4年ぶりの黒字化を果たしたガソリンスタンドの店長がとったリーダーシップとは?
1.はじめに
長年赤字続きで閉鎖が決定したガソリンスタンド。そこに左遷同然で転勤してきた店長が店舗を黒字化に導きます。この記事では、その理由をリーダーシップの状況適合論から、分かりやすく紐解いていきます。
この記事は、リーダーシップスキルを向上させたいビジネスパーソン、業績改善に悩む経営者を対象にしています。また、この記事を最後まで読むことで状況に合わせたリーダーシップの理解が深まり、業績改善の糸口が見いだせるでしょう。
2.左遷同然の転勤と絶望感
関東圏内で複数のガソリンスタンドを展開するその企業が運営していた、あるガソリンスタンドは、当時4年もの間、赤字を出し続けている状況でした。
同店には何人もの店長が入れ代わり立ち代わり赴任し、黒字化に取り組みましたが、改善が見られず閉鎖が決定していました。老朽化と狭さ、そして利便性の悪い立地がネックとなっていたのです。
当時同社で大型店の店長を担っていたA氏は、ある日何の説明もなく、その店舗への転勤を命じられました。事実上の左遷です。納得できないまま、ため息混じりに働く日々。そんなある日、A氏はふと我に返りました。「いつまでため息をつき続けるのか?」
そして、A氏は決断しました。会社を辞める。しかし、単に辞めるのではなく経営陣に「辞めないでくれ」と懇願させるような結果を残して去ることを。A氏には、当時業界歴13年のキャリアがありましたが、これを活かし一旗揚げてやろうと思いました。
3.「1日だけ死ぬ気で働く」
同店は、客数増加が見込めない状況でしたので、売上を高めるためには、客単価を向上させることが効果的です。つまり、タイヤや洗車など油外商品の販売に力を入れるということです。しかし、A氏以外のメンバーのほとんどはキャリアが浅く、油外商品の販売はおぼつきません。
そこでA氏は、自分自身が死ぬ気で油外商品を販売することにしました。明日のことを考えず、燃え尽きる覚悟で、全力で販売に当たることにしました。そのような決意で働き始めた日、疲労困憊ながらも油外商品は驚くほど売れました。
具体的な方策として、A氏は給油作業をできるだけ他のメンバーに任せるべく、給油作業に関する指示を出し、自身は油外商品の販売に集中しました。
彼は、死ぬ気で働いた1日を終え、泥のように眠りに落ちた翌朝、疲れが残る体を引きずりながらも、「今日、もう1日だけ死ぬ気で働く」と決意。再び全力で働き、2日目も成果が出てくれました。
このようにして、今日だけ死ぬ気で働くと決めそれをひと月続けました。店舗の業績は、黒字になっていました。そして、その後の半年間における同店の業績も黒字となりました。その後A氏は社内の大型店へ異動し、大きな実績をあげることとなります。
この復活劇は様々な要因が絡み合っていますが、その要因のひとつにA氏の店長としての行動があります。そこで、彼のリーダーシップを「リーダーシップの状況適合論」から紐解いていきます。
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