時間管理のスキルを高める方法｜ガソリンスタンド経営者の事例から学ぶ

　この記事は、時間に追われる、あるガソリンスタンド経営者の事例を取り上げ、時間管理のスキルを高める方法をお伝えするものです。時間管理のスキルとは、自分の時間をコントロールする能力のことで、これが高まると仕事の成果や満足度を向上させることができます。

　この記事を最後まで読んでいただくと、以下のメリットがあります。

• 時間管理のスキルが高い人の特徴や効果を知ることができます。

• 自分の時間の使い方を客観的に把握する方法が分かります。

• 時間の無駄を減らし、優先順位を決め、計画を立てることができます。

　では、本題に入って行きましょう。

■同社の現状

　同社は、地方都市に立地する家族経営のガソリンスタンドです。同社の経営者は、そろそろ引退を考えており、実質的には後継者が同社を取り仕切っておりました。多くの中小企業は後継者問題を抱えていますが、同社は後継者がいることで、中長期的な視点で経営を考えることのできる強みがありました。

　反面、弱みとして挙げられたのは、洗車やオイルなどの油外商品の販売を担うことができるのは、後継者のみということでした。本人は、経営計画策定の他、配達も担う中、油外商品の販売も担わなければならず、全ての業務が中途半端になっていました。

　外部環境に目を転じると、複数の競合がセルフサービス店へと転換しており、燃料油の価格競争が激化しているという脅威がありました。ですが、セルフ化によって、顧客との接点が減ってしまった競合は、油外商品の販売が芳しくなく、フルサービスの同社にとっては機会となっていました。

　このような現状を踏まえ、同社は以下の方向性を定めました。

■同社の方向性と目標

　同社は、後継者がおり、中長期的な視点で経営を考えることができる強みを活かし、これまで通り、経営計画の策定を進めることにしました。また、機会である油外商品の需要を刈り取るための対策も検討することとしました。

　この方向性を実現するためには、後継者は自身が抱えている仕事に優先順位をつけ、時間管理をする必要がありました。時間管理とは、時間の使い方を計画し、その計画どおりに進めることです。

　そこで、まず時間管理のスキルが高い人の特徴について紹介します。

■時間管理のスキルが高い人の特徴

　時間管理の研究で有名なアメリカの心理学者、アラン・ラックマンの研究によって、時間管理のスキルが高い人は、以下のような特徴があることが分かっています。

• 仕事のパフォーマンスが高い：時間管理のスキルが高い人は、仕事の目標を達成する確率が高く、仕事の質も高い。また、仕事に対する自信や自己効力感も高い。

• 学業の成績が高い：時間管理のスキルが高い人は、学業の目標を達成する確率が高く、学業の成績も高い。また、学習に対する自信や自己効力感も高い。

• 仕事や学業の満足度が高い：時間管理のスキルが高い人は、仕事や学業に対する満足度や幸福感が高い。また、ストレスや不安、抑うつなどのネガティブな感情は低い。

　つまり、時間管理のスキルが高いと、業績が上がり、幸せになるということです。時間管理のスキルは、個人の能力や環境によって異なりますが、訓練や練習によって向上させることが可能です。

　では、具体的に何をするべきなのか。同社後継者に実施していただいたのは時間研究という手法です。

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