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学年末試験準備について

LSE監修 EMFSS学年末試験の準備例

1年で修了しようと欲張って4科目取りましたが、フルタイムの仕事を持ちながらこれはかなりきついです。通常は2科目、死に物狂いで頑張っても3科目が限度だと思います。非常に限られた準備期間で当時全て合格したのは、問題のめぐり合わせなど運も作用したとも思います。うち1科目がインプットの少ない数理系(Quantitative)科目だったので、何とか対応できたという側面が強かったです。

記憶定着に大きかったのは、試験2ヵ月前から準備し始めた、復習のために論点をノートにまとめる作業だったと思います。各論点の定義、Pros、Consに触れながら、箇条書きでまとめていきます。あくまで助走なので、2ページ600-700語弱で各論点のポイントを押さえるので充分ではないでしょうか。ノートにまとめることで、各科目の覚えるべき論点が整理できます。

論述系(Qualitative)科目と数理系(Quantitative)科目がありますが、1年で4科目合格したい場合、最低1つは数理系科目を入れた方が、インプットに掛ける時間が少なくなるので、少し楽になると思います。論述系は膨大な論点をインプットしていく作業になるので、数理系科目を配すことで多少負担が軽くなります。


過去問分析、試験用論点ノート(試験2か月前から1か月前)

試験の成否を占うのは、過去問の緻密な分析が大半と言っても良いと思います。それぐらい過去問分析は大切です。

まずStudent portal上にある過去問と、そのExaminers' commentariesを数年分準備します。模範解答はありませんが、各論点でどういった概念に触れなければならないか、採点者のコメントが載っています。例えばPrinciples of Marketingの論点 Feedback loopであれば、’self-concept’, ‘ideal-self’, ‘actual-self’といったことに触れなければなりません。一通り各々読んでポイントを抽出した上で、論点ノートとしてまとめます。

過去問を見ると、問い方を変えながら、繰り返し同じような論点を出題していることが分かります。例えば過去数年分のPrinciples of Marketingの出題を分析すると、CSR, Feedback Loop, Rogers Diffusion Curve, Co-creation, Vertical Marketing, Distribution channel, Branding, Pricing, Cognitive dissonanceといった論点の出題が目立ちました。

傾向が分かりましたので、各論点に関して、過去問を参考に派生論点までカバーできるような汎用的問題を自分で用意し、前に用意した論点ノートを参照しながら、ポイントを押さえた自分なりの模範解答を準備します。

試験は3時間ありますが、問題を読んで文章構成をじっくり検討する時間的余裕はありません。ある程度汎用的に使えそうな問題・解答を準備して、それを全て記憶し、問い方によっては覚えてきたことの構成をその場で臨機応変に変えて、試験中に全て吐き出すといった感じになります。

通常3時間で4問回答しますが(LSE EMFSSの場合)、準備する論点は4の倍の最低8個、できれば10個準備した方が安全と思います。これを全ての科目で準備します。

ここで注意すべきは、試験と言えども、学生は研究者の卵として扱われることです。自分の主張を補強するために文献から引用しますが、(著者, 出版年)も覚えなければなりません。似たような名前が多く、覚えるのが非常に大変でした。1題あたり最低5個程度は引用できるように意識して準備しました。勿論、もっと盛り込めるのでしたら、そうした方がいいと思います。また必ずIntroduction->Body->Conclusionという文構造で模範解答を作っていきます。

直前期(試験1か月前から試験日)


まず試験の注意をまとめた
YouTube大学公式動画を確認します。

ところどころロンドン大学解答用紙が映り込みますので、そこで動画を止め解答用紙の行数を確認します。すると凡そ30行+αであることが分かります。また試験用紙の左右3cmほどは採点者の記入欄で何も書いてはいけないことが分かります。それを踏まえた上で30行程の罫線が入ったノートパッド(100枚表裏で200ページ)を購入しました。

論点ノートを元に自分で作成した問題とその解答を、ひたすらノートパッドに書いていきます。何度も書くことで、頭だけでなく手に覚えこませていきます。その際大事なのは、時間を計りながら記憶した解答を書いていくことです。また一語一句覚えるのではなく、論証展開、流れを覚えていきます。

これにより1題45分でどれだけ自分が書ききれるか感覚が分かってきますので、文章を削るなり、或いは引用を追加するなり、模範解答を洗練させていきます。これを平日は4時間、休日は16時間程続けていました。ノートパッドは1冊使い切り、2冊目に入るまで1ヶ月間論証演習をしていました。

これとは別に、科目毎に論点ごとの引用文献リスト(著者、発表年、概要)をParaphraseした上でまとめ、時間の空いた時に、仕事の昼休憩中などに、ひたすら読んで記憶する作業をしていました。

数学系科目の計算問題については、ある程度捻られても対応できるよう、標準~難易度高めの問題を中心に、解法を完全に覚え類似問題に当たった時に反射的に解答方針が立つまで、何度も完答答案の論証練習を繰り返していました。

SOAS監修 MScの学年末試験対策例

MScプログラムでも、試験2ヵ月前からスケジュールを逆算し、同じ方法で準備をしていました。論点ノート作りから始め、知識の定着を図りました。過去問も、Moodle上に過去2年分全科目が上がっています。しかし、LSE EMFSSと違い、Examiners' commentariesは提供されません。このため解答に盛り込むべきポイントが分からないため、的外れな「模範解答」を作ってしまう可能性もあり、そこは不安でした。

MSc時の論点ノートの例

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自分の作った「解答」が、ポイントを外していないと信じて、1題 60分で何語書けるか測りながら、手に「解答」を覚えこませていました。前回と同じように、膨大な論点記憶の負担を軽減するために、Finance系のQuantitative moduleも選択しました。数学は特に得意ではありませんが、せいぜい高校レベルの計算問題なので、やはりEssay論点記憶よりも負担が多少軽くなったと思いました。

MSc試験対策に演習に使用したレポートパッド
(4科目分の論述問題演習で150枚(3冊)書ききりました。)

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SOAS MScプログラムでは、Moduleあたり8 unitありますが、6 unit分の汎用的問題とその「解答」を用意していました。またSOASは、出題が毎年ほぼ標準的な出題です。設定を変えただけのような、類似出題も目立ちました。LSE EMFSSのように、解答し難い論点を組み合わせたような捻った出題はありません。さらに、TMAで既に取り組んだような類似論点も出題されますので、課題を提出した時点で2論点をほぼ対策した状態になっています。ですので自分で追加対策するのは、4論点だけです。設定、問い方に若干の違いはあるものの、毎年同じような素直な出題です。そこまでやれば、外れた試験対策になることはほぼないと思います。初めにLSEの難易度に揉まれていた経験は、非常に役に立ちました。


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