わざとやフェイクもある!?(209の3)「路面凹凸あり」警戒標識
最近は日本全国で道路整備も進み、主要な道路では舗装もきちんとしていて悪路は減ってきている。そのため、特に街中や幹線道路では「路面凹凸あり」と呼ばれる警戒標識を見る機会も減ってきているが、山道や古くからある道路、もしくは特定の条件を満たす場所では見ることができる。この記事では、「路面凹凸あり」の警戒標識について見てみよう。
標識を設置する目的
「路面凹凸あり」は以下のような条件の道路に設置される。
道路標識を設置する場所の目安も指定がある。
1967年 (昭和42)に、この警戒標識が新設された当初は、やむを得ない事情により路面に穴ぼこがある場所に設置するような指示だった。
実際には、橋や盛り土によって道路の路面がやむを得ず波打っているような場所にもこの標識は設置されている。
わざと路面に凹凸をつける場合も
路面の凹凸は道路の整備不良等によってだけ発生するわけではない。場合によっては、わざと凹凸があるように整備する場合もある。このような凹凸は「ハンプ (こぶ)」と呼ばれる。ハンプとは、交通安全対策のために、道路の路面に設けられた凸状の「段差」部分であり、住宅街やスクールゾーン等に設置されていることが多い。これがあることで車両に減速・徐行を促すのが目的である。
ハンプには様々な形状があるが、最近は警察庁が「標準的な」形のハンプを定義して推奨するようになっている。
ハンプ付近における「路面凹凸あり」警戒標識の設置については、設置がある場合もあるが、特に最近のハンプの設置の際には標識は設置されないことも多いようだ。
フェイクの場合もある
また、設置の容易さから物理的に凸状の構造物を設置せずに、道路標示でハンプがあるように見せかける方法も良く取られている。これは「イメージハンプ」と呼ばれ、路面のペイントのみで運転手に視覚的な威圧感を与え、車両に減速・徐行を促すのが目的である。
あまり見ないがバリエーションもある
「路面凹凸あり」警戒標識が設置される場合は、ほとんどの場合、標準形が使われるが、中にはオリジナルの図柄が使われるケースもある。ただし、その場合はその場所限りで1枚、もしくはペアで2枚設置され、他の場所で同じ図柄が使われることはない。
特殊なケースとして、「洗い越し」で「路面凹凸あり」標識や、それに似た標識が設置されている場合がある。洗い越しとは路上河川のことで、いくつかの理由で橋を架けるまでもないが河川が道路を横断している場合に発生する。大規模なものでは川の中を道が通るようなケースもある。
❶石川県金沢市千木町イ 金沢外郭環状道路海側幹線 千木大橋詰 (Googleストリートビュー)
❷岐阜県恵那市長島町久須見 (Googleストリートビュー)
❸滋賀県守山市梅田町 JR森山駅前ロータリー (Googleストリートビュー)
❹石川県中島町塩津ラ 県道253号線 (Googleストリートビュー)
❺北海道札幌市北区屯田8条2丁目 屯田4番通 (Googleストリートビュー)
❻熊本県上益城郡嘉島町鯰 国道266号中ノ瀬橋付近 (Googleストリートビュー)
❼滋賀県東近江市百済寺町 県道34号線 (Googleストリートビュー)
同じ分類の警戒標識
国土交通省の道路標識一覧を見ると、実は「すべりやすい」「落石のおそれあり」「路面凹凸あり」の3つは同じ通し番号209が付いている。これらに共通しているのは、いずれも「路面に関する状態への警戒」を表していることだ。歴史的にみると、1967年 (昭和42) に「落石のおそれあり」「路面凹凸あり」の2つの標識が「すべりやすい」のカテゴリに追加された。
*
こちらもどうぞ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?