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ポージング楽しもう!というはなし

近年の可動式フィギュアやキャラクタープラモデルはとにかく可動域がすごい。ポーズ例なんかを見ると、それらがバラバラなパーツから構成されているとは思えないほどに有機的に感じられる。
しかしそれらを買うだけ買ったor組んだけれど、どうポーズを付けたものかと結局突っ立たせているだけの人も多いのではないだろうか。

今回は素立ちで置いているだけの状態からどのようにしてキャラクターに動きをつけていくのか、超ざっくりながら段階を経てポーズ付けしていこうと思う。
ポージングってすごく楽しいんだぜ…!


素立ちを改善する

本日の主役「Figure-rise Standard ウルトラマンブレーザー」

まずは関節をほとんど動かしていない素立ちの状態。四肢はピンとまっすぐ、堅苦しいロボットのよう、あるいは覇気が宿っていないようにも見える。
このままではキャラクターらしい息吹が足りないので、脚を軽く開いて活力を感じさせたい。

ドンッ

脚を肩幅まで開いてみた。たったこれだけで既に安定感が生まれ、未だ下半身の簡単な動きのみながら無機物っぽさが抜け始めている。
ひとまず脚はそのまま。次は上半身の堅さを解くべく、腕をほんのり開いてみよう。

リラックスしてくださいね~

腕を外に向けて広げてみた。腕全体に程よい脱力感が生まれ、緊張しい雰囲気が抜けてより有機的なイメージに近づいた。

人形卒業

並べてみると”プラモデル”から”キャラクター”に近づいているのが分かりやすいかと思う。ここまでで動かしたのは股関節と肩部のたった2ヶ所
ここから仕上げで細かい部分を整えていこう。

腰可動がなくても顎を引くだけでだいぶ変わる

胸を張るように肩を奥に引き、上腕を後ろに、前腕をわずかに曲げる。
腕は”肩で息をさせる”ようにふんわりと曲げておくと、印象付けが効いて全体を見たときにビシッと決まっているように見える。

さらに腰をやや反らせて顎を引く(やや下を向く)ようにすると正面から見たときに睨みがきくようになり、目つきが鋭く映る。

素立ち←→調整後

改めて素立ちだけの初期状態と完成した立ち姿を比較。
左は人形のような動きの見えない堅物っぽさが残っているが、右は敵を前にそびえ立つ威風のある姿勢になった。

立たせ方ひとつでもこんなに姿が変わる。具体的にポーズが決められなくても、まずは自身満々に立っている様を作ってあげるだけでかなり飾り映えするので、もし棚に立ち尽くしている者がいたらこうして簡単にでも息を吹き込んでやってほしい。

見たことあるポーズにする

ここからは具体的にポーズを付けていこう。
とはいえいきなり「はい、カッコいいポーズを作ってください」とするワケにもいかないので、お手本を真似る形でやってみよう。
まずは「ウルトラマンブレーザー」のメインビジュアルで実際に構えている風を受けるような浮遊ポーズ。

まともな台座がほしい

下半身は写っていないので少し省略気味に。ビジュアルを見ながらどこがどう動いているのか、照らし合わせて近づけていく。

まず上体の反りが目に付くので、左側に傾けるようにし、右肩もかなり思いっきり上がっているので可動域ギリギリまで持ち上げる。左腕は力んでいないのでゆったりと、左脚は腿を主張させるように上げて完成。
こうした参考例があると仕上がったときに”手元にいる”ように感じられていっそう存在感が増すのでオススメ。

何度か取らせたうちのベストショット

次はブレーザーが変身後に取る独特な臨戦態勢の構え。
こちらは作中で頻繁に見るポーズなのですぐに作りやすい…ように見えてバランス感を捉えるのが非常に難しい

  • 脚を大股に思いっきり開く

  • 右手は顔の横へ

  • 左手は胸のやや横に添えるように

  • 重心を低く取りながら接地性を確保

  • 睨みをきかせるための絶妙な顔の調整

など…同じポーズを何度も取らせている身でありながら納得の行く再現がなかなか上手くいかない。

しかし難しいからこそ理想の角度が組み上がったときはすごく嬉しいし、写真に収めたときの迫力は段違いのモノとなる。なにより何度も見比べていくことでモデルの細部を調整する重要さや、些細な曲げ方で大きく印象が変わることを実感できるので、難易度の高いポーズにも挑戦してみてほしい。

自分を手本にする

腰のひねりが重要すぎる

どんな風に動かしたいかイメージはあるけどモデルに投影させられない…というときはいっそ自分が体を動かして思い描いたポーズを具現化してしまうのも一つの手段だ。

ストレートパンチをさせるだけでも手先の角度はどうか、余った片手はどう力ませているか、ふんばっている軸足はどちらか…と疑問を即座に解消することができる。人間の可動域では不可能な動きを検証できるのも大きいだろう(時には無茶をさせてデフォルメすることもあるが)。

凛とさせるか、荒くするか

騎士のように凛とすますなら腰を前に(脚のラインをまっすぐ)、獣のように荒々しく力をこめるなら腰を後ろに(膝に重みを載せる感じ)、といった具合にレパートリーの主軸となる部分を体感で覚えられるため、脳内で想像してから自分で動いてみると色々と発見があるかもしれない。

間違いなく痛いやつ

俺の股可動が終わってるからこのハイキックは実現不可だね…
体がしんどくなる無茶はフィギュアに任せよう!

ポーズ作例

回し蹴りを意識、片足立ちは粘り強く向き合う

ここからはひたすら取らせたポーズの紹介。
写真を撮る時は”見せたい要素だけ”をフレームに収めたほうが良い。もちろん頭から足先まで見せたいのならその限りではないし、結局は臨機応変に…と身も蓋もない話になってしまうのだが…
カメラを傾けて余白をカバーしたり、トリミングするなどは分かりやすく有効な手段だ。

「ブレーザー光線」煽り気味で迫力を増し、下半身はいらない情報なのでフレームから外す
いわゆるスーパーヒーロー着地、腰や股の可動限界はカメラワークでごまかす
「ぐんぐんカット」肩アーマーは諦めて全力でフィクションな肩可動
いつもの儀式、股を閉じて膝立ちがどうにも無理なので枠から外して乗り切る
逆手持ちで斬り付ける、腰を落としてとにかく素早い一撃のイメージ
左手は添えるだけ、ちょっと余裕のある斬り払い

つまるところ

仙人?

せっかく動けるモデルがあるなら動かした方がもっと楽しいぞ!ということでただの一介のオタクの遊び方を見せただけだが…多少なりともアイデアの元になれたなら嬉しい。
原作で見たことのある姿でも、自分が思い描く理想の姿でも、好きなようにガシガシ動かして写真を撮りまくって楽しんでみてほしい

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