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枚岡神社にいってうっかり本宮まで歩くの巻

私は奈良住みだ。
このところ、春日大社界隈に足を運ぶ機会が多く、春日大社や若草山に興味を持ってきた。

春日大社には大阪の枚岡神社から二柱の神様が勧請されているので、夫婦で足を運んでみることにした。
藤原氏の氏神様でもあるらしい。

休日の思いつきで出発したものの、失礼のないようにパンツスタイルではあるが、ちょっとキレイめのお洒落ニットで行った。

神社は街を見下ろす高台にあり、鎮守の森からは鳥の声が聞こえる。

春日大社との関係を思わせる鹿の石像もあった。
説明書きをよむと「元春日」とも呼ばれると書いてあった。
「元伊勢」は聞いたことがあるが
「元春日」は知らなかった。

滝行ができるのに感心したり、しめ縄の飾りが興味深かったり注目ポイントはいくらでもあった。

いくらでもあったが、知識がないので見終わった。

奈良と大阪は近い。
近いけれども見終わってすぐ帰るのは惜しい。

…。境内案内の看板をみる。
本宮まで徒歩40分。

「行くか!」
私は言った。
「いいけど?」
旦那が言った。

健脚御守りなるものを
さっき見たような気がしたが
気のせいだろう。


……。


私は大阪の山を舐めていた。
というか
自分の体力を把握してなかった。

めっちゃ坂道!!
階段ばっかり!!
すれ違う人
みんなモンベルの服着てる!!

お洒落ニットで山の階段を登る人はいない。

淡々と階段を登って行く旦那が恨めしい。

「待ってー!」
息を整えてよれよれ登る。

ちょっと!
追いついたらこの人
すぐまた歩き始めるんだけど
意地悪なの?!

「あとどんくらい?」
息を切らせながら私は度々尋ねた。

道にはところどころ
本宮までどのくらい進んだかの
距離の目安がある。

とこらが
距離の目安は
距離の目安なので
坂道の加減とか
ずっと階段だとか
そんなこととは関係ない。


やばくない?


ついに広場まででた。
信じられない。

カブスカウトみたいな子ども達が
キャッキャいって遊んでいる。

君たちこの道をきたのか?

絶対違う道があるはずだ。

しかし素晴らしい眺めである。
休憩しよう。
大阪平野を見下ろして
写真を撮ったり
お茶を飲んだり
存分に休憩した。

走り回る
カブスカウトの子らの中で。

君たちに休憩はいらないのか?
子どもというのは
ものすごい生命体だ。

「思いつきで来たのにかかわらず
こんな素晴らしい眺めもみたし
良かった。
今日のところはこの辺で
帰らない?

私は言った。

「いや、せっかくここまで来たから最後まで登ろう。そしたらリベンジにもう一度来なくてもいいよ。」

旦那が言った。

広場からまた歩きはじめた。
道が険しい。
私の靴は歩きやすい靴ではあるが、
スニーカーですらなかった。

前を行く旦那の背中に
私はブーブーいい続けた。


それから
急に可笑しくなって
笑った。

「いつもこのパターンだ!」


つられて旦那も笑った。


おかしなことを言い出すのは
たいてい私で、
たいがい旦那はそれに付き合う。
で、私は突然ものすごい勢いで
「やめたい!」「しんどい!」
と文句を言いだす。
その頃には旦那は乗り気なので
やめられないシステム

こうして2人はなんとか
本宮にたどり着いた。

本宮におられたハイキングの格好がバッチリ決まった一団が
「僕たち長いのでお先にどうぞ。」
とお参りをすすめてくれた。

「やっと到着したのでしばらく息を整えたいと思います。長いほうがいいくらいです。どうぞおかまいなく。」
切り株だったかなんだったかに
腰かけて私達は先客のお参りの間、待つこととした。



本当に長かった。




モンベルの格好してるけど
修験道の達人軍団のようであった。
柏手を8回打つのが本式のようだ。

枚岡神社は由緒正しき神社で
このようにちゃんとした
祝詞を唱えることができる
人たちが山を歩いているのだなぁ。


私達は本宮まで歩くことで
枚岡神社の真のパワーを知ることができたのだ。
しんどいけど登って良かったと思った。


帰り道は、
あっという間だった。



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