ときのそら3rdアルバム『Re:Play』感想 ~カバーアルバムの魅力~

ときのそら3rdアルバムであり初のカバーアルバム『Re:Play』の感想です。
成長と共にカバーアルバムというものの魅力に気付かされた一枚でした。

1.HOT LIMIT

今まで歌枠などでもなかった方向性に「そらちゃんがHOT LIMIT!?」と衝撃だった1曲目。ノリノリながらかわいく楽しげな歌い方には原曲とはまた違った魅力があるように感じる。
リリースと共に投稿されたMVのそらちゃんはちょっと大人な水着姿で、まさに魅惑のマーメイド。しかしガムテープを巻かれたような例の衣装のあん肝には笑いを禁じ得なかった。ずるい。

2.ロマンスの神様

元々歌を聴く習慣があまりなかった自分の耳にもよく馴染んでいる、言わずと知れた名曲。1曲目から転じてオンナノコなかわいさが感じられ、原曲からキーの上がったサビではお馴染みの高音も聴けて耳心地良い。少し前に広瀬香美さんがそらちゃんに向けてツイートや記事のコメントをしてくださるという絡みがあったこともあり、選曲に「おお…!」と声が漏れた。

3.ファンサ

好き。コールしたい欲と共に、『Dream!』の思い出が蘇る。あれから色んな人のファンサを聴くことがあったが、自分にとってファンサはそらちゃんの曲なのだ(刷り込み)。動画がまだ戻っていないこともあり、カバーアルバムという形で再び聴けることがとても嬉しい。
記憶にある歌声と比べて余裕すらあるように思える表現に成長を感じさせられた。あと本アルバムでアレンジが好みの曲のひとつ。ギターかっこいい。路地ロジさんありがとう。

4.MASAYUME CHASING

今回初めて知った曲①。キレのあるサウンドにややエフェクトの効いた歌声が相まってノリノリになれる。サビではOh! Hey!とコールもあり、ライブで盛り上がりたい一曲だ。
当然ラップパートがあることも知らなかったので、初聴で驚かされた。そらっぷかっこいい…!いや本当に様になっていてかっこよかった。ブルーベリームーンでも見せたそらっぷだが、この曲でさらに磨かれていたように感じた。

5.怪物

歌枠でも歌われたYOASOBIさんの怪物。原曲に沿った淡々とした始まり方から、より緩急を強調した歌い方が好みで、しっかりと味付けされているように感じた。特に教えてくれよ、の叫びとそれに続く優しい声が好き。オク上の高いコーラスにはボカロを思わせる綺麗さに乗せて不安定な心境が表されているように思え、これもまたよかった。

6.アンドロイドガール

そらちゃんの4周年記念ミニライブで知ったDECO*27さんの曲。一音目からエフェクトの乗った声がかっこいい。素人目にも難しい曲だが、しっかりと歌いこなしていて流石だと感じた。インタビューでも触れられていたように「君だけは許さない」の感情の高ぶりは鳥肌もの。ラスサビの声には今までにないほどの鬼気迫る力強さがあり、心を震わされた。

7.God knows...

一音目で「あ、高い」となるくらいには聴き馴染んだ曲。前の曲の激しさを受けたクールダウンにもなっているのか、意外とゆったりとしたテンポと力強くも落ち着いた歌声は、じっくりと聴ける良さがある。随所で聴けるハモリも綺麗。作品の思い出も振り返りつつ味わいたい一曲だ。

8.Butterfly

倖田來未さんのButterfly。色気のあるこの曲を歌うそらちゃんはちょっとオトナな印象で、普段はあまり見ることのない(失礼)ギャップを感じられて良かった。最後の「Butterfly」の息の抜き方は必聴だ。サビの「burning heart」の歌い方もかっこよくハマっていてとても好み。

9.まっさらブルージーンズ

今回初めて知った曲②。「まっさらブルージーンズ!」の掛け声に始まり、ピロコロピープーした音と軽やかな歌い方で一気に楽しい気分になる。選曲の経緯が気になるが、「大きな夢を翳したら」と青春を歌う曲はそらちゃんにぴったりなのかもしれない。
個人的に本アルバムで一番耳に残る曲。まっさら、まっさら~。

10.嘘

一転して切なげな声とピアノによるイントロは綺麗の一言。原曲のかっこいい印象も残しつつ、通してしっとりめに寄せているのがとても好みのアレンジだ。後半では盛り上がりながらも優しさを感じる歌声が心に響く。元々好きな曲だけにそらちゃんの声で聴けるのが嬉しく、かなりお気に入りの一曲となった。

11.赤いスイートピー

自分でも耳に馴染んだ名曲その2。ゆったりしっとりとアレンジされた曲調と、優しく響く澄んだ声はまさに癒しそのもので、心が洗われる気分になる。聖女かな…。
歌を聴いているうちに好きが溢れてくるようで、真っ直ぐで共感を呼ぶ歌詞が世代を超えた名曲たるひとつの所以なのだろうと改めて思わされた。

12.この世界で

今回初めて知った曲③。荘厳な雰囲気の中に響かせる高音が印象的で美しい。綺麗なだけではない世界、それでもひとつ大切なものを歌った曲に、優しさを帯びた歌声がとてもマッチしていた。「あなたの前を歩いていくから」という歌詞は、前の曲と対になっているようにも感じられる。

13.KING

そらちゃんの歌ってみたでも好きな曲のひとつ。比べるとエフェクトがやや強めでギターもかっこいい~などと思いつつ聴いていたら囁くような「You are KING」にやられてしまった。2回目の笑い声もかわいい…。
英語の発音がさらに綺麗になっていてまた良かった。動画と合わせて2度美味しい。

14.エイリアンエイリアン

そらちゃんボカロ歌ってみたの代表曲が改めてひとつの形となった。綺麗な高音はそのままに、かわいいに振った歌い方がなんとも心を惑わせる。しゅき。ピコピコした音も楽しげで、いくらでも聴いていられる。
ステージで歌う度に成長を感じさせられる曲のひとつで、『Role:Play』でのパフォーマンスも期待がさらに高まってしまう。

15.太陽系デスコ

そらちゃんボカロ歌ってみた代表曲その2。第一声からこれがときのそらだ!と言わんばかりで、すっかり自分のものにしているように感じるのは色眼鏡ではないはず。全体的により楽しげな味付けとなっており、聴くだけで思わず体が動いてしまう。安定感と聴きやすさ、表現力が一層上がったハイトーンボイスは全人類に聴いて欲しい。
ラスサビの盛り上がり、それに続く最後のロングトーンが最高に気持ちよく、アルバムの締めとして大正解と思えた。

終わりに

年代・ジャンルともに幅広いだけに歌声や表現にも幅を感じられ、様々なときのそらが味わえる欲張りな一枚でした。逆に言えば、それだけの成長があったからこそ成し得たカバーアルバムなのだとも思います。思い出深い曲も入っていて、履歴書という表現にも納得です。
誰かの曲だからこそ、そこに込められたものに沿う形で色んな側面が見えてくるように思えて、カバーというものの良さを改めて感じさせられました。
またひとつ宝物をありがとう。そらちゃんと製作陣の方々に最大限の感謝を!
本アルバムを引っ提げてのライブ『Role:Play』、公演を心から楽しみにしています!


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