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”加山又造ルーム”はまさに異空間
先週9月24日は、日本画家・加山又造の誕生日であった。
それを記念して、竹橋の東京国立近代美術館のある一室が、彼の作品で占められていた。
「悲しき鹿」
一番目を引くのは、一面にひかれた縞模様。荒涼とした大地や空気をも表しているかのようだ。
「春秋波濤」
琳派のよう、と言ってしまえば簡単だが、それを完全に吸収し超克している作品だと思う。すなわちここにはその祖たる光琳も宗達もみじんも頭をよぎることはない。
「千羽鶴」
左右に配された日月とそこを埋め尽くすばかりの黄金の鶴。
絢爛さと静謐さを兼ね備えた作品で、前に佇むとなんとも不思議な境地にいざなってくれるかのようだ。
ちなみに同じモチーフで作られた陶板壁画が山種美術館に飾られているので、こちらも必見。
なお、加山又造は2009年に回顧展が開催されていた。没後5年のことだ。
まだ真新しい国立新美術館の白い壁面いっぱいに彼の作品が掲げられていて、神々しい空間に仕立てられていたのを覚えている。
絵画だけでなく工芸品まで展示されていて、その多才さに圧倒された展覧会であった。
しかし、会期が1か月半とはなんと贅沢な。
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