学習性無力感:ガソリンスタンドの活性化を阻む見えない敵
1.はじめに
この記事では「学習性無力感」の概念を、1965年にコーネル大学のマーティン・セリグマンとマイヤーが行った犬の実験を交えて解説します。さらに、ガソリンスタンドの経営陣と店舗スタッフの関係を例に、学習性無力感がどのように発生し、組織に悪影響を与えるのかを分析します。
この記事の対象者は以下の方々を想定しています。
ガソリンスタンドの経営者
部下やチームメンバーのモチベーション低下に悩んでいるリーダー
組織全体の業績向上を目指す経営者
この記事を最後まで読むことで以下のメリットが期待できます。
学習性無力感の仕組みを理解し、自分自身や周囲の人を無力感から解放する方法を学べる
無力感を克服することで、仕事や生活の質を向上させるためのヒントが得られる
組織全体のモチベーションを高め、業績向上に繋げるための具体的な方法を知ることができる
では、本題に入って行きましょう。
2.無力感の正体:犬の実験から紐解く学習性無力感
学習性無力感とは、困難な状況に置かれた時に、自分はどうすることもできない、状況を変えることができない無力な状態であると思い込んでしまう現象を指します。これは、1965年にコーネル大学のマーティン・セリグマンとマイヤーが行った以下に示す犬の実験が有名です。
犬を2グループに分け、各グループを別々の箱に入れます。
片方の犬の箱には、スイッチを設置し、犬がそれを操作することで電流を止めることができる状況にしておきます。
もう片方の犬の箱には、スイッチを設置せず、また、犬は身動きが取れないように固定し、電流を止めることができない状況にしておきます。
両グループの犬に無害で不快な電気ショックを定期的に与えます。
次に、これらの犬を低い柵で囲まれたエリアに移動させ、そこでは最初の箱と同様に電気ショックが流れますが、低い柵の向こう側には電気ショックが流れない環境にしておきます。つまり、その気になればいつでも電気ショックから逃げられる状況にしたということです。
その結果、最初の箱で、自分で電気ショックを止めることができた犬は、電流が流れると柵を超えて回避するという方法をすぐに見つけることができました。しかし、自分で電気ショックを止めることができない箱に置かれた犬は、いつでも逃げられる状況に居ながら、萎縮してただじっと電気ショックを耐えていました。
この実験は、無力感が学習によって生まれることを示しました。自分で状況を変えることができない経験を繰り返すと、たとえ状況が変化しても、無力感から行動を起こせなくなるということです。
これを踏まえ以下では、ガソリンスタンドの経営陣が、店長に無力感を学習させている可能性について述べていきます。
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