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ダンゴ内での補助標識の適用範囲は?

概要

道路標識にはさまざまな補助標識が付いている。本標識と補助標識とが一つずつになっているものは、補助標識の適用範囲は簡単にわかるが、複数の本標識がダンゴ状に縦に連なっている場合、どこまでが適用範囲なのかが直感的に分かりづらいことがある。この記事では、基本ルールと実例についておさらいしてみよう。

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問題: 以下の標識の意味は?

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ここで、上の本標識は「大型等のトラックとバスはこの地点より先通行禁止」、下の本標識は「左とまっすぐのみ通行可能」、そして一番下に「8時から20時の間のみ適用」という補助標識が配置されている。

さて、問題は、「8時から20時の間のみ適用」という補助標識が上の本標識にもかかるかどうか、である。











...正解は、「大型等のトラックとバスはこの地点より先通行禁止、8時から20時の間は左とまっすぐのみ通行可能」である。

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それでは以下はどうだろう。

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...正解は、「最高時速50km/hの終わり、8時から20時の間の転回禁止の終わり、日曜・休日を除く8時から20時の間の駐車禁止の終わり」である。

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以下はどうだろう。

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...正解は、「大型乗用自動車等通行止め、および最大積載量3トン以上の貨物自動車等通行止め」である。下の補助標識はバスの本標識には掛からない。

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以下を覚えておこう。

(507-C)「終わり」は、設置場所以下の本標識のダンゴの下端まで一気通貫で適用。その他の補助標識は真上の本標識のみに適用。(以下の頭を参照)

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補助標識が2枚付いている場合は、どちらもその上の本標識に掛かる。

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場所: 東京都渋谷区宇田川町
上の駐車禁止の意味は「20時から翌7時までの駐車禁止の終わり、終日の駐車禁止の始まり」

誤解を避けるための道路標識の設置基準

基本ルールを理解していたとしても、一瞬の判断が必要とされる道路標識の判断で、迷う瞬間があっては困る。それを避けるために道路標識の設置基準が設けられている。本標識と補助標識の設置の仕方についても、誤解を避けるために以下のようなルールが設けられている。

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出典: 交通規制基準 (2021年3月4日)

先程の最初の問題についても、正しくは本標識の間に10-15cmの間を開けるというのが本来の正しい設置方法である。ただし、これは実際には守られていない例も多く見られる。

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この記事の冒頭の写真の例 (東京都中央区銀座通り)についても、本来は以下のような設置が求められる。

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同じ意味の補助標識がダンゴ内の2つの標識に適用される場合は、それぞれに添加される。

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場所: 東京都中央区日本橋
「8-20」が両方の標識に掛かる場合

また、(507-C)「終わり」とその他の区間表示の標識が同じダンゴの中に共存するケースは論理的におかしい。これはたとえ本標識同士の間を空けたとしてもややこしいことこの上ない。これは左右に振る処置が必要となる。

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出典: 交通規制基準 (2021年3月4日)

つまり、以下の2つは意味が異なる。横に振られているものは終わりではない。

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左: 最高時速50km/hの終わり、8時から20時の駐車禁止は区間内
右: 最高時速50km/hの終わり、8時から20時の駐車禁止の終わり

まだまだある!紛らわしい設置例

以下は、この標識が立っている場所の意味からすると「最高時速50km/hの終わり、8時から20時の転回禁止の終わり、駐車禁止の終わり」を意味する。しかし、一番上の標識がアームで前に振られている。東京都では、ダンゴが長くなる場合、一番上の標識をアームで前に出す設置方法が見られるが、一番上に(507-C)「終わり」が付いているケースだと、この設置方法では下の標識にまで(507-C)「終わり」が掛かるのかが不明確になってしまう。これはひとつの支柱に全部設置されるべきである。

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場所: 東京都文京区湯島


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