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【お受験本レビュー】慶應幼稚舎・早実初等部・筑波小学校に合格する子育て(現代書林)

「合格するためには知育教材のペーパーは毎日100枚がノルマなんでしょ……」

小学校受験を考えているお母さんたちの間ではこんな情報が出回ることがあります。

しかし、47年の歴史を誇り
慶應幼稚舎は4人に1人
早実初等部は3人に1人
筑波小学校は2人に1人が合格するという日本屈指の幼児教室の理事長はこう言います。

「小学校受験は決してわが子に特殊訓練を強いるようなものではありません。家庭での接し方・過ごし方次第で慶應幼稚舎・早実初等部・筑波小学校といった超難関小学校に合格できる子どもが自然と育ちます」

「慶應幼稚舎・早実初等部・筑波小学校に合格する子育て(現代書林)」では、家庭での接し方で合格する子が育つ方法から、受験本番までの準備、願書の書き方、面接の注意点まで小学校受験で合格を勝ち取るための極意を惜しげもなく公開しています。

要約メモを以下に記載しましたが、それ以外にも、各学校ではどのような試験の内容なのか、いつ頃から何を準備したらよいのか、願書の書き方、面接の答え方など、とてもわかりやすく書いてありました。


こういう親子が合格している

ラーメン特訓
子どもと一緒にスーパーへ出かけ、子供がじぶんで食べてみたいと思うラーメンを選ばせ、子供が自分一人でラーメンを作って食べる。カセットコンロを使い、子供用包丁でネギを刻む。生まれて初めて自分一人で作ったラーメンは世界で一番おいしいラーメン。
この体験が自信につながり、食事の支度を手伝うこと、料理を作ることに興味がわく。実際に料理が得意だった男の子はペーパーが得意ではなかったが、面接で料理のエピソードを話すことで、面接のあるすべての小学校から合格を勝ち取った。

洗濯物自分1人で行える子
5歳の女の子は、火曜と金曜は洗濯係りとして、母親は手を貸さず、ひとりで行える。
色物と白い服を分けて洗濯、乾いたら取り込み、家族全員の服をクローゼットの棚にしまい、ハンカチのアイロンがけをする子。5歳児であれば身体能力としてできる。

合格への絶対必要条件は、志望校を大好きになること
例えば早実では、早稲田愛を面接で伝えること。早稲田大学への愛ではななく早実初等部の教育内容や先生方の熱意、生徒たちの学校行事での活動などへの賛同を志望動機に織り込んで明確に伝えること。我が家の「去華就実」を探し、願書に書くこと。

小学校受験の現実、入試の裏側を教えます

小学校受験はしたほうが得
受験には競争があり、私立も国立も合格できた子だけが入学でき、努力やがんばりをポジティブに評価する子が集まる環境になる。
自分が努力した結果、この学校にいるという自覚があるので、自分を認めると同時に、他の子も認められる。
がんばりを認められた子は、友達が努力してがんばっている姿を見た時に自然と応援ができ、からかって引きずりおろそうとすることは無い。

年長の春にすること
学校説明会と見学会に参加すること。学校見学会では、「わが子をこのように育てたい」という希望が実現できそうか、生徒の作品や張り紙の内容などを見る。学校説明会では、雰囲気が家庭に合うか、先生の話が我が家の教育哲学と合致するか。

年長の夏にすること
10月の神奈川か埼玉の併願校で合格しておき、11月に第一志望の学校を受験すること。そのため、夏に願書を清書し、9月に面接を受け、10月に受験をすること

賢い子に育てるためには、ペーパーの前にまず運動をして体力をつけること
クマ歩きが早い子は、50メートル走も早く、計算力も高い。そのためクマ歩きが試験に出る。

名門小学校に合格する子を家庭で育てるためのチェックポイント

難関小学校に合格できるかは、家庭環境で決まる
生活面で自立しているか、心が育っているかを試験で見る。今できない事があっても、「できるようになった」と本人が自信をつけることが大事で、「自分でできた」という自立心と自信は、子供の大きなエネルギーになる。

しつけ

ものごと・行動の理由を理解させる(考えさせる)。事前に見通しを持たせる、意識させる。子供は親の背を見て育つので、親は日々の行動言動を意識すること。

1.あいさつができ、人の話をきくことができ、場に応じて敬語が使える
2.「はい」と返事ができ、「ありがとう」「ごめんなさい」が状況に応じて言える
3.親の目が無いところでも、安全に気を付けた行動ができる
4.大人同士が会話をしている間、話に割り込まず、おとなしく待つことができる
5.公共の場で親の指示が守れ、静かにするべき場では自分を抑制できる

言語
単語で終わらず、きちんと文章で話させること。語彙力を増やすこと。

1.毎日の出来事や幼稚園での様子を具体的に3分話せる
2.電話に出て「●●です」「しばらくお待ちください」と丁寧語が使え、電話で受けた要件を正確に伝えられる
3.友達と遊んでいて、自分が使っているおもちゃを取り上げられた時、言葉を使って自分で対処ができる
4.上から2段目、右から3列目 などの指示が正確に理解できる
5.泣いている子がいる、自分が失敗した などなど、困った時に大人に正確に伝えられる

