成年向け同人音声台本:路地裏の呼び声~狐の面は少女と笑う~(非R-18部分まで)

《ざっざっざ……》

社会人という生き物に苦労が多く世知辛いというのは、世の常だ。
今日も今日とて、貴方は会社の残業に追われる日々を過ごしている。
終電の時間はとっくに過ぎ、タクシーに乗るのは安月給の身には応え過ぎる。

そんな都合もあって、時間の掛かっていた仕事にようやく目処がつき、明日が2週間ぶりの休みということでなければ選ばなかっただろうが……。
数駅(スウエキ)離れた家へと、貴方はコンビニで買った酒を呷りながらゆっくりと帰宅している最中だった。

アルコールと日々の疲れによって脳が鈍くなり、ふわふわと浮いてるような感じを受けていたが、それが逆に自分が自由になれているようで妙に楽しくて仕方がない。
わざわざ歩いて帰ろうと思ったのも、こんな妙なテンションになって舞い上がっていたのも含めて、ここ最近の疲れが出てきていたのは間違いないだろう。

……だから、なのかもしれない。
繁華街から離れた路地裏で、貴方はふいに「こーんっ」という鳴き声が聞こえた気がした。
そして…貴方はそれ不思議に思いながらも、声の方へと近づいていってしまったのだった。

???
「……こーんっ♪」

======================================

???
「こんばんは……、良い夜ね? おにーさん♪」
  
路地裏まで入って行くと貴方の前に、赤い和服の、狐の面を頭に付けた少女が一人姿を見せた。
興味深そうに貴方をじっと見つめながら、何やら鼻をひくひくと動かし匂いを嗅いでいる。
そして貴方が驚いた様子を見せると、少女はくすくすと笑い……話し掛けて来た。

???
「あぁ、そんなに驚かないでよ!
こんな夜中にお父さんやお母さんはどうしたのって、別に私は迷子なんかじゃないわよ?
もー、違うったら、住んでるのはこの近く!
少し用事があってここにいただけ……だから、家出でもないってば!
もう、おにーさんってば心配性ね? まぁ、私の事をそんなに気にかけてくれるなんて…すごく良い人なんでしょうけど? ……ふふふ♪」

???
「えっ、家まで連れて行ってくれるの?
うーん、別にそこまでしてくれなくていいんだけど。 もう、そんな心配そうな顔しないで。
仕方ないなぁ、そこまで言うなら連れて行かれてあげる!
……ふふふ、貴方が追いつけたならね♪」
 
そう言うと、少女は突然走り出し路地の更に奥へとい駆けていく。
急な行動に貴方は戸惑っていると少し離れた場所で立ち止まり、追ってこないことを責めるように、じっと貴方を見詰めてくる。
仕方がないと、貴方が半分諦めのような気持ちで追う仕草を見せると、少女はパっと顔を輝かせ、奥へ更に奥へとまた駆けていく。

???
「あはは! 鬼ごっこだよ、おにーさん♪
鬼(オーニ)さん、こっちら♪ 手ーの鳴るほうへ♪」

《タッタッタッ……》

路地は段々と奥へ、影の濃くなる方へ向かい、人通りの喧騒がゆっくりと小さくなっていく。
奥へ行く程に、僅かに感じていた物が腐ったような匂いが濃くなるようで、それが一層、前を走る少女が残す微かな甘い匂いを引き立てているようだった。

???
「ふふ……あはははは♪」

???
「あはは、おにーさん足はやーい♪
ほらほら、もうちょっとで捕まえられるわよ♪
あは、惜しい! あとちょっとだったのにぃ♪
って、あーっ!? あちゃあ…ざーんねん行き止まり、捕まっちゃったなぁ♪」

路地裏の奥、行き止まりまで追い駆けると、少女は悪戯が失敗したとばかりに残念そうにしながら、ちらりと赤い舌を見せ貴方に向かって笑い掛けてくる。
貴方は、何処か浮世離れした少女の様子に奇妙な感じを覚えながらも、少女を家まで送ろうと手を差し伸ばし……手を掴んだ。

???
「んふ、あーぁ、掴まれちゃった♪ ざーんねん、鬼ごっこはおしまい。
それにしてもおにーさん……本当に私を家に送ってくれるつもりなのね? 最近じゃ珍しい位優しいのね、ふふふ♪
巷(ちまた)だと、”よーじょしゅみのへんたい“とか、”ろりこん“っていうのが流行りなんでしょう? ふふ、おにーさんはそういうのと違うのかしら?
それとも、私に魅力がないのかしら? そうだとしたら、ちょっとショックね……」

