【マッチレビュー】Jリーグ2021 第19節 サンフレッチェ広島VS名古屋グランパス 4/14

こんにちは!今回はサンフレッチェ広島対名古屋グランパスの試合のレビューを書いていこうと思います。


スタメン

スタメン

サンフレは前節の湘南戦でターンオーバーを行ったため、中3日ながらベストメンバーで挑みました。アンカーに川辺、IHには森島と柴崎。トップにはサントスが入りました。中2日の名古屋ですが、前節から5人を入れ替えました。しかしこちらもベストメンバーといえる布陣かと思われます。4231で前線には柿谷、斎藤、サイドにマテウスと相馬。堅守で話題の名古屋ですが、攻撃陣もタレント揃いです。


酷評か好評か。

前節の湘南戦で大掛かりなターンオーバーを行い、この名古屋戦、次節の川崎戦に照準を合わせてベストメンバーで挑んだこの試合でしたが、8試合連続無失点中の名古屋のゴールをこじ開けることはできず、1-0の敗戦を喫しました。

サポーターの中にはこの試合について悪い印象を持っている方が少なくない印象でしたが、個人的にはそれほど悲観することは無い試合だったと思います。

序盤の攻撃こそ上手くいかなかったものの、解決策、狙いはきちんと持っていましたし、451の守備ブロックはここ数試合で改善傾向にあります。名古屋のシュート数が3本、サンフレが10本という数字を見ても、サンフレにとって壊滅的な試合では無かったと言えると思います。

なので、個人的には酷評か好評かで答えるなら好評を選びます。

あくまでただの素人がプロの試合を見て喋っているだけに過ぎませんが、サンフレがどのように名古屋の守備を崩しにかかっていたのか、に注目して今回のレビューを書いていこうと思います。

それではサンフレのビルドアップから見ていきましょう。


後方の数的優位で落ち着きを

数的優位

442でブロックを構え、前線の柿谷と齋藤が激しくプレスにくる名古屋に対して、ボールを持ちたいサンフレはボランチの川辺が下がり後方で3対2の数的優位を作り、ボールを保持することで自分たちのペースに持ち込もうと試みます。

しかし、この形に至るまでには、名古屋の素早いネガトラを回避しなければなりません。実際、前半の飲水タイム後ぐらいまでは名古屋に即時奪回を許してしまい、満足にボールを持つことが出来ませんでした。

同じようなスタイルであるマリノス相手に今季3得点を挙げることができ、この試合よりもボールを持ちたいときに持てていましたが、名古屋はそれを上回る守備意識と速さだったので、サンフレの序盤は得点という目的の為にボール保持という手段を使う、ではなく、ボール保持が目的になってしまっていました。

名古屋が中2日という過密日程だったこと、先制点を挙げてリードしていることもあり、名古屋の守備の重心が下がり始めるまで、サンフレは思うように攻撃を展開できませんでした。


ボール保持時の狙い

後半に入り、序盤とは打って変わりボールを持てる時間が増えたサンフレですが、名古屋の高い位置からのプレスが無くなったとはいえ、堅守の名古屋を崩すのは容易なことではありませんでした。

パスコースがない

きっちりとマークにつかれてしまい、柴崎や森島がボールを受けようとしたり試みますが、どうしても受ける位置が低くなってしまいました。WGの浅野とエゼキエウは中央寄りでサントスとの素早いパス交換を狙いましたがスペースへのパスが少なく、中を狭めている名古屋のブロックをすり抜けることはできませんでした。


そこでサンフレが前半30分ごろから狙い続けていた形がこちらです。

狙い

後方の数的優位によりボール保持に安定をもたらした次の課題として、より高い位置での崩し、がありました。その狙い目はSHをつり出して、名古屋の中盤にスペースを作り出すことです。

解決策

荒木が開いてボールを持つことで、柿谷からプレッシャーを受けるのではなく、相馬からプレッシャーを受けるようにすることで、相馬を高い位置までつり出すことを狙いました。これにより、野上がフリーになることができ、スペースも空くので、このズレを活かして名古屋のブロックを崩しにかかりました。

中央を固く閉ざし、浅野、サントス、エゼキエウに自由を与えない名古屋に対して、サンフレは中盤より下で上手くズレを作り、それをきっかけとして攻撃を連動的に組み立てることで、そのズレを前線、最終局面に還元することを狙いました。

後半はダイレクトでパスを繋ぎ、素早く攻撃を組み立てる狙いを感じましたし、得点は挙げることはできませんでしたが、よくある闇雲な狙いのない攻撃では無かったのは評価されるべきポイントだと思います。


得点に至るためには

ここまでサンフレの攻撃にフォーカスを当てて書いてきましたが、少し守備についても触れます。

451でブロックを組み、中盤から1人サントスと同じ高さまでプレスに行くことで、重心を下げ過ぎないことをきちんと意識しつつ、空けた中央を絞って埋めるという共通認識を持つ選手が増えたことで、組織としての守備レベルは高まりました。序盤のマリノス戦ではボランチのタスクが多すぎることで、そこから崩されましたが、その問題は改善傾向にあると思います。

大迫のミスで失点をしてしまったものの、全体として良い守備でしたし、あとは得点を挙げられていれば間違いなくサポーターからの評価は高かったはずです。

名古屋などの高いレベルの守備を崩すには何が必要だったのか、何が足りなかったのか。

個人的に試合を見ながら思ったのは、サントスが上手くボールを収めて周りと連動できればなということ。青山のパス能力と、川辺の飛び出す動きが必要だということです。

サントスは個の力があるので、自力での突破を狙う場面が多いですが、それだけで得点まで繋げることは難しいですし、この試合の序盤の様に押し込まれる時間帯では前線でファールをもらったりボールを収められるとよいなと思いました。逆にサンフレが押し込む時間帯でもバイタルエリアでリズムを乱してしまったりする場面がありました。

守備で素晴らしい改善を遂げているだけに、攻撃面でも上手くチームに溶け込んでくれる日がとても待ち遠しく思います。

次に、青山のパス能力ですが、判断の速さ、ボールの性格さ、視野の広さは抜群のものがありますし、名古屋のブロックを広げ、空いたとこに適切に縦パスを通すことのできる青山はやはりチームに欠かせない選手であると感じました。また、川辺は長い時間ボランチでプレーしたのであまり攻撃参加をすることができませんでしたが、青山がボランチに入り、攻撃参加できるようになった時間帯では得意のランニングでボールを引き出しましたし、攻撃に可能性と幅をもたらす事ができます。

ボランチ青山、IHに川辺という組み合わせがこの名古屋戦ではベストだったのかな、と感じました。柴崎と森島はボール保持にもってこいの選手ですが、得点をあげるためには川辺が高い位置でプレーできるような組み合わせやシステムを用意することも必要かもしれません。


さいごに

最後まで読んで頂きありがとうございます。今季無敗だったところから2連敗となってしまいました。次節に川崎戦を控え、苦しいところですが、今のサンフレがどこまで通用するのか、楽しみですね。

改めて、川辺の攻撃参加の重要性を感じさせられましたが、柴崎と森島のコンビが大好きなので、他の試合でも相性を考えながら、また見られるといいなと思います。(笑)


それでは次回お会いしましょう!

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