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外食産業成長支援補助金に採択されるための「1 事業内容(概要)」前半部分の書き方

1.外食産業成長支援補助金とは


 外食産業の成長を支援するための補助金である外食産業成長支援補助金は、補助率2分の1、補助上限額は1,000万円となっています。

 補助対象となる経費は、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、運搬費、広告宣伝・販売促進費、研修費、委託費であり、2次公募の申請期間は2023年7月14日~7月31日となっています。

 当補助金に応募するには、様式1~5を提出し、審査を通過する必要があり、1次公募の採択率は38.5%でした。公募要領を見ると様式2が採択に大きな影響を及ぼすものと考えられますが、その構成は以下となっています。

事業計画名
1 事業内容(概要)
2 事業内容(詳細)
3 共同事業者の支援内容
4 実施体制
5 事業の成果目標

 前回の記事では「事業計画名」の記載ポイントを見ましたが、今回は「1 事業内容(概要)」の前半部分をどのように記載すれば、採択の可能性が上がるのかを見ていきます。

外食産業成長支援補助金「1 事業内容(概要)」前半部分の着目点

 様式2のフォーマット「1 事業内容(概要)」前半部分には以下の但し書きがあります。

①上記の事業計画(解決策)が自社(店)に有効であると考えられる理由
※例えば、テイクアウトの仕組みを導入するだけで大きく業績が回復するとは限りません。より大きな業績の回復を狙って、仕組みの導入に合わせて取り組むことを記載してください。
※同業他社の参考となる可能性があれば、その内容を記載してください。
※取組を遅滞なく効率的に進めるための工夫があれば、記載してください。

 前回の記事で述べたように、当補助金の目的は外食事業者がコロナ禍で落とした業績を回復させることです。よって、売上を上げる方向性とコストを下げる方向性がありますが、当記事では、売上を上げる方向性を前提として述べていきます。

外食産業成長支援補助金で売上上昇を目指す場合の留意点

 まず、「事業計画名」欄で、事業内容を端的に示し、アピールポイントや差別的優位性を述べるわけですが、それがなぜ売上高上昇に結び付くのかを記載する必要があります。

 売上高は、客数と客単価の掛け算で算出されますが、客数は新規顧客と既存顧客の足し算、客単価は買上金額と買上個数の掛け算、つまり、以下の算式で構成されます。

売上高=客数×客単価
 客数=新規顧客+既存顧客
 客単価=買上金額×買上個数

 よって、上記要素のいずれかが、当事業で上がることが説明できれば良いことになりますので、それぞれを以下の視点で検討すると良いでしょう。もっとも、ひとつの要素が上がっても他の要素がそれ以上に下がってしまえば、売上の上昇は厳しくなってしまうことに留意が必要です。

  • 新規顧客を増やす方向性は、広告宣伝などにより、これまで自社を利用していなかった方に利用していただくという視点で検討します。

  • 既存顧客を増やす方向性は、ポイントカードやダイレクトメールなどにより、これまで自社を利用したことのある方の再来店を促すという視点で検討します。

  • 買上金額を高める方向性は、付加価値の高い新たな商品を開発し、比較的高い価格設定にすることなどにより、これまで購入していただいていた商品よりも高単価の商品を買っていただくという視点で検討します。

  • 買上点数を高める方向性は、セット販売などにより、これまで購入していただいた個数よりも多くの個数を買っていただくという視点で検討します。

外食産業成長支援補助金「1 事業内容(概要)」前半部分その他の留意点

 当欄には、※同業他社の参考となる可能性があれば、その内容を記載してください。という記載があることから、同業他社との差別的優位性が求められていると解釈できます。「事業計画名」欄にもこの内容は記載しますので、当欄においては、より詳しく述べると良いでしょう。

 さらに、※取組を遅滞なく効率的に進めるための工夫があれば、記載してください。という記載もあることから、事前準備の充実や、選定した共同事業者の能力などを記載することも一考です。

 以上、「1 事業内容(概要)」の前半部分をどのように記載すれば、採択の可能性が上がるのかについて見てきました。この記事を参考に、外食産業事業成長支援補助金に応募してみてください。次回は「1 事業内容(概要)」後半部分の記載ポイントを見ていきます。

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