【マッチレビュー】Jリーグ2020 第24節 広島VS鹿島 10/24

こんにちは!今回はサンフレッチェ広島と鹿島アントラーズの試合のレビューを書いていこうと思います。

最後まで読んでいただけると幸いです。

それではスタメンから見ていきましょう!


スタメン

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守備陣は変わらずのメンバー。前線はシャドーに森島とエゼキエウ。ワントップにヴィエイラが戻ってきました。ペレイラが累積で出場停止、永井が怪我をしているのでヴィエイラの怪我からの復帰はとても頼もしいです。鹿島は上田に代えてエヴェラウドをつかってきました。442を基本としながらも攻撃時は2トップが縦関係気味になります。



冴えわたる川辺と三竿

日程面で少し余裕のある広島と中二日できつい日程の鹿島の試合となりましたが、お互い攻守の切り替えが速く、アップテンポな内容となりました。高い位置からプレッシャーをかけ、リスク上等と言わんばかりの鹿島の勢いに広島も今季の特徴であるショートカウンターで立ち向かう、そんな試合だったと思います。

そんな中、この試合の要所を締め、質の高い試合へと導いたのが川辺と三竿の二人のボランチだと思います。

試合展開が速いことで、コンパクトな陣形を保つことは難しくなり、間延びをしてしまい、守備と攻撃の移り変わりがスムーズにいかなくなることが増えてしまいがちです。また、ダイレクトプレーが増えることで、プレーの正確さは下がり、よりアバウトなボールやセカンドボールが増えます。それらを上手く処理し、チームの流れを切れさせませんでした。

まずは川辺から振り返っていきたいと思います。

川辺の持ち味は走行距離にあります。なので今日のような試合で輝きやすい選手ではあります。そのような試合できっちりと自分の特徴を活かせるレベルの選手であることを示してくれました。

この試合では比較的サイドを問わずピッチの広いエリアでプレーしていた印象でした。

守備面では三竿やレオシルバのパスを警戒しながら、ふらっと下りてくる土居も見なければならない。サイドの選手が中に絞ってくることも多いので、シャドーやワイドの選手と常にマークの交換を繰り返しました。

広島のワイドの選手が鹿島のSBの位置までプレスにいくのか、その場に留まるのかで、川辺もどの位置までプレスをかけるのか変わるので、システムのかみ合わせ上、常に臨機応変な対応が求められました。

以前はフィジカル面で負けてしまう事が少し見られましたが、この試合では三竿や外国人選手にも負けず、中盤でボールを奪う場面もありました。

青山とプレースタイルが違うことも相まって、広島に欠かせない存在になったと思います。

セカンドボールへのいち早い反応から、積極的な攻撃参加で攻守両面で厚みをもたらしました。攻撃と守備を繋ぐ貴重な役割を果たしたと思います。



次に三竿について振り返っていきます。

三竿はこの試合、圧倒的な存在感を示したと思います。

両チームトップの4本のシュート、11.560キロの走行距離。スタッツにも表れているように、三竿の存在感は他の選手の群を抜いていました。

低い位置でのビルドアップ、スイッチを入れる縦パス、スペースを見つければ自ら長い距離を走る、中盤のセカンドボールの回収。試合で求められている役割を高いレベルでこなしました。

オープンな展開が多く、個の勝負になる場面が多い中、分かりやすい部分でも、分かりにくい部分でも三竿の存在は絶大でした。

インテンシティの面では、レオシルバと共に試合を引き締めていました。

プレーの質の高さは敵ながら賞賛すべきレベルでした。


エゼキエウの魅力

広島の攻撃面を牽引していた存在はエゼキエウだったように思います。

前から人数をかける鹿島の弱点である裏のスペースに積極的に飛び出し、ポスト直撃の惜しい場面や、深い位置からのクロスも何度かありました。

序盤はボールタッチが大きくなってしまいボールロストをしまう場面があり、調子が悪いのかと思いましたが、徐々に試合に慣れ、ボールコントロールも安定しました。

エゼキエウを見ていて、多くのブラジル人が得意とする、相手の逆をつくことが本当に上手な選手だなと思います。独特のドリブルリズムでスルスルと進む印象です。

さらに、体の使い方が上手いのでサイズこそないものの、ボールキープも得意です。日本人選手にも似たようなタイプがいますが、エゼキエウのような身のこなしはブラジル人特有だなと感じます。

もちろん、これらのプレーを可能にするボールコントロールが備わっているので、一対一でドリブルを仕掛けることもできますし、狭いスペースでボールを受けることもできます。アイデアが豊富なので、「こうできたらいいのにな」といういつもなら理想のまま終わってしまうプレーもエゼキエウは一段階理想に近いプレーをすることができます。例えば、ここで相手をはがせたらな、相手を引き付けられたらな、などの場面で期待感を抱かせてくれます。

そんなワクワク感を持てるのがエゼキエウの魅力だと思います。

この試合でも、エゼキエウが裏に抜けて仕掛ける時には良いプレーが多かったですし、個の力で戦える選手だと感じました。

守備面でも確実にフィットしてきていますし、その謙虚な姿勢は若くして素晴らしいと思います。これから益々の活躍が楽しみな選手です。


鹿島と広島の小さいようで大きな差

試合内容は互角のように見えて、結果も0-1と僅差。惜しい場面を何度も作り、守備に追われ続ける展開でもなかった。良い試合だった、その言い方は間違っていないだろう。

しかし、このような試合を勝ち切れるかどうか、点を取り切れるかどうか、ここには小さいようでとても大きな差があると思います。長い距離を走り、フィニッシュで精度を保つのはプロであれ難しいことです。しかしそれはサンフレの選手だけに当てはまる事ではありませんし、日程面では鹿島よりもアドバンテージがありました。

手の届きそうな勝ち点3を確実に手に入れることができるチームとできないチームは近いようで遠いです。あの惜しいシュートが決まっていれば、あのファインセーブがなければ、そんな事を思ってしまいがちですが、そんな場面できっちりと決めきることができてこそ常勝チームになれます。

試合全体の雑感として互角に戦えていただけに、細部の部分で決定的な差を見せつけられてしまいました。上位で戦えるチームと中位に甘んじているチームの差がそこにはありました。

しかし、今季掲げているショートカウンターが機能した場面もありましたし、守備のスイッチの切り替えも大きく改善し、安定感があります。足りない部分を見せつけられましたが、成長した部分を実感できたのも事実です。地に足をつけてまた前に進んでいきたいですね。


さいごに

さいごまでお読みいただきありがとうございます!

本当に悔しい敗戦となってしまいました。しかし、手ごたえを感じたのは事実ですし、成長を感じることができました。後半から浅野を使うなどの、選手層に余裕も生まれてきました。好循環が生まれているように思います。

感想等頂けるととてもうれしいです。また次回お会いしましょう!

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