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(310) 車両通行止め (組み合わせ)の種類

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概要

規制の対象とする車両を組み合わせて通行を禁止する規制標識。規制は以下の6つの規制標識から2種類を選択する。ただし、「二輪の自動車以外の自動車」は、トラックやバスを含むため、(304)と(305)/(306)の組み合わせはない。また、2種類の絵柄はどちらが上になるかで2種類が存在する可能性がある。そのため、規制標識の種類は6 x 5 - 2 x 2 = 26種類、規制標識の規制パターンは半分の13種類となる。

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街中で普通に見かける車両の組み合わせ

このように、理論上は26種類の規制標識が存在するが、実際に街中で確認されているものとされていないものがある。

存在が確認されているもので比較的見つけやすいものは以下の通り。

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左から、

● 道の細い住宅地地域で外部からのエンジン付きの4輪・2輪自動車をすべて規制したい場合
● 大型車の通行を規制したい場合
● 跨線橋、アンダーパスなどで軽車両の通行を規制したい場合 (自転車と大八車の絵柄は上下どちらに来るパターンも存在する、大八車が上/自転車が下の方がメジャー)

といった理由で規制標識が設置されることがある。

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場所: 東京都大田区城南島
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場所: 東京都中央区日本橋
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場所: 神奈川県鎌倉市由比ガ浜
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場所: 東京都中央区勝どき
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場所: 東京都荒川区 明治通り
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場所: 京都市下京区 四条烏丸交差点
自転車が上に来る組み合わせは比較的珍しい。しかも、この標識は基本は地点規制だが、ここでは区間規制として使われている。跨線橋やトンネルなど、出入り口を規制すれば進入を防げるわけではないため区間規制にしているものと思われる。

わりとレアな車両の組み合わせ

以下のものは存在が確認されているが、かなりレアな規制標識である。

左から、

  • 二輪の自動車および原動機付自転車および自転車通行止め: 幹線道路での側道があるアンダーパス等でエンジンありなしに関わらず2輪車を規制したい場合 (自転車とバイクの絵柄は上下どちらに来るパターンも存在する、バイクが上/自転車が下の方がメジャー) - ただし2輪車規制に反対する団体もあり何でもは規制できない。

  • 大型自動車等通行止め: 規制自体はよく見られるが、バスが上に来るパターンは全国に3例程度しか報告がない。(例: 山梨県道10号線城山旧道宮城県仙台市宮城野区福田町交差点滋賀県東近江市小脇町の規制予告標識)

  • 大型貨物自動車等および二輪の自動車および原動機付自転車通行止め: 騒音の原因となる大型トラックとバイクの通行を規制したい場合に使用する。

  • 二輪以外の自動車および自転車以外の軽車両通行止め: 幅の狭い踏切で通行できる車両を制限したい場合に使用する。

といった理由で規制標識が設置されることがある。

バイクと自転車の組み合わせは迂回路のあるアンダーパスで

道路、鉄道、河川、港湾等の下を潜り抜ける立体交差の道路、いわゆる「アンダーパス」には、迂回路がある場合とない場合の2種類ある。道路、鉄道の場合は側道にて自動二輪車、原付、自転車、軽車両を通すことができるため、アンダーパス側は通行止めにすることも可能になる。

側道ありのアンダーパスの通行は、特に非力な原付、自転車、軽車両は規制されることが多い。自動二輪車は馬力もあり最近の風潮としては急カーブがあるなどよっぽど危険でない限りは通行止めにしない。また、自転車や軽車両が明示的に通行止めにされずに原付だけが禁止になっている側道ありのアンダーパスも見られる。

シンボルマークはバイクが上、自転車が下になっているケースが多いようである。

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場所: 東京都港区新橋 新橋地下道入口
トンネル内に急カーブがあるため自動二輪車も含めて通行止めになっている。
シンボルマークはバイクが上となっている。
場所: 大分県大分市片島 県道65号米良高架橋入口付近
高架橋の規制。原付はいいが、小特、軽車両をこの標識で規制しようとするのは無理がある!?
場所: 埼玉県さいたま市桜区西堀4丁目 国道17号バイパス上りアンダーパス
原付と自転車の規制が行われている。自動二輪車、軽車両は通ることができる。
国道17号バイパスのアンダーパスは他も同様の規制となっている。
シンボルマークは自転車が上となっている。
場所: 広島県庄原市宮内町 国道183号高道路
トンネルと高架橋のあるバイパス。
シンボルマークはバイクが上となっている。

トラックとバイクの組み合わせは全国1区間

トラックとバイクの組み合わせ (特定中貨、大貨、大特、二輪)の通行止め規制は、2021年現在、全国で1区間のみ存在する。(二輪車通行止めの箇所は、およびそれと組み合わせて通行止めになっている車両は、ここで調べることができる。)

全国唯一の区間は、東京都新宿区の大京町交差点と信濃町駅前交差点を結ぶ道路である。ここでは22時から翌日6時までの間、特定中貨、大貨、大特、二輪の通行が規制される。

場所: 東京都新宿区大京町 大京町交差点
場所: 東京都新宿区信濃町 信濃町駅前交差点
場所: 東京都新宿区信濃町 信濃町駅前交差点

ちなみに、可変標識を入れると北海道函館市函館山の入り口にも存在する。

場所: 北海道函館市函館山 道道675号線いこいの広場付近
可変標識にはトラックとバイクの組み合わせ通行規制標識がみられる。
通常の標識は残念ながら大型貨物車等と自動二輪車の通行止め規制標識が分かれている。

さらに、過去には、もう一か所、トラックとバイクの組み合わせが東京都世田谷区上用賀地区で22時-5時の夜間で区域的に規制されていたが、上用賀地区の規制は2021年現在はトラックのみとなっている。

Googleストリートビューでみてみると、東京都世田谷区上用賀の環八通り「世田谷清掃工場前」交差点では、2009年~2015年4月にはトラックとバイクの組み合わせ規制が行われていたが、2016年3月にはトラックのみに切り替わっていたため、2015年4月~2016年3月の一年間の間に切り替わったものと思われる。

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左: 2014年8月、右: 2016年3月
信号機と交通標識が両方更新された。交通標識更新のタイミングで車両通行止めの規制内容が更新された。
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場所: 東京都世田谷区上用賀の環八通り「世田谷清掃工場前」交差点 (2014年4月、現在は廃止)

交通規制基準の例にあるが激レアな組み合わせ

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四輪の自動車と自転車以外の軽車両のシンボルの組み合わせは、交通規制基準で例として紹介されているにも関わらず、公認の激レア標識となっている。長らく存在が確認されていなかったが、栃木県河内郡上三川町多功のJR宇都宮線の踏切で設置されているのが確認された。

存在が未確認の車両の組み合わせ

以下のものはネット上でも報告されておらず、存在が確認されていない。中には存在するものの上下の絵柄が逆になっているパターンもある。一見、ありそうな組み合わせもあるかもしれないが、よくよく考えると、「その組み合わせで規制するニーズがないのではないか」と思われるものも多い。(たとえば、大型バスと大八車だけ規制、大型トラックと自転車だけ規制、大型バスとバイクのみ規制、など)

というわけで、読者の身の回りでレア標識、そして存在するかもしれない激レア標識を探してみるのも面白いだろう。もし激レア標識を見つけた際にはコメント欄に書き込んでほしい。

場所: 千葉県千葉市美浜区真砂
高架橋の規制として大型トラックと自転車だけの規制が別々の標識で規制されている。1つにまとめるチャンスではあるが、そうはなっていない。

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