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必要な英語能力について

それでは、ロンドン大学通信教育プログラムを成功裡に進めるために必要な英語力はいくらぐらいなのでしょうか。LSE EMFSS 学士レベルプログラムでは、IELTS Overall:6.0以上、各技能で5.5以上と言う基準とされ、SOAS MScプログラムでは、IELTS Overall:7.0以上、writing:7.0以上と言う基準となっています。これは、文部科学省作成の換算表によれば、それぞれ英検準1級、1級となります。

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私は学生時代に英検準1級と言うベースがあり、まずLSE EMFSS Graduate Diplomaプログラムを始めましたが、英検準1級レベルでは相当にきついです。LSE編集のSubject guide(以下SG)と言う学習ガイドに沿って進めていきますが、見たこともない単語が頻繁で圧倒されました。ページをめくる毎に、少ない時でも5回ぐらい、多い時で10回ぐらい単語を調べながら読み進めていくような感じでした。

勿論学習進度が進むにつれて、嫌でも覚えていきますので、その頻度は下がっていくものの、学習を始めた初期は、単語もさることながら、イギリス人教授の作成したテキストは、語彙レベルが非常に高く、また変に凝った表現も多く、意味が取れず非常に苦しかったです。

LSE EMFSSプログラム読込量の例

必須科目であるCore management concepts (経営学概論)は全20chapterあり、Chapter 5 "The rise of human resource management"を例に挙げますと、まずSGで12ページ読み進めます。

Essential Readingとして、別購入の市販教科書であるUnderstanding Management (Paul Willman; LSE教授; SGの作成者でもある)で25ページ、他本文31ページの研究分献を読むよう指示があります。

それに加えて、Further readingが入手不可の書籍除き、2文献で計48ページを読むよう指示があり、それも全て読み込みます。

週1 chapterの進捗目標と考えると、大体トータルすると、科目当たり週100ページは通常読んでいく感じです。日中は仕事を持ち、時間が限られた中でそれをこなしていかざるを得ないですので、速読が必須になります。ですので分からない単語が頻繁ですと非常に苦しいと言う訳です。

試験を考えた場合、SGだけでは恐らくPassは難しいです。最低でもEssential Readingまでは、確実に読み進め、自身の知識とせねばなりません。尤も、学習開始期の非常に苦しい時間を何とか乗り越えていくと、分構造も容易に取れるようになり、必ず速く読めるようになっていきます。

GradDip修了後に、結局使用することはなかったものの、MSc出願のためにIELTSを受けたのですが、SOAS MScの求める IELTS Overall:7.0と言うスコアでした。

SOAS MScプログラム読込量の例

EMFSSプログラムを修了して、MScプログラムを始めましたが、前回の経験で慣れたのか、明らかに楽に読み進められました。知らない単語もほとんどありませんでした。ただ、LSE EMFSSプログラムと比べると、SOAS編集のテキストであるStudy guideに使われる単語は、比較的よく見られる単語ばかりです。明らかにLSE編集SGの方が、語彙レベルは高いです。

Corporate Finance科目を例にとります。全部で8unitあり、週1unitを進捗目標とした場合、例えばUnit 3 Return, Risk, Portfolio and Asset Pricing Modelsですと、Study guideで34ページ、市販教科書(別途購入不要)を53ページ読むよう指定があります。

それに加えて、別冊子で文献集が送られてきます。文献集にある該当文献が3-4文献あり、1文献で約30ページ、計で100-150ページ。これらも全て読み進めます。

しかし、これだけやっても不十分です。それ以外に自分で文献を探し、知識を肉付けしていかなければなりません。なぜならば、TMA(Tutor Marked Assignment)と言って、成績評価対象のEssay(小論文)の2回提出が必須だからです。学年末試験受験もこのEssay提出が条件となります。試験が失敗した場合のリスクヘッジのためにも、できるだけEssayで高得点を取り、保険を掛けておく戦略を取っていました。

Essayを作成するのに、さまざまな文献に自分自身で触れていくことになります。1回のエッセイで2,500 wordですが、大体1Essayで参考文献数を最低20文献をReferenceとして載せることを目標にしていました。20文献に絞る前に、倍の40文献読んでいました。

尤も、文献全ページを読むのではなく、Abstract、Conclusionで概要を把握し、必要があればDiscussionも読むと言った読み方です。それでも、多く速く読むことが必要です。プログラム開始期のTMAの採点と比べると、Essayに盛り込む参考文献数と得点の相関は明らかにあると思います。

因みに期間中にTMAを計14本提出し、Pass x 1本、Merit x 9本、Distinction x 4本でした。

以上、学習しての感覚では、通信教育と言えども、LSE、SOASに限らず何れのプログラムも、英検準1級~1級レベルの間、IELTSでOverall 7.0は最低でも必要なのではないかと思いました。

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