 
答え難い事を無邪気に聞いてくる少女にどう返せばいいか分からず、苦笑いをして貴方はその返答を誤魔化そうとした。
すると、ふいに少女が目を合わせ、貴方の瞳(ヒトミ)をじっと覗き込んでくる。

???
「でもまぁ、どっちでもいいかしら?
ここ迄来たら、もう放す気はないんだもの……ねぇ、おにぃーさん?
ほら、手を繋いだからって…勝手に連れて行こうとしないで? 私の用事は、今からなんだから……っ!」

瞳を見られながらそう言われた途端、体から力が抜ける。
と同時に、繋いだ手がぐいと思わぬ強さで引っぱられ、貴方はそのまま体制を崩し、どさりと倒れてしまう。

???
「ふふふ、驚いてくれた? あはっ♪ うん、私って貴方が思っているより力強いのよ?
まぁ、おにーさんに全力で抵抗されちゃうとちょっと厳しいんだけど。
あぁやって、じーって私と目を合わせてくれれば、簡単な金縛りの術くらいなら私でも掛けられるからね。
ふふふ…おにーさんが、素直な良い人で本当に良かった♪
嘘がつけないっていうか、顔に良く出るっていうか、今も驚いてるのよーく分かるし♪
ふふふ、可愛い……つい、からかいたくなっちゃうわ♪」
 
仰向けに倒された貴方の上に、少女は馬乗りにのしかかって来る。
乗られると、重さは見た目通り対してないが、何処か蜜のようにしっとりと蕩けて鼻に纏わりつくような匂いが。
そのくせ、森にでもいるかのような微かな土の匂いが混じった……ケモノのような香り(カオリ)が鼻をくすぐる。
体に力を込め跳ね除けようと思うのに、体はぴくりとも動かず——出来なかった。


「……君は何なんだって顔してるわね、おにーさん?
一緒に鬼ごっこをした仲なのに、ひどいなぁ♪
ふふ……あはは! 冗談よ、そんな嫌そうな顔をしないで。
私はね……?
この近くにある稲荷神社に住んでるを狐なの!
うふふ、こーんこん♪ 」

少女は、貴方の上で足を広げて寛いでみせながら、こんこんっと悪ふざけをするように手で狐の影絵を作り、狐の鳴き声を真似てみせる。
少女の悪ふざけを怒ろうとして、貴方はふと気付いた。

その鳴き声は——貴方が最初に聞いた狐の鳴き声と瓜2つのものであったと。


「あー、その、まさかって顔……疑ってるでしょう?
本当よ、嘘じゃないわ!
そうじゃなきゃ、こうしてお兄さんが逃げられないのは何でとか説明出来るかしら?
……まだ疑ってる、お兄さん本当に顔と…匂いによく出るわね
いいわ……それなら、ほら、こんこんっと!」

少女が鳴き声を上げながら腰を持ち上げると、ふわりっとお尻から金色の柔らかそうな大きな尻尾が2つ生えてきた。
甘い、ケモノのような香りは尻尾が生えるのに従い、どんどんと強くなっていくようだった。


「あはは! 驚いてる驚いてる♪
ね? 嘘なんかついてないでしょう? 
ん? なんで自分を……って。
あはは♪ そりゃ私は驚かせたり悪戯するの好きだけど、別にそれだけのためにわざわざお兄さんをここまで引っ張ってきて捕まえた訳じゃないわよ♪
迷子でも、家出でも、悪戯目的でもないの!
……ちゃーんと目的があるんだから」

少女は言うなり、尻尾をふわりとくねらせながら、貴方の体を両足で挟み込む。
ただでさえ動けなかった体が余計に身動きが取れなくなり、貴方は体を悶えさせた。
 

「ふふふ、これでもう絶対逃げられないわね?
……ねぇ、おにーさん?
私みたいに人間に化けられる妖狐(ヨウコ)っていうのはね?尻尾で力の強さが分かるの。
私の尻尾…見ての通り2つしかないでしょう? 普通の狐よりマシだけど、それでも力は弱い方なのよね。
これをね、力を付けよー!って思うと、長ーく生きて力を蓄えていくか……力を増やすために他の生き物から生命力を貰わないといけないのよ」
 
貴方のシャツの内側にゆっくりと手が伸びていき、ボタンを1つ1つ外していく。
貴方のシャツは捲り上げられ、臍、脇腹、胸、そして乳首をなぞる様にして少女の白い指がその上を掠め、踊るように触れていく。


「えへへ……こうしてさわさわーって撫でてあげると、気持ちいいでしょう?
ふふ……ほら、お臍の周りをこちょこちょってして。
それから、こうしてお胸をつぅーって指で撫でてあげると……あは、硬くなってる♪
あ、もうだーめ! 体揺すらないでよ! 恥ずかしがって抵抗とかしても無駄なんだから!
もー、力入らないのに無理しない方がいいよー?」


「ん? 何で自分を選んだのかって?
……ふふ、んーそうね
理由が分からないとそりゃ不安よね……んっ!
あのね…おにーさんを選んだのはね?
……私の声が聞こえたから、だよ♪
こぉーーーんっ♪」

頭の頭に、最初に聞こえてきた狐の呼び声が過ぎる。
たかが声を聞こえただけという事を理由にされ、貴方の心に戸惑いを覚えていると少女は、その様子を見ながら楽しそうにして、笑みを深く浮かべた。


「うんそう、私の声が聞こえて…私の所に来てくれたから♪
力が欲しい時に、鳴く私達妖狐の呼び声はね?
……私達に相性が良い人にしか聞こえないの♪
相性が良い人っていうのは、私達にとってすっごく栄養のある生命力を持ってる人で!
普通の生き物に比べて、ずーーっと私達の力になってくれるのよ♪」
 
嬉しそうに微笑む少女に、勝手な理由で選ばれた事への怒りが湧き上がりそうになる。
その瞬間、少女の顔色が代わり途端に申し訳なさそうな、怒られるのを怖がる子供のような表情が浮かんでくる。

狐 
「あ……ごめんなさい! 上手くおにーさんを捕まえられたからちょっと調子に乗っちゃった…あのね、それだけじゃないのよ!?
お兄さんは私の事心配してくれる良い人だったから、なのもあるんだからね?
折角、力を貰うために色々…エッチな事するんだから……さ?
どうせなら、優しい人とシたいじゃない?」


「えへへ♪ だから、その点お兄さんはどっちの点でも完璧っ!
……狐の鼻はね、人間の本心を嗅ぎ分けられるの
お兄さんが心配してくれてるの、とーってもよく分かったんだから!」

怒るべきか呆れるべきか困惑する貴方に向かって、少女は顔を近づけながら期待と僅かな羞恥心からか…赤く潤んだ瞳を近づけてくる。
顔に当たる吐息が先ほどよりも甘さが増しているように感じて、貴方の胸にどきりという甘い刺激が走る。


「えへへ……ごめんなさい、やっぱり吃驚はしてるよね?
こういう風に、力を貰うっていうの…昔ほど多くはないけど、アヤカシの中では割とまだある風習なの。
まぁ……私はまだ生まれて百歳ぐらい若手だし、経験とか全然ないんだけど。
あ、でも! 色々気持ちよくする方法は、他の妖狐から教えてもらってるから!
言われた通り触ってたら、貴方のお胸もぴくぴくしてるし、きっと……お互い気持ち良くなれると思うのよ」
 
まだこの行為が受け入れ難い所があるものの、必死に魅力をアピールする狐の少女に愛らしさを覚えなくもない。
貴方の中にふとそんな思いが湧き、それこそ少女の思う壺だと苦笑してしまう。
少女は目ざとくそんな貴方の心の変化の匂いを嗅ぎつけたのだろう、ぱっと顔を輝かせ再び猛アピールをしてくる。


「……別に気持よくなれるっていうのは、別に適当に言ってる訳じゃないのよ?
相性が良いってことはね…お兄さんの方も普通の人の相手をする時よりずっとずっと気持ちよくなれるってことなの。
だから、ねぇ。おにーさん? 私ね……力を貰う代わりに、いっぱいいっぱい気持ちよくしてあげるから……協力して、シて欲しいなぁって思うの。
いいよね? こん……こぉんっ♪」


===================================================

現在作成中または製作済みの、成年向け同人音声の台本、健全部分になります!
ご興味ある方は、twitterのプロフィールに今までの作品URL記載してるのでそちらからご覧下さい!
また次回作などについての進捗もtwitterなどで報告しております!

ご興味ある方は、【思叫堂~ロア~】で御検索下さい。

なお作成に当たって、イラストや声に結構費用が掛かるのでご支援頂けると、大変助かります!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?