べて低い位置でプレーすることの多い彼ですが、この試合では攻撃の組み立てに加えて、ラストパスを受ける、シュートを打つという意識が強かったと思います。実際に惜しいシュートもありました。キックの精度は高いのでこれからも自分で決めるんだ、というプレーが見られると嬉しいなと思います。
柏に期待したいサントスのサポート
前述した通り、素晴らしいプレーでチームに貢献した柏ですが、彼の素晴らしい所はプレーだけではありません。
先日記者の中野さんも触れていましたが、柏は苦しい時期を過ごしているサントスに対しての指示やアドバイスを含めたサポートを積極的に行っている選手です。C大阪戦では柏が度々サントスへの声掛けを行って彼をサポートしていました。
この試合でも意識的にサントスと絡もうとする場面はありましたし、バイタルでサントスがボールを持った際に、サントスが空けたスペースに走り込みサントスからのパスを受けて決定機、という場面もありました。実際に得点には繋がらなくても、サントスに良い感触を与える事ができますし、少しでも彼の孤立を防ぐことに繋がっていると思います。
サイドとワントップという立ち位置ではありますが、柏とサントスのホットラインに期待せずにはいられないのが個人的な思いです。
ベテランだからこその余裕と気配りでしょうし、サントスの成長はチームにとって間違いなく大きなメリットなので、柏のサポートには1つ注目して見ていこうと思います。
さいごに
最後まで読んで頂きありがとうございます。
水曜日は本当に悔しい結果となってしまいました。そういう意味でもこの勝ち点3の持つ意味は大きいと思います。
中断期間の積み上げについてはこれからの試合を見てから判断をしていかなければなりませんし、今後も継続して何かを積み上げていくことが重要です。
残すタイトルはリーグ戦のみとなってしまいましたが、1試合ごとの準備期間は確保しやすいので、質の高い試合を楽しみにしていきたいなと思います。
それでは次回お会いしましょう!
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