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UFO型信号機 (懸垂型交通信号機)の事情
UFO型信号機という単語を聞いたことがあるだろうか。最近マスコミやニュースでも何回か取り上げられており、設置場所を見に行ったり写真を撮る人も増えているようだ。さらに2023年までに完全撤去される予定になっていることもあり(※)、関心を寄せる人も絶えない。この記事ではUFO型信号機の詳細について見てみることにする。
※ 仙台にあるUFO信号機は2024年7月を以て完全撤去となりました。
"UFO型信号機" の定義
UFO型信号機というのは通称名で正式な名称ではない。銘板には「懸垂型交通信号灯器」あるいは「細街路用信号灯器」といった名称が刻まれており、これらが正式名称だ。ただし、「懸垂型」というのは太い支柱から交差点の真ん中に吊り下げられた長いアームに4方向が集約されて設置されていることを示しているのみで、集約された灯器の状況までは指定していない。
以下に新旧の懸垂型信号機の主な設置パターンを図示してみた。UFO型信号機は誰かが厳密な定義をしているわけではないが、ネット上では、主に図の上段側のものを呼んでいるようだ。下段側のものは昔は上段の旧式のものが更新され全国的にもそれなりに見られるようだがUFO型と呼ばれていない事が多い。
![](https://assets.st-note.com/img/1663561060021-VuCugp6daD.png?width=1200)
上段の場合はUFO型信号機と呼ばれ、下段の場合は呼ばれないことが多いようだ
UFO型信号機と呼ばれるためには
懸垂型信号機であること (必須)
横型であること (必須)
一体型 (=旧式の角型信号機の特殊版)であること
歩行者用信号機が一緒に集約されていること
あたりが条件となるようだ。上記の4条件をすべて厳密に満たすものは、図の中の左上のみで、名古屋電機工業株式会社が1975年 (昭和50) 頃から10年くらいで設置したものを指す。
UFO型信号機が設置された経緯と最近の事情
街中もしくは住宅地の狭い路地の交通量が増え、信号機設置の要望があるにも関わらず、狭くて信号柱を設置するスペースが取れない狭い交差点で、太い信号柱を1本設置するだけで設置できるUFO型信号機が1970年代に設置されるようになった。
現在はLED型に更新されている愛知県名古屋市中区大須の個体をはじめ、1975年 (昭和50)から約10年ほどで宮城県、群馬県、愛知県に設置された (名古屋電機工業製)。他に高知県、島根県、広島県、岡山県、大阪府、滋賀県、長野県、埼玉県、栃木県、岩手県などでも懸垂型の設置が見られる (こちらは日本信号、小糸工業等も製造している)。
しかし特に一体型の角型信号機は特注品で製造するメーカーも限られることから高コストでもあり、あまり広がらなかったようだ。歩行者用信号機が交差点上に集約されているのも、歩行者にとっては見づらく初見殺しである。その後の信号機更新のタイミングでは、汎用型の部品を使った電球型信号機の集約設置に更新されたり、交通事情の改善や信号機の技術革新により撤去されたり、低コスト型LED信号機の通常設置に置き換わったりしているのが現状だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1663562693409-v4VuTMgbd9.png?width=1200)
厳密な個体が残っているのは宮城県のみ
全国的には旧式の角型信号機の更新が進む中、宮城県は2010年代半ばまで旧式が大量に残っていた。それぞれが交差点の形状に合わせた特注品でもあり、十字路の交差角度により灯器が向く角度も調整された一点ものが設置されていることもあった。その後ネットでも話題になり、宮城県でも遅くても2023年までにすべての旧式UFO型信号機を更新することが決まっている。
LED信号機で再現された名古屋の信号機
名古屋電機工業株式会社のお膝元である愛知県名古屋市中区大須の赤門通と裏門前町通の交差点では、1975年 (昭和50)にUFO型信号機が設置されたが、現在はUFO型を模したLED信号機に置き換えられている。歩行者用信号機までも集約設置したLED信号機は全国でもここだけのようだ。ちなみに、信号灯器は一般的なものの組み合わせで設置できる。横型の歩行者用信号もアーケードや高架橋下などの高さがない場所に設置されているものを見ることが出来る。
大須のUFO型信号機。夜に見てもワクワクする。 pic.twitter.com/Xtk7I9u8ZN
— 羽鳥写真館 (@hatolier_camera) January 1, 2022
仙台市にある旧式の懸垂型信号機と比較してみた。
— 『名古屋の富士山すべり台』風媒社より好評発売中! (@223playmount) February 20, 2022
同じ35mmレンズで真下から撮影。
←左:仙台市泉区南光台4丁目
名古屋市中区大須3丁目:右→ pic.twitter.com/z3gTuSbrdB
さまざまな懸垂型信号機
UFO型信号機と呼ばれるもの、呼ばれないものを含め、全国には様々な懸垂型信号機が設置されている。
歩行者信号機がない角型一体型
【大阪】懸垂型灯器(名電)
— Shohei-green (@shoheigreen123) March 26, 2021
大阪市東成区中本
UFO信号機と言えば名古屋電機製!大阪に現存しています!なかなか独特なスタイルでカッコいいです!折角のP950なので、望遠で撮影しました。
210309 pic.twitter.com/8JarHfol0K
藤岡市の懸垂型信号機はまだ残っていました!歩灯はありません。
— 栃木信号 (@Tochigi_Signal_) March 28, 2022
S51年3月製だそうです。 pic.twitter.com/z39mADz36J
電球型
#本日の撮り信
— 愛媛信号 (@maxisignal9595) June 12, 2022
本日の一番の目的でもあった、高知県黒潮町の三面懸垂型設置信号機です。高知県でも懸垂型信号機はほぼ見かけないのでかなり珍しいですが、十字路交差点なのに何故か三面設置となっており、とても珍しいです。 pic.twitter.com/a2QMF4PhS7
縦型
先日、盛岡市の喜盛の湯から帰る途中、いつもとは別ルートを通ったら不覚にも交差点を曲がらずに直進。仕方ないので次の交差点を曲がって初めて通る道を走ったら、たまたま発見した縦型の懸垂型信号機。その時は夜だったので、昨日の休日に改めて行きました。怪我の功名ってやつですかね。#信号機 pic.twitter.com/Ml9wLtSAdH
— 道路族ねお (@Route157NEO) November 15, 2021
長浜市南呉服町に4方向懸垂型デザイン信号機が設置されていました。メーカーは京三製作所製です。雪国仕様のため縦型かつ4方向一体型になっています。 pic.twitter.com/hb4RarKgNA
— 日本信号ファン 信号機・鉄道垢 (@pOudvAdxpjS648A) March 13, 2018
LED集約型
仙台市太白区西多賀
— ゑゐぞう@東北ずん子車載 (@47XgLAkYg4lBKla) November 28, 2021
懸垂型信号機のLEDタイプ(日本信号)
やっぱり電球タイプの四角い信号機のほうがしっくり来るな。 pic.twitter.com/Gj8ZmwsuhU
PCからの掘り出し物。
— 丸壽11 (@EXPN15) November 11, 2019
軽井沢の追分付近。
それまでは「懸垂型電球一色点滅信号機」(?)
だったのが取り換えられて
「懸垂型LED縦車灯信号機」(?)
になったときのもの。
当時は価値を理解していなかったから角度が悪い… pic.twitter.com/GTf2Nk59x1
参考記事:
宮城県に残るUFO型信号機のマップ:
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