姿勢
継続して良い姿勢がとれることは、学力を伸ばす上で重要。姿勢が悪いことを指摘するより、姿勢を良く保っている時を褒め、ほめることで本人が意識する

1.背筋を伸ばし正しい姿勢を保てる
2.机に向かい、正しい姿勢で本を読んだり、ペーパーに取り組むことができる(椅子の背もたれは使わない)
3.床で正座ができる
4.体操座りが長く続けられる

生活
生活に関する行動は、子供が失敗しても怒らず、対処の仕方を教えてあげる。自立できることを目標にする

1.朝決まった時間に1人で起き、夜も1人で寝ることができる
2.歯磨き、手洗い、食事、排せつなど、身の回りのことが一人でできる
3.身の回りの整理整頓ができ、使ったものの後片付けができる
4.お風呂でから体を洗い、髪を乾かすことができる
5.近所で夕食などの買い物ができる(危機管理も同時に親が教える)

我が家での役割を与える
お手伝いをすることで、「自分が誰かの役に立っている」という自信を持たせる「助かるわ」などと声掛けをし、「僕の努力をちゃんと見ていてくれる」と感じさせることが、信頼感がわが子との絆を強く結ぶ。家事のほとんどは6歳児ならできる。お料理でも手順を考えながら進められる。

1.風呂掃除、またはトイレ掃除が毎日できる
2.家でなんらかの役割を毎日になっている
3.洗濯機をかけて洗濯ができる
4.洗濯物を干し、取り込み、畳んで収納できる
5.家族が病気の時、簡単な看病や家事の代わりができる

手先の巧緻性

1.線に沿って紙を手でちぎることができる
2.はさみを正しく使い、らせんや破線を切るなど指示に応じた作業ができる
3.お弁当を包み、コマ結びができる。鉢巻、エプロン、靴紐が結べる
4.立体的な折り紙のレパートリーが6種類ある(箱、カメラ、インコ、鶴、アヤメなど)平面でもたくさん折れるとよい
5.紐を2,3,4,6,8等分できる

運動
運動の試験では、「たくさんの指示を一度に理解できるか」「楽しそうな表情と真剣な態度態度」「メリハリのある態度」が見られる。一つ一つの運動が自信をもってできると、これらの点が良い評価となる。また、「できるところまでがんばろうとするか」「途中で投げ出さず最後までやり通そうとするか」も見られている

1.マットの上で2回以上続けて前転できる(できれば手をつかず勢いで起き上がる)
2.鉄棒に20秒くらいぶら下がることができる
3.ひとり縄跳びでリズミカルに前飛びが20回以上できる
4.3メートル離れた的に、小ボールを当てることができる(上手投げ)
5.複数の運動を組み合わせたものを1回の指示で覚え、指示に応じて運動することができる

行動観察

1.自分の意思を、友達に言葉で伝えられ、友達の話も聞くことができる
2.意見が対立するような時も、自分が主張することと、お友達に譲ることのバランスが取れる
3.友達の遊びの中でリーダーシップがとれる(わがままにならず)
4.乱暴な行動や言葉遣いをせず遊べ、乱暴な言動をする子に引っ張られない
5.できなくても最後まであきらめない。弱音をはかない。無気力な態度にならない

わが子がペーパーができずにカーっとなった時
子どもが理解できるレベルまで親が降りていき、ヒントを順に与える。100回言わないとわからないこともある と考え、10回20回でいらいらしないこと

父親として

父親は子供に夢を語ろう
父親は、わが子が生まれて成長することがどれくらいうれしいか、この後わが子とお母さんとどのようなことをしたいかをわが子に語る。お母さんのことを大事に思っているお父さんを見て、我が子は安心するし、お母さんを愛するお父さんは、きっと私のことを愛してくれるはずと思う。仕事の夢を語り、仕事をする大人ってかっこいいと感じてもらうこと。仕事を通じて、誰かの役に立っている、社会のために役立っているということは、子どもとして誇りが持てる。

父親は子供とたくさん遊ぼう
子どもの要求を受け止めてあげることは重要。子供が遊びたい遊びに付き合ってあげると親子関係は必ず好転する。子供に率直に「今度の日曜日は何がしたい?」と聞いてみるのもよい。

父親は、受験をするお母さんを受け止めよう
わが子の指導に過熱している母親を見ても「そんなにやりすぎなくてもいいんじゃないか」「そんなにつらいなら小学校受験はやめよう」などは絶対に言ってはいけない。
「ありがとう」「君のおかげでこの子がしっかり育っている」とねぎらい、感謝する言葉を口から発すること。妻にはいつもリスペクトと感謝を口に出して言うこと。

まとめ

本書「慶應幼稚舎・早実初等部・筑波小学校に合格する子育て(現代書林)」は、小学校受験をしてみようと思っている方、お受験の準備を始めているが「どのような教育をすればいいのか」悩んでいる方にぴったりの本だと思います。
要点としてまとめた以外にも多く記載と実例が記載してあり、とても参考になりました。

1400円程度で本を購入して、わが子が第一志望の小学校に入れるのならば、とても費用対効果が高いと思います。ぜひ購入してご一読ください!